いばらき産保ニュース 号外

発行日:2007/11/14
ホームページ:https://ibarakis.johas.go.jp/
発  行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健推進センター 所長 小林 敏郎

特集
産業看護職・衛生管理者のための口腔機能と肥満の関係―メタボリック症候群対策としての口腔保健/セミナーのご案内

★口腔機能と内科的疾患の関係

働く人たちの総合的な健康を考える場合、どうしても健診中心の内科的な疾患について感心を持ちがちですが、口腔衛生を無視すると大きな落とし穴があります。
何らかの内科的疾患を持つ群と、何ら内科的疾患が無い群との口腔内状況を比較すると、内科的疾患無し群の方が喪失歯数が少ないという調査結果があります。(冨田歯科医院:山形市) そもそも口腔には、噛むこと=咀嚼、しゃべること=発音、味を感じること=味覚といった一般的によく知られている働きのほかに、口の中を清潔にすることがあります。
唾液中には酵素が含まれ、消化を助けるだけでなく、口腔内の自浄作用や殺菌作用、また最近の研究では発癌を抑制する作用があることが、最近報告されています。
また、メンタル面と口腔とは密接な関係があり、イライラすると歯ぎしりしたり、歯をくいしばったりするように、最近では咬み合わせの不調和とストレスとが重なって、顎の関節が痛くなったり、口が開かなくなったり、肩こり、手のしびれ等を訴える顎関節症という病気が増えてきています。

★メタボリック症候群の原因としての歯周病

タボリック症候群の原因としての一つとして歯周病が大きく影響することも、様々な調査機関から報告されています。
歯周病により知らない間に菌が体中に運ばれ、メタボリック症候群と呼ばれる生活習慣病に影響を与えている、というのです。

★産業セミナーのご案内

独立行政法人労働者健康福祉機構は、深夜業に従事する方で、法定の健康診断のほかに、 自ら健康診断を受診しようとする労働者に対し、健康診断に要した費用の一部を助成金として給付する制度を設けています。 これを「自発的健康診断受診支援助成金制度」といいます。

茨城産業保健推進センターは、かいだ歯科医院の戒田敏之先生をお招きして、下記の産業保健セミナーを開催します。
セミナーでは、労働者の口腔機能の状態によっては、一概に画一的な運動と食事指導による生活習慣対策が通用しないことを理解し、口腔機能の検査法を実践しながら、特定指導の参考として活用していただくことを目指します。
日本産業衛生学会産業看護職継続教育実力アップコース(Ⅳ-3-(3))認定。

  • テーマ
    「産業看護職・衛生管理者のための口腔機能と肥満の関係―メタボリック症候群対策としての口腔保健」
  • 日時と場所
    • 第1回目19年12月6日(木)茨城産業保健推進センター研修室
    • 第2回目20年1月1月17日(木)ワークヒル土浦(土浦市木田余東台4-1-1)
      いずれも14:00から16:00まで
  • 講師
    かいだ歯科医院院長・労働衛生コンサルタント戒田敏之先生
  • 対象と定員
    産業看護職、衛生管理者等(第1回目20名、第2回目30名)
  • 受講申込
    茨城産業保健推進センター申込フォームから

(独)労働者健康福祉機構茨城産業保健推進センター
〒310-0021水戸市南町1-3-35
水戸南町第一生命ビル4F
TEL 029-300-1221/FAX 029-227-1335