いばらき産保ニュース 第3号

発行日:2007/08/06
ホームページ:https://ibarakis.johas.go.jp/
発  行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健推進センター 所長 小林 敏郎


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新着情報

石綿業務従事者に対する「健康管理手帳」、交付対象を拡大/労働安全衛生規則改正

労働政策審議会は7月30日、石綿(アスベスト)等の製造または取扱業務に従事した人が年2回、 無料で健康診断を受けられる「健康管理手帳」の交付対象を拡大することを目指した 「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」について、「妥当と認める」と答申をしました。 それによると、現行の健康管理手帳の交付対象者のほかに、

  1. 石綿等の製造作業などに1年以上従事し、初めてばく露した日から10年以上経過している
  2. 石綿等を取り扱う作業に10年以上従事した経験があるのいずれかに該当する者も追加されることになります。
    施行は10月1日の予定です。
    詳しくは→こちらをご覧下さい。

「石綿に関する健康管理手帳」の交付について(現行制度)/茨城労働局・厚生労働省
http://www.ibarakiroudoukyoku.go.jp/kijun/kijun24.html#taisaku4
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/techo/index.html
「石綿に関する健康管理手帳」の交付申請にかかるご相談は、茨城産業保健推進センターへ是非どうぞ
電話:029‐300-1221
お問い合わせメールフォーム

平成19年度全国労働衛生週間の実施要綱決まる

全国労働衛生週間は、国民の労働衛生に関する意識を高揚し、さらに事業場における自主的労働衛生管理活動を通じた 労働者の健康の確保と快適な職場環境の形成を図ることを目的として、昭和25年から実施されており、 本年で第58回を迎えます。 毎年、10月1日から10月7日までを本週間、9月1日から9月30日までを準備期間としています。 この度、平成19年度全国労働衛生週間実施要綱が決定され、厚生労働省より発表されました。 また、今年のスローガンは
こころにゆとり からだに余裕 みんなでつくる 健康職場です。
近年、過重労働による健康障害や、メンタルヘルス不調などの健康問題が重要な課題となっていることを踏まえて、 労使が一丸となって健康に働ける職場の実現を目指すことを表しています。スローガンは、本年5月に行われた一般公募及び 内部公募の作品の中から選考を行い、決定されました。
実施要綱は→こちらをご覧下さい。

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センターからのお知らせ(お役立ち情報等)

「さんぽいばらき」29号を発行

センターでは産業保健に関する情報をとりまとめた情報誌「さんぽいばらき」を年3回発行し、最新の情報を提供しております。
この度、29(2007年7月)号を発行しました。今回は、メンタルヘルス特集として

  1.  「自殺の現状と産業医の面接強化」
  2. 「エゴグラムで『こころ』を見てみよう」
  3. 「あなたの会社のメンタルヘルス対策
    --中・小規模事業所での推進を中心に--」
    を、一挙掲載しています。
    また、産業保健セミナーのご案内なども・・・
  • 情報誌購読「いばらき産保ニュース」をご希望される方は、こちらからお申込ください。購読料は無料です。

年にもう1回、“臨時”の健康診断を受けてみませんか

――健康診断の費用の4分の3が助成されます/自発的健康診断受診支援助成金制度――
予期していない突然の病死のことを突然死といい、医学的には発症から死亡までの時間が24時間以内のものと定義されていますが、仕事上のストレスが関連する“過労死”の多くはこのような突然死です。 過重な労働負担が誘因となって高血圧や動脈硬化などもともとあった基礎疾患を悪化させ、脳出血・くも膜下出血、脳梗塞などの脳血管疾患、及び心筋梗塞などの虚血性心疾患等が発症し、労災認定を受けた人が、2006年度過去最多の355件にのぼり、前年度に比べ25件(7.6%)増加しています。 しかし、突然の死を予測することは困難であり、過労死の予防対策としても、疲労の蓄積をもたらす長期間の過重労働を排除するとともに、高血圧や心臓病、脳血管障害といった突然死を引き起こす可能性のある病気を持っている労働者に対する健康管理対策の強化が求められます。 「自発的健康診断受診支援助成金」制度は、過去6ヵ月間に平均して1月当たり4回以上、深夜業※に従事した労働者が、定期健康診断とは別に“臨時”に健康診断を受けた場合に、受診に要した費用の4分の3が助成金として支給されるもので、過重労働対策としても有効です。 ※ 深夜業とは、午後10時から翌日の午前5時までの間における業務をいい、勤務時間の一部でも午後10時から午前5時までの時間帯にかかる場合は「深夜の業務」があるとします。交替制等の勤務の形態は問いません。
詳しくは→こちらをご覧下さい。

平成19年度母性健康管理研修会(再掲)

男女雇用機会均等法では、事業主に対して、妊娠中の女性労働者が母子保健法に基づく妊産婦健診を受診するための通院時間を確保できるようにすることなど、妊娠中及び出産後の女性労働者に必要な母性健康管理の措置の実施を義務付けています。 産業医、医師、保健師、看護師、衛生管理者、機会均等推進責任者等の産業保健スタッフの皆様に、母性健康管理について知識を深めていただくために、「母性健康管理研修会」を開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。参加費無料です
【日時・場所】
9月12日(水) 14時~17時30分
ホテルレイクビュー水戸(水戸市宮町1-6-1)
【内容】

  1. 管内の働く女性の現状
  2. 男女雇用機会均等法における母性健康管理の措置
  3. 労働基準法における母性保護規定
  4. 母子保健の理念(母子保護法)
    ・母子保健の目的と意義
  5. 妊娠中の症状等に対応する措置
    ・措置と症状の関連
  6. 職場における妊産婦の健康管理と産業医等産業保健スタッフ等の役割
    ・妊産婦の健康への配慮
    ・相談手法、配慮すべき設備
    ・情報提供、教育研修
    ・母性健康管理システム
    ・職場との連携
    ※ 日本医師会「認定産業医」生涯研修の単位(3.5単位)が取得できます。

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新着図書・教材情報(無料貸出し)

  • 社員の健康管理と使用者責任・・・図書
    岩出誠著/労働調査会
    【概要】
    企業には、社員の健康を管理する義務があり、長時間労働や過重労働によって労働者の生命や健康が害されないよう配慮することが求められています。 事業者がこの義務を怠ったことが理由で労働者に損害が発生した時は、労働災害として認定されるばかりでなく、民法415条の債務不履行となって労働者(遺族)に対する損害賠償責任が生ずるおそれがあり、司法の場で争われるケースも少なくありません。
    著者は、厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会の公益代表員も務めたことがある弁護士で、労働者の健康管理に関するトラブルから健康診断の法的性格、私傷病・メンタルヘルス不全に陥った労働者に対する労務管理、及び過労死や精神疾患の労災認定と企業賠償といった諸問題を、関係法令・指針・通達や裁判例等を引用して幅広く説明しています。
    とはいっても著者が前書きで述べているように、「企業に課せられる健康配慮義務は、結果債務に近づきつつある」のが実態です。
    また、配慮義務履行の程度についても基準が確立しているわけではありませんので、これからも「紛争の回避と拡大防止」が肝心であることはいうまでもありません。 人事・労務管理担当者はもちろんのこと、産業医にも一読を勧めます。
  • 知っていますか安全配慮義務~経営者、管理者は何をなすべきか~・・・ビデオ
    【概要】
    安全配慮義務とは、「労働者の生命や健康が業務上の危険から守られるように配慮すること」を使用者に定めた義務のことです。 このビデオは、安全配慮義務について実際に起きた事例を見ながら、経営者・管理者は何をすべきかを考えるものです。

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産業保健Q&A

派遣労働者に関する医師による面接指導は誰が行いますか

【質問】
派遣労働者が派遣先の事業所で長時間の時間外労働をして過労死した場合は、当然派遣先の事業所に責任が及ぶものと考えられます。 とすれば、派遣労働者の面接指導は派遣先の事業所の産業医が行うべきでしょうか。それとも派遣元の事業所の産業医が行うべき でしょうか。

【回答】
厚生労働省労働基準局長通達では「派遣労働者に対する面接指導については、派遣元事業主に実施義務が課せられるものである」 としています。
しかし、派遣先における業務内容、作業条件、作業環境、人間関係などの労働環境を知る立場にあるのは派遣先の産業医ですから、 派遣先の産業医が面接を行なうことの方が現実的でもあるように思われますが・・・

続きは、こちらから
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これから受講できるセミナー案内(無料)「2007年」

  • 9月6日(木)14:00~16:00場所:常総地域産保センター
    テーマ「職場のメンタルヘルス実践講座」
  • 9月12日(水)14:00~17:30場所:ホテルレイクビュー水戸
    テーマ「母性健康管理研修会」
  • 9月13日(木)14:00~16:00場所:茨城産業保健推進センター
    テーマ「初級カウンセリング講座最終回」
  • 9月18日(火)14:00~16:00場所:茨城産業保健推進センター
    テーマ「難聴と騒音測定」
  • 9月20日(火)19:00~21:00場所:ワークヒル土浦研修室2
    テーマ「企業における災害発生時の被災者トリアージについて~産業医として知っておくべきこと~」

※8月は予定がございません

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コラム水戸南町だより

やっと暑い夏がやってきました。 夏と言うと、茄子、ピーマン、トマト、唐辛子、ジャガイモといった夏野菜を思い浮かべます。これらは、皆ナス科の植物で、その仲間には特有のアルカロイドを含み、薬理作用をもつものも少なくありません。しばしば中毒事故を起こすチョウセンアサガオもそうですし、タバコもナス科タバコ属(Nicotiana)の一年草です。 タバコは、亜熱帯性の気候を好むため、春に苗を植えつけ、この夏が取り入れの最盛期です。梅雨明けのうだるような暑さの中、葉を一枚一枚もいでゆく、農家にとってはきつい作業が続きます。かつては茨城県も大きな産地(江戸時代には「水府たばこ」のブランドもありました)でしたが、栽培農家の高齢化や消費の減少につれて、次第に生産量は減ってきています。 過去に在籍していた事業場で石綿(アスベスト)を取り扱う作業に従事していた方について、一定の要件に該当する方は、離職の際又は離職の後に住所地の都道府県労働局長に申請すると「健康管理手帳」が交付され、年2回、健康診断を無料で受けることができます。 石綿ばく露から、中皮腫や肺がん発症に至るまでには、通例15~40年の長い潜伏期間があり、退職後の健康管理についても特に援助の必要があるというのがその理由です。 今回、この「健康管理手帳」の交付要件が緩和されることになりました。従来は、交付要件に「両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること」といった医学的な所見が必要でしたが、これに加え石綿作業従事歴だけでも、手帳が交付されるようになるようです。 しかし、体内のアスベストを除去する方法は今のところありませんし、健康診断を受けたからといって、がんのリスクが減るわけでもありません。 アスベストにばく露した後で、なにかできることがあるとすれば、『禁煙』をして肺がんの発症をできる限り回避することが重要ではないかと思います。 有名な疫学データによりますと、アスベストだけですと肺がんリスクは5倍ですが、これに喫煙が加わりますと、相乗効果で50倍になるそうです(Hammondほか1979)。このように、こと肺がんについて言うならば、アスベストよりもタバコの方が、けた違いに原因として大きいことは明らかです。 特に現場で作業している方はタバコを吸っている人が比較的多いようにも思われますので、いま、喫緊の課題としてすすめなければならないことは、禁煙の勧めではないでしょうか?


次回の第4号は、平成19年8月下旬配信予定です。
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