職場における風しん予防対策について(茨城県からのお知らせ)
本年7月頃から,関東地方を中心に風しんが流行し,現在,特に東京都,千葉県,神奈川県,埼玉県及び愛知県で風しんが増加しています。風しんは全国で770名(H30.9.26時点)の報告があり,茨城県でも35名(H30.10.3時点)が報告されています。報告のあった35名の感染者の約9割が30代から50代の男性です。
風しんは,風しんウイルスに感染することで発症し,感染経路は,くしゃみや咳などで飛び散った唾などによる飛沫感染で,その感染力はインフルエンザの2~4倍といわれています。症状は,発熱や発疹,リンパ節の腫れなどで,大人がかかると,子どもよりも重症化することがあります。
また,風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が,風しんウイルスに感染すると,赤ちゃんが難聴・白内障・先天性心疾患を特徴とする先天性風しん症候群をもって生まれてくる可能性が高くなります。
風しんを予防するには,予防接種が最も有効です。しかし,予防接種制度の移り変わりにより,風しんの予防接種率が低い年代,性別があり,現在,流行の中心となっている30代から50代の男性は,定期の予防接種を受ける機会がなく,風しんの抗体価の低い方が2割程度存在していることが分かっています。
30代から50代の男性は,働きざかりの方が多いため,ひとたび流行すると職場に大きな影響を与えかねないことから,職場における風しん予防対策が重要です。
事業主の皆様は,健康で安心な職場の環境整備のために,以下の対策をご検討ください。
① 従業員が抗体検査や予防接種のために医療機関などの受診を希望された場合には,ご配慮くださ
い。
② 入社時などに,予防接種の記録の確認を本人に呼び掛けるようにしてください。
③ 職場での感染予防のため,風しんにかかった人の休暇についてご配慮ください。
最も危惧されることは,風しんに感染した従業員が,その家族,職場の同僚を介して,妊婦に感染させ,赤ちゃんが先天性風しん症候群になることです。妊婦は予防接種を受けることができないため,周りの家族や友人が風しん対策をすることで,妊婦が風しんに感染するリスクを減少させることが重要です。
従業員の皆様は,自分自身だけでなく,家族や一緒に働く方を風しんから守るために,以下の対策をご検討ください。
① 妊娠を希望する女性は,妊娠前に風しん抗体検査を受けましょう。
② 妊娠中の女性の家族は,風しんの抗体検査を受けましょう。
③ 体調不良の時は無理をせず,外出を控え,咳エチケットを徹底し,風しんを疑う症状(発熱,発
疹など)が出現した際は,医師に相談しましょう。
一人一人が意識を高め,予防接種など,風しんの適切な予防対策を心掛けましょう。
<関係するリーフレット>(厚生労働省のホームぺージにリンクします)