「働く人のこころの健康相談室」利用状況 2008年10月~2009年3月

2009年11月19日

茨城産業保健推センターでは、2007年12月から、毎月2日(毎月第2・第4月曜日、ただし祝日・年末年始等を除く)、「働く人のこころの健康相談室」を設け、勤労者のメンタルヘルスに関する相談を受け付けてまいりました。
このたび、2008年10月から2009年3月までの利用状況を、下記のとおり取りまとめましたので、お知らせいたします。

「働く人のこころの健康相談室」の利用状況

    1. 相談期間  2008年10月1日 ~ 2009年3月30日
    2. 相談日数  14日(42人枠)
    3. 相談者数  32名 98件(実質 21名)
      【上期 延 28名 63件(実質19名)】※1
    4. 相談状況
      ⅰ.相談結果 ※2

      • 年代別では、20代・30代・60代の順に多く、20代・30才代で73%を占めていた。
        勤労者が78%、上司や親からの休職や対処法の相談が22%あった。
      • 男女別では、男:女=4:6、上期と男女比が逆転した。面接を主に実施した。
      • 男性・女性共に、①職場の問題②自分自身のこと③メンタル疾患の相談割合が多かった。
        • 職場の問題では、①人間関係②仕事の負担③労働条件④いじめについてが多かった。
        • メンタル疾患では、①復職前・後の問題、②上司や親の対応などの相談も多くなった。
        • 女性は上記に加え、生き方や家庭問題も多く、1人で複数の問題を抱えている人が多かった。
      • 経済的弱者・性格傾向が、メンタル問題に大きく関与する傾向があり相談窓口の必要性を痛感した。
      • キャリアカウンセリングの相談事例も増加、20代・30代に多かった。

      ⅱ.相談の対応

      • 初回面接が多いので、傾聴により、今の状況・気持ち、問題点の明確化と整理を心がけた。
      • 話しを聴きながら、現状が少しでも楽になれる方法を一緒に考え、出来る事を探していった。
      • 楽になる方法・出来る事について宿題を出し、自己の状況把握と対処ができるように配慮した。
      • 良い状態へ改善するために、生活リズム(睡眠・生活習慣)を良くし体調改善ができるよう配慮した。
      • 深刻事例1不安定者には、治療を受けている事を条件に連携を取りつつ複数回の面接を行った。
      • 主治医の意見を守りつつ、休業中の過ごし方・リハビリの仕方をサポートした。
      • 事例(相談者の事情)によっては、休業から復職までを支援、サポートした。

      ⅲ.相談者の反応

      • 話を聴く事で、下記の感想が聞かれた。
        ①「誰にも言えなかった事を話せて良かった」
        ②「今の状況・気持ち、問題点が理解できた」
        ③「問題点が明確になった」
        ④「整理ができ少しスッキリできた」
      • 終わりのスケーリングで、70~80%軽減される相談者が多かった。
      • 休業から、復職トライ・転職(適職探し支援)トライする気になり、行動に移せた。
    5. カウンセラーとして訴えたいこと
      メンタル疾患の休業中の過ごし方やリハビリの仕方は、本人任せでフォロー・サポート者がいない。
      結果的に職場復帰が遅れやすくなる。今期は、必要に応じて回数を重ね実施してみた。
      休業中の適切な支援は、早期職場復帰への手助けになると思える。

研修による知識教育で早く・相談上手く対処できる支援と共に休業中の相談対応の必要性も感じた。
気軽に相談してもらい、個々に合う適切な対処法の支援で、早く職場復帰を出来るように支援したい。
早く苦しみから脱出できる、その人らしく有意義な人生を送れるように支援する役割は大きいと感じた。

男性 ※4

  職場の
問題
キャリア
カウンセ
リング
自分の
こと
メンタル 家庭の
問題
生活
全般
件数
(件)
相談者
(名)
10代 0 0 0 0 0 0 0 0
20代 3 7 14 2 3 0 29 9
30代 2 0 0 1 0 0 3 1
40代 6 0 0 2 0 0 8 3
50代 0 0 0 0 0 0 0 0
60代 0 0 1 1 1 0 3 1
11 7 15 6 4 0 43 14

 

女性 ※4

  職場の
問題
キャリア
カウンセ
リング
自分の
こと
メンタル 家庭の
問題
生活
全般
件数
(件)
相談者
(名)
10代 0 0 0 0 0 0 0 0
20代 5 0 4 1 0 0 10 2
30代 16 2 6 5 1 0 30 10
40代 0 0 0 0 0 0 0 0
50代 1 0 0 1 2 0 4 2
60代 1 1 2 3 4 0 11 4
23 3 12 10 7 0 55 18
男女計 34 10 27 16 11 0 98 32

※1 相談時間は、概ね1時間程度以内としている。
※2 相談方法は面談又は電話。費用は無料(通話代は相談者負担)。
※3 08年10月~09年3月
※4 平均すると一人3.1件の問題を抱えていることになる。