いばらき産保ニュース 第42号

発行日:2009/3/25
ホームページ:https://ibarakis.johas.go.jp/
発  行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健推進センター 所長 小林 敏郎

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【新着教材情報】
【産業保健Q&A】
【主なセミナー案内】
【コラム:水戸南町だより】

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新着情報

正社員等の雇用は不足超過から過剰超過に/厚生労働省労働経済動向調査

厚生労働省が先月まとめた労働経済動向調査結果によると、正社員等労働者の 過不足状況が不足超過から過剰超過に転じたことがわかりました。 調査結果によると、今年2月現在の労働者の過不足状況は、正社員等労働者を 「不足」とする事業所割合は15%、一方「過剰」とする事業所割合は26%となり、 この結果、正社員等労働者過不足判断指数(不足と回答した事業所の割合から 過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値)は-11ポイントとなり、前期 (平成20年11月=+13ポイント)の不足超過から過剰超過に転じました。 これを産業別にみると、過剰超過になっているのは建設業(-8ポイント)、 製造業(-29ポイント)、卸売業、小売業(-7ポイント)、学術研究、専門・ 技術サービス業(-2ポイント)、サービス業(-11ポイント)などとなって います。
また、雇用調整を実施した事業所割合(平成20年10月~12月実施)は35%で、 前期(20年7月~9月実績=16%)より大幅に増加しました。
詳しくは↓ http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/0902/index.html

育休等の不利益取扱い、相談件数増加で指導強化を通達/厚生労働省

妊娠・出産、育児休業等の申出・取得を理由とする解雇など不利益取扱いに 関する相談が増加傾向にあるとして、厚生労働省は16日、こうした事案への 厳正な対応を労働局長に通達しました。
2008年度(09年2月末まで)の育児休業に関する不利益取扱いの相談件数は 1,107件で、07年度(882件)と比べ約25%増加。04年度(521件)と比べると 2倍に増えています。妊娠・出産に関する相談件数も同様の傾向が見られます。
詳しくは↓
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0316-2.html
妊娠・出産したことや産前産後休業又は育児休業等を理由として 不利益な取扱いをすることを禁止している事業主向けリーフレット↓ PDFhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/dl/h0316-2d.pdf

金曜は午後4時退社、家族・地域を大切に/アステラス製薬

製薬大手のアステラス製薬は4月から、グループの国内社員の大半を占める 7,000人を対象に、金曜日の終業時間を1時間45分繰り上げて原則、午後4時 にする方針を決めました。時短に伴う賃下げは行ないません。 国内大手企業では珍しい試みで、仕事と生活の調和を図る「ワーク・ライフ ・バランス」を支援して、優秀な人材を確保するのが狙い。毎週金曜日を 「ファミリー・フライデー」と名付け、就業時間を午前8時45分~午後4時 にして、家族と過ごしたり、地域活動などに参加したりする時間を増やしてもらう のが狙いです。 研究開発や総務部門など約3,000人については、管理職が部下に午後4時に 帰宅するように指導。約4000人の工場などの生産現場や営業職員は、交代勤務制 であったり、取引先の都合に勤務時間を合わせる必要があるため、時短の方法は 職場や社員に任せるそうです。(読売新聞3月23日)
厚生労働省―仕事と生活の調和推進プロジェクト↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/sigoto-seikatu/index.html

「解雇は無効」/父子家庭社員の早退

静岡県の人材派遣会社を解雇された元営業担当の男性社員(34歳)が、社員で あることの地位確認や給与の支払いなどを求めていた訴訟の判決で、甲府地裁は 今月17日解雇を無効とし、約580万円の支払いなどを命じました。
判決理由で裁判長は解雇理由の一つに挙げられた「約束以外の早退が多い」 について、「5歳の子どもと暮らす父子家庭であり、子どもの体調不良などで 早退が多くなるのはやむを得ない」とし「解雇は合理的理由を欠き、権利の乱用 として無効」と述べています。
判決によると、男性は2005年1月から山梨営業所に勤務していましたが、 07年8月、14項目の理由を挙げられ解雇。男性は仮処分を申し立て、甲府地裁は 08年1月、給与の仮払いなどを会社に命じていました。 (共同通信)

センターからのお知らせ(お役立ち情報等)

産業看護職のためのメンタルヘルス・ケースカンファレンス

今年も偶数月の第一月曜日、産業看護職や人事労務担当者等を対象とした、 「メンタルヘルス・ケースカンファレンス」を開催いたいします。 産業保健の場で起こるメンタルヘルスに関する様々な問題に対し、心療内科医 で産業保健相談員の山村邦男先生の指導のもと、提供者と参加者が意見を出し合い、 対話を重ねながら、より良い解決を考えるというもの。 今後の予定は以下のとおりです。
4月6日(月)、6月1日(月)、8月3日(月)、10月5日(月)、12月7日(月)、
平成22年2月1日(月)。時間は、いずれも14時40分から16時までです。
プライバシーの保護にも配慮していますので、どうぞ参加してください。

【関連セミナー】
テーマ:職業性ストレス簡易調査票の使い方を学ぶ
日時:平成21年4月24日(土)13:00~17:00茨城産業保健推進センター
概要:実際に「職業性ストレス簡易調査票」をグループで使い、データの入力・ 分析を中心に、調査票の作成、回収、個人や職場へのフィードバックなど を実習します。

労働保険関係用語集/厚生労働省ホームページ

労働保険の年度更新手続(平成20年度分の確定保険料と平成21年度分の 概算保険料の申告・納付手続のこと)を行う時期となりました。厚生労働省は ホームページに「労働保険関係用語集」を掲載しています。 なお労働保険の年度更新手続は、今年度から6月1日(月)~7月10日(金) に変更されています。
労働保険関係用語集↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudouhoken01/yougo.html

受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書/厚生労働省

平成20年3月から約1年にわたり開催した「受動喫煙防止対策のあり方に 関する検討会」の報告書が、今般まとまり、厚生労働省のホームページで公開 されています。

報告書では、受動喫煙防止対策のあり方について ・基本的な方向性として、多数の者が利用する公共的な空間については、 原則として全面禁煙であるべき ・受動喫煙を含むたばこの健康への悪影響について、エビデンスに基づく正しい情報を発信し、受動喫煙防止対策が国民から求められる気運を高めて いくことが重要・・・ などとしています。
詳しくは↓
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0324-5.html

新着図書・教材情報(無料貸出し)

今回はお休みです

産業保健Q&A

今回はお休みです

産業保健に関するご相談は、 こちらから

これから受講できるセミナー案内(無料)「2009年」

  • 4月6日(月)14:40~16:00:茨城産業保健推進センター研修室
    テーマ「メンタルヘルス・ケースカンファレンス」
  • 4月9日(木)14:00~16:00:ワークヒル土浦(土浦市木田余)
    テーマ「メンタルヘルス疾患による休職者の職場復帰について」
    日医(基礎後期2、生涯専門2)申請、実力アップ(Ⅳ-3-(4))
  • 4月17日(金)14:00~16:00:鹿嶋勤労文化会館(鹿嶋市宮中)
    テーマ「『エゴグラム』で心のワーク・ライフ・バランスを見る」
    日医(基礎後期2、生涯専門2)申請、実力アップ(Ⅱ-5-(3))
  • 4月21日(火)14:00~16:30:茨城産業保健推進センター研修室
    テーマ「労働衛生、健康管理担当者の職務について」
  • 4月23日(木)14:00~16:30:茨城産業保健推進センター研修室
    テーマ「インフルエンザ感染予防に必要な呼吸用保護具について~マスクの選択と着用方法~
    」 日医(基礎実地2、生涯実地2)申請、実力アップ(Ⅳ-5-(8))
  • 4月25日(土)13:00~17:00:茨城産業保健推進センター研修室
    テーマ「職業性ストレス簡易調査票の使い方を学ぶ」
    実力アップ(Ⅳ-5-(3))
  • 5月14日(木)14:00~16:00:茨城産業保健推進センター研修室
    「カウンセリング技法講座初級コース第1日目」
  • 5月15日(金)18:30~20:30:県南生涯学習センター(土浦市)
    「企業の保健室の漢方薬~産業ストレスを漢方で対処する~」
    日医(基礎実地2、生涯実地2)申請
  • 5月21日(木)14:00~16:00:ワークヒル土浦(土浦市)
    「作業環境測定結果の見方について」
    日医(基礎実地2、生涯実地2)申請、実力アップ(Ⅳ-4-(6))

【注】「日医認定」とあるのは、日本医師会認定産業医制度の単位認定研修(生涯研修)です。
「実力アップ」とあるのは、日本産業衛生学会産業看護職継続教育実力アップコース認定(基礎コース修了者)です。申請中、又は申請予定も含みます。
また、「予定」とあるのは、変更されることがあります。

コラム水戸南町だより

父親といっしょに休日を過ごす子は我慢強い?

―父親が休日に幼児期の子供と過ごす時間が長いほど、子供が良好に 育つ傾向がある―
父と子の関係のこんな実態が、今月18日に発表された厚生労働省の 「21世紀出生児縦断調査」で明らかになりました。 調査は子育て支援などの参考のため、01年生まれの子供の同一家庭を 継続的に追うもので、今回は、これまでの調査で回答のあった5歳半の 子供約3万5000人の結果を再分析したもの。 分析結果によると、休日に父親が1歳半の子供と過ごす時間が「1時間未満」 だった場合、「我慢」「集団行動」「約束を守る」といった子供の発育状況について、 4年後の5歳半に成長した時点で「できる」と答えた割合は、それぞれ66.8%、 88.4%、74.6%でした。 一方、過ごす時間が「6時間以上」の場合では、それぞれ75.5%、93.0%、 79.9%と軒並み割合が増加。幼児の早い時期に父親と過ごす時間が長くなるほど、 子供の発育状況に関して、「できる」と答えた割合が、高くなる傾向が分かり ました。

―働いている30代男性の平日の帰宅時間は、半数近くが午後8時を過ぎ、 約4分の1は午後9時より遅い―
こんな結果が内閣府の「国民生活選好度調査」で明らかになっています。 調査は08年2月から3月にかけて全国の15歳以上80歳未満の男女6000人 を対象に行ったもの。働く男性で平日の帰宅時間が午後8時を過ぎる割合は、 子育て世代の30代が最も高く47.1%。6.8%は午後11時を回っていました。 「久しぶりに早く帰ったら、子どもに『オジサン』って呼ばれた」 「朝、出がけに『パパ、また遊びに来てね』といわれた」 少子化やいじめ、不登校などの様々な問題に対して「家庭内での父親(夫) 不在が深刻な要因である」と指摘されています。にもかかわらず、このような 会話が普通に成り立ってしまうのが、現代社会の抱える矛盾の深さを物語って います。 さらに最近は、育児休暇の申し出や取得を理由に、解雇や雇い止め、退職勧奨 など不利益な扱いを受ける労働者が増えているとのこと。全国の労働局に寄せられた 相談件数によると、今年2月時点で1,107件と前年度の882件を大きく上回って います。 つい最近では、人材派遣会社を解雇された男性社員(34歳)が、社員であることの 地位確認や給与の支払いなどを求めていた訴訟の判決で、今月17日、解雇を無効とし 約580万円の支払いなどを命じる判決がありました。 裁判所は、解雇理由の一つに挙げられた「約束以外の早退が多い」について、 「5歳の子どもと暮らす父子家庭であり、子どもの体調不良などで早退が多くなる のはやむを得ない」とし、「解雇は合理的理由を欠き、権利の乱用として無効」と しています。 職がなければ子育はできません。しかし、子育てすると職がなくなるのでは、 いったいどうしろというのでしょうか。 勤務時間の短縮化を進めようとする企業が多くなってきているのも事実です。 たとえばワークシェアリングがそのひとつです。大企業を中心に広がっている ダイバーシティ、ワーク・ライフ・バランスの制度もこうした動きです。 ただ、これらの制度を実際にどう導入していけばよいのか、二の足を踏む企業は 多いとも聞きます。 「従業員それぞれに都合があるように、雇う企業にだって都合がある」 「個人の都合を優先しすぎて会社傾いたら共倒れだ。企業を責めるのは お門違い」 といった意見も企業側にはあるでしょう。 ミクロでみれば一見合理的な企業経営者の行動が、マクロで見ると誤謬である ことがあります。 例えば、企業が賃金を引き下げて製品の価格競争力を強めると、他社も対抗上、 同じことをしてきます。結果、賃金水準が引き下げられて、所得が減少した家計は 消費を抑えることになり、そのことが経済をさらに悪化させて、物価は下落傾向を いっそう強めるという「デフレスパイラル」経済に陥る危険性があることは、よく 知られています。 おなじことが子育てにも言えます。短期的利益のために子供をつくらない 選択をすれば、少子化社会になります。その結果、年金も健康保険料もどんどん 上がり続け、ついには破綻するでしょう。 一方、子供の数が増えれば、優秀な人材も供給されるはず。未来の新入社員も 顧客も、つまり利益の源泉も回りまわって結局子供です。 次世代を育てることは、社会に対しての最大の貢献です。皆でもう少し支えて あげても良いかと思います。 最後に、この調査でひとつ気になることがあります。 何故、お父さんではければならないのでしょうか?お母さんと過ごすのは? お父さんがいらっしゃらないとか、様々な形の家庭があり、事情もあります。 肝心な所がわからないと、「母親じゃダメ」といった誤解を生みかねません。 できればそのへんのところも明らかにしてほしいものです。

21世紀出生児縦断調査(特別報告)結果の概況↓ http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/syusseiji/tokubetsu/index.html


次回の第43号は、平成21年4月下旬配信予定です。
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