いばらき産保ニュース 第59号

発行日:2010/7/30
ホームページ:https://ibarakis.johas.go.jp/
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発  行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健推進センター 所長 小林 敏郎

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【新着情報】
【これから受講できるセミナー案内(無料)】
【全国労働衛生週間について】
【センターからのお知らせ(お役立ち情報等)】
【メンタルヘルス対策支援センターの利用案内】
【漢方医から職場への処方箋(連載)】
【コラム:水戸南町だより】

新着情報

平成21年度化学物質のリスク評価検討会報告書の公表について

平成21年度はアクリル酸エチルなど14物質が評価対象で、 詳細リスク評価を行った7物質のうち1)酸化プロピレン、2)1,4-ジクロロ-2-ブテン、 3)ジメチルヒドラジン、4)1,3-プロパンスルトンで再び高いリスクが認められたため 「健康障害防止措置を検討すべき」などとする報告書を取りまとめました。 報告書を踏まえ、厚生労働省は本年9月までに、健康障害防止措置検討会( 厚生労働省労働基準局長が参集を委嘱した化学物質管理、労働衛生管理などの専門家からなる検討会)等 で具体的な措置を検討していく予定です。
※詳しくは↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000ea32.html

<平均寿命>女性は86.44歳、25年連続で長寿世界1位

厚生労働省は26日、09年の日本人の平均寿命を公表した。男性は79.59歳(前年79.29歳)、 女性は86.44歳(同86.05歳)と男女ともに延び、4年連続で過去最高を更新した。 女性は25年連続で世界1位、男性は前年の4位から5位となった。
(Yahoo! JAPANニュース)

中国人実習生は「過労死」 残業月100時間超 国内初の認定へ

日本の技術を学ぶため外国人研修・技能実習制度で来日し、実習生として茨城県潮来市の金属加工業で 働いていた中国人Aさん=当時(31)=が死亡したことについて、鹿嶋労働基準監督署(鹿嶋市)は2日、 労働基準法違反(長時間労働、賃金不払い)の疑いで、同社と男性社長(66)を水戸地検土浦支部に書類送検した。 同労基署はAさんの死を「過労死」と判断、労災認定する方針。(Yahoo! JAPANニュース)

「熱中症」特集

連日の猛暑で、熱中症で亡くなる方が全国で相次いで報道されています。 7月26日現在で全国で13名の方が仕事中に熱中症で亡くなっており、 その内、茨城県内では2名の方が亡くなっています。 今月号ではまだまだ続きそうな「熱中症」対策の情報を特集いたしました。

◇今日の「熱中症情報」はこちらで

 環境省のサイトで、「熱中症などに対する注意を促すことを目的に暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)、 熱中症患者速報、熱中症への対処方法に関する知見など熱中症関連情報を提供しています。 
※詳しくは↓
http://www.nies.go.jp/health/HeatStroke/index.html

◇熱中症傷病者搬送人員数等について

 総務省消防庁が発表しており、7月19日から25日までの速報では、 茨城県では271名が搬送され、内5名が死亡しています。 近県では埼玉県が990名と東京の992名に次いで2番目に多くなっています。 なお、茨城県は全国11番目の多さです。
※詳しくは↓
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList9_2.html
また、職場における熱中症による死亡災害の発生状況について(平成21年)が6月10日に厚生労働省から発表されています。
※詳しくは↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei38/index.html

◇職場における熱中症予防対策について

職場における熱中症予防対策については厚生労働省から 平成21年6月21日付の通達が示されており、内容は下記のとおりです。(一部省略)

第1 WBGT値(暑さ指数)の活用

  1. WBGT値等
    WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度(単位:℃))の値は、 暑熱環境による熱ストレスの評価を行う暑さ指数(式(1)又は(2)により算出)であり、 作業場所に、WBGT測定器を設置するなどにより、WBGT値を求めることが望ましいこと。 特に、WBGT予報値、熱中症情報等により、事前にWBGT値が表1-1(略)のWBGT基準値 (以下単に「WBGT基準値」という。)を超えることが予想される場合は、WBGT値を作業中に測定するよう努めること。 ア 屋内の場合及び屋外で太陽照射のない場合 WBGT値=0.7×自然湿球温度+0.3×黒球温度 式(1) イ 屋外で太陽照射のある場合 WBGT値=0.7×自然湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度 式(2) また、WBGT値の測定が行われていない場合においても、気温(乾球温度) 及び相対湿度を熱ストレスの評価を行う際の参考にすること。
  2. WBGT値に係る留意事項(略)
  3. WBGT基準値に基づく評価等
    WBGT値が、WBGT基準値を超え、又は超えるおそれのある場合には、 冷房等により当該作業場所のWBGT値の低減を図ること、身体作業強度(代謝率レベル)の低い作業に変更すること、 WBGT基準値より低いWBGT値である作業場所での作業に変更することなどの熱中症予防対策を作業の状況等に応じて 実施するよう努めること。それでもなお、WBGT基準値を超え、又は超えるおそれのある場合には、 第2の熱中症予防対策の徹底を図り、熱中症の発生リスクの低減を図ること。ただし、WBGT基準値を超えない場合であっても、 WBGT基準値が前提としている条件に当てはまらないとき又は補正値を考慮したWBGT基準値を算出することができないときは、 実際の条件により、WBGT基準値を超え、又は超えるおそれのある場合と同様に、 第2の熱中症予防対策の徹底を図らなければならない場合があることに留意すること。 上記のほか、熱中症を発症するリスクがあるときは、必要に応じて第2の熱中症予防対策を実施することが望ましいこと。

第2 熱中症予防対策

  1. 作業環境管理
    1. WBGT値の低減等
      次に掲げる措置を講ずることなどにより当該作業場所のWBGT値の低減に努めること。

      1. WBGT基準値を超え、又は超えるおそれのある作業場所(以下単に「高温多湿作業場所」という。)においては、 発熱体と労働者の間に熱を遮ることのできる遮へい物等を設けること。
      2. 屋外の高温多湿作業場所においては、直射日光並びに周囲の壁面及び地面からの照り返しを遮ることができる簡易な 屋根等を設けること。
        ウ 高温多湿作業場所に適度な通風又は冷房を行うための設備を設けること。また、屋内の高温多湿作業場所における当該設備は、 除湿機能があることが望ましいこと。 なお、通風が悪い高温多湿作業場所での散水については、散水後の湿度の上昇に注意すること。
    2. 休憩場所の整備等
      労働者の休憩場所の整備等について、次に掲げる措置を講ずるよう努めること。

      1. 高温多湿作業場所の近隣に冷房を備えた休憩場所又は日陰等の涼しい休憩場所を設けること。
        また、当該休憩場所は臥床することのできる広さを確保すること。
      2. 高温多湿作業場所又はその近隣に氷、冷たいおしぼり、 水風呂、シャワー等の身体を適度に冷やすことのできる物品及び設備を設けること。
      3. 水分及び塩分の補給を定期的かつ容易に行えることができるよう高温多湿作業場所に飲料水の備付け等を行うこと。
  2. 作業管理
    1. 作業時間の短縮等
      作業の休止時間及び休憩時間を確保し、高温多湿作業場所の作業を連続して行う時間を短縮すること、 身体作業強度(代謝率レベル)が高い作業を避けること、作業場所を変更することなどの熱中症予防対策を、 作業の状況等に応じて実施するよう努めること。
    2. 熱への順化
      高温多湿作業場所において労働者を作業に従事させる場合には、熱への順化(熱に慣れ当該環境に適応すること)の有無が、 熱中症の発生リスクに大きく影響することを踏まえて、計画的に、熱への順化期間を設けることが望ましいこと。 特に、梅雨から夏季になる時期において、気温等が急に上昇した高温多湿作業場所で作業を行う場合、 新たに当該作業を行う場合、また、長期間、当該作業場所での作業から離れ、その後再び当該作業を行う場合等においては、 通常、労働者は熱に順化していないことに留意が必要であること。
    3. 水分及び塩分の摂取
      自覚症状以上に脱水状態が進行していることがあること等に留意の上、自覚症状の有無にかかわらず、 水分及び塩分の作業前後の摂取及び作業中の定期的な摂取を指導するとともに、 労働者の水分及び塩分の摂取を確認するための表の作成、作業中の巡視における確認などにより、 定期的な水分及び塩分の摂取の徹底を図ること。特に、加齢や疾患によって脱水状態であっても自覚症状に乏しい 場合があることに留意すること。 なお、塩分等の摂取が制限される疾患を有する労働者については、主治医、産業医等に相談させること。
    4. 服装等
      熱を吸収し、又は保熱しやすい服装は避け、透湿性及び通気性の良い服装を着用させること。 また、これらの機能を持つ身体を冷却する服の着用も望ましいこと。 なお、直射日光下では通気性の良い帽子等を着用させること。
    5. 作業中の巡視
      定期的な水分及び塩分の摂取に係る確認を行うとともに、労働者の健康状態を確認し、 熱中症を疑わせる兆候が表れた場合において速やかな作業の中断その他必要な措置を講ずること等を目的に、 高温多湿作業場所の作業中は巡視を頻繁に行うこと。
  3. 健康管理
    1. 健康診断結果に基づく対応等 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第43条、第44条及び第45条に基づく健康診断の項目には、糖尿病、 高血圧症、心疾患、腎不全等の熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患と密接に関係した血糖検査、尿検査、 血圧の測定、既往歴の調査等が含まれていること及び労働安全衛生法(昭和47年法律第57号) 第66条の4及び第66条の5に基づき、異常所見があると診断された場合には医師等の意見を聴き、 当該意見を勘案して、必要があると認めるときは、事業者は、就業場所の変更、作業の転換等の適切な措置を講ずることが 義務付けられていることに留意の上、これらの徹底を図ること。 また、熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患の治療中等の労働者については、 事業者は、高温多湿作業場所における作業の可否、当該作業を行う場合の留意事項等について産業医、 主治医等の意見を勘案して、必要に応じて、就業場所の変更、作業の転換等の適切な措置を講ずること。
    2. 日常の健康管理等
      高温多湿作業場所で作業を行う労働者については、睡眠不足、体調不良、前日等の飲酒、 朝食の未摂取等が熱中症の発症に影響を与えるおそれがあることに留意の上、日常の健康管理について指導を行うとともに、 必要に応じ健康相談を行うこと。これを含め、労働安全衛生法第69条に基づき健康の保持増進のための措置に取り組むよう努めること。 さらに、熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患の治療中等である場合は、 熱中症を予防するための対応が必要であることを労働者に対して教示するとともに、 労働者が主治医等から熱中症を予防するための対応が必要とされた場合又は労働者が 熱中症を予防するための対応が必要となる可能性があると判断した場合は、事業者に申し出るよう指導すること。
    3. 労働者の健康状態の確認
      作業開始前に労働者の健康状態を確認すること。 作業中は巡視を頻繁に行い、声をかけるなどして労働者の健康状態を確認すること。 また、複数の労働者による作業においては、労働者にお互いの健康状態について留意させること。
    4. 身体の状況の確認
      休憩場所等に体温計、体重計等を備え、必要に応じて、体温、 体重その他の身体の状況を確認できるようにすることが望ましいこと。
  4. 労働衛生教育
    労働者を高温多湿作業場所において作業に従事させる場合には、適切な作業管理、 労働者自身による健康管理等が重要であることから、作業を管理する者及び労働者に対して、 あらかじめ次の事項について労働衛生教育を行うこと。

    1. 熱中症の症状
    2. 熱中症の予防方法
    3. 緊急時の救急処置
    4. 熱中症の事例
      なお、ⅱ.の事項には、1から4までの熱中症予防対策が含まれること。
  5. 救急処置
    1. 緊急連絡網の作成及び周知 労働者を高温多湿作業場所において作業に従事させる場合には、労働者の熱中症の発症に備え、 あらかじめ、病院、診療所等の所在地及び連絡先を把握するとともに、緊急連絡網を作成し、関係者に周知すること。
    2. 救急措置
      熱中症を疑わせる症状が現われた場合は、救急処置として涼しい場所で身体を冷し、 水分及び塩分の摂取等を行うこと。また、必要に応じ、救急隊を要請し、 又は医師の診察を受けさせること。
      ※詳しくは↓
      http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei33/index.html
      <その他参考資料>
      【厚生労働省作成】

◇「熱中症指標計(WBGT-113)」を無料でお貸ししています

当センターでは「熱中症指標計」を無料で貸出しています。ご希望がありましたら、 お電話かホームページからお申込みください。
※詳しくは↓
https://ibarakis.johas.go.jp/info_document/loaning/kiki

◇「熱中症にレッドカード/守らないとイエローカード」を無料で配布しています

大好評です。何と、全国各地からたくさんのご希望があり、在庫わずかとなりましたので、 急遽、増刷しています。
これからご希望される方にはお届けするまで、少し時間をいただきますので、ご了承ください。
※お申込はこちらから↓
https://ibarakis.johas.go.jp/info_document/oh/nechu
※ポスターとして使いたいというご要望にお答えして、ホームページにPDF「PDF版」で掲載いたしました。
ご自由にプリントしてお使いください。

◇「熱中症予防と応急措置について」(パワーポイント)

労働者健康福祉機構のホームページに教育用パワーポイントが掲載されています。
従業員教育のご参考にいかがですか?
※詳しくは↓ 
https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/johoteikyo/tabid/1293/Default.aspx

これから受講できるセミナー「2010年」

※ 先着順になりますので、お早めにお申込ください。
※ 有料駐車場については参加者のご負担となりますので、ご了承ください。 できるだけ公共交通機関をご利用ください。

<平成22年8月分>

  • 8月2日(月)午後2時40分~午後4時 中央ビル会議室
    「メンタルヘルス・ケースカンファレンス」 講師:山村 邦男(産業保健相談員、山村医院院長)
    ※このところ推進センターにメンタル不調者の個別事案の相談が増加してきています。 「新型うつ病」などの対応に苦慮されている皆さん、一人で悩まず、みなさんと話し合うことで解決策が見つかるかもしれません。
  • 8月6日(金)午後3時~午後4時30分 東京医科大学茨城医療センター
    「企業の管理者のためのメンタルヘルス問題勉強会」(入門編)~第1回
    講師:市来 真彦、小野 真吾(東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科准教授、同講師)
    ※昨年大変好評だった参加型セミナーです。参加者が自ら考えながらセミナーに参加することで、 メンタルヘルスに関する知識が確実に身につくと好評です。ご希望の多い県南地区での開催です。 原則的に、毎回参加できる方が対象となります。特に、1回目の参加は必須となります。 現在、個別事案の対応で苦慮している方はぜひいかがですか?
    ※6月に第1回目を開催予定でしたが、都合により変更になり、今回が第1回目です。
  • 8月18日(水)午後6時30分~午後8時30分 住友生命水戸ビル11階会議室
    「写真で見る職場巡視セミナー」
    講師:中谷 敦(産業保健相談員、 (株)日立製作所水戸健康管理センタ産業医、産業医科大学非常勤助教、労働衛生コンサルタント)
    ※産業医として経験豊富な講師が職場巡視について写真を使ってご説明をいたします。
    数少ない夜間のセミナーです。また、産業医の先生方には貴重な「実地単位」が取得できるセミナーとなります。
    ※日医認定申請予定
    ※産業看護職実力アップ申請予定
  • 8月24日(火)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
     「最近の労働衛生行政について~関係法令の改正点等~」
    講師:大津 徳男(茨城労働局労働衛生専門官)
    ※行政の担当官より最近の労働衛生の行政の重点施策と労働衛生関係法令の改正点などを中心に解説を行っていただきます。 ご要望の多かった関係法令の貴重なセミナーです。ぜひ、この機会にご参加ください。
    ※日医認定申請予定
    ※産業看護職実力アップ申請予定
  • 8月27日(金)午後2時~午後4時 県南生涯学習センター
    「インフルエンザ感染予防に必要な呼吸用保護具について~マスクの選択と着用方法~」
    講師:木村 菊二(産業保健相談員、労働科学研究所名誉研究員)
    ※秋に向かってインフルエンザの季節が近づいてきます。
    マスクの世界的な権威である講師がインフルエンザ対策としてのマスクの選択と着用方法について詳しく説明を行います。
    セミナー受講後に「マスク」の使い方が変わりますよ。
    ※日医認定申請予定
    ※産業看護職実力アップ申請予定

<平成22年9月分>

  • 9月2日(木)午後2時~午後4時 ワークヒル土浦
    「局所排気装置定期自主検査の概略と実務」
    講師:岩崎 芳明(産業保健相談員、(株)三菱化学アナリテックつくば分析事業所長)
    ※作業環境管理の工学的対策として、局所排気装置を設置している事業所は数多くあると思います。
    設置した局所排気装置は労働安全衛生法第45条で定期自主検査の実施と記録の保存が義務付けられています。
    今回のセミナーでは定期自主検査指針の概略と実際に自主検査するときのポイントを説明いたします。
    また過去に実施しました検査結果報告書及び検査の状況写真も合わせて紹介いたします。
    ※日医認定申請予定
  • 9月15日(水)午後1時~午後3時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「行動分析学からみたリーダーシップ」
    講師:森山 哲美(常磐大学副学長、臨床心理士)
    ※昨年も受講者から大好評だった講師が「リーダーシップ」という概念を、行動分析学の視点から説明します。
    ※産業看護職実力アップ申請予定
    ※日程が変更になりました。
  • 9月16日(木)午後2時~午後4時 茨城県医師会会議室
    「騒音性難聴について」
    講師:土屋 紀一(土屋耳鼻咽喉科医院院長)
    ※騒音性難聴について、専門医がわかり易く解説いたします。
    難聴についてのセミナーは数少ないのでぜひご参加ください。
    ※日医認定申請予定
  • 9月17日(金)午後3時30分~午後5時 東京医科大学茨城医療センター
    「企業の管理者のためのメンタルヘルス問題勉強会」応用編(第2回)
    講師:市来 真彦、小野 真吾(東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科准教授、同講師)
  • 9月17日(金)午後2時~午後4時 県南生涯学習センター
    「保健面接の知識と手法」
    講師:河島 美枝子(産業保健相談員、元大分県立看護科学大学精神看護学教授)
    ※産業看護職実力アップ申請予定
    ※ベテランの講師が保健面接の知識と手法についてわかり易く説明いたします。
    産業看護職の方にとってはとても参考になるセミナーです。
  • 9月30日(木)午後2時~午後4時 県南生涯学習センター
    「改正労働基準法とメンタルヘルス」
    講師:山村 邦男(産業保健相談員、山村医院院長)
    ※経験豊富な心療内科医の講師が改正労働基準法とメンタルヘルスについて解説いたします。

<平成22年10月分>

  • 10月1日(金)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「作業環境の測定機器の取り扱いと保守管理について」
    講師:番 博道(産業保健相談員、高圧ガス保安協会調査役)
    ※作業環境測定の機器の取り扱いと保守管理について講師がわかり易く説明いたします。
    ※日医認定申請予定
  • 10月1日(金)午後3時30分~午後5時 東京医科大学茨城医療センター
    「企業の管理者のためのメンタルヘルス問題勉強会」(入門編)~第2回
    講師:市来 真彦、小野 真吾(東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科准教授、同講師)
  • 10月4日(月)午後2時40分~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「メンタルヘルス・ケースカンファレンス」
    講師:山村 邦男(産業保健相談員、山村医院院長)
  • 10月14日(木)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「働き方を考えるカウンセリング講座(後期)(第1回)
    講師:永原 伸彦(産業保健相談員、(財)茨城カウンセリングセンター理事)
    ※大変人気のあるカウンセリングの講座の後期編です。内容、日程等の詳細は下記のとおりです。
    各回のテーマをご覧ください。なかなか楽しみなセミナーですよ。定員が少ないのでお早めにお申込みください。
  • 10月19日(火)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「騒音測定のコツと防音対策のポイント」
    講師:番 博道(産業保健相談員、高圧ガス保安協会調査役)
    ※騒音対策はとても難しいと言われています。長年、労働衛生工学を担当しているベテラン講師がわかり易く、 騒音対策について解説いたします。9月16日の難聴のセミナーと併せてご参加ください。
    ※日医認定申請予定
  • 10月22日(金)午後6時30分~午後8時30分 県南生涯学習センター
    「労災補償制度について~労災補償制度の仕組みと業務上疾病の判断基準等~」
    講師:飯塚 克己(前茨城労働局労働保険徴収室長、社会保険労務士)
    ※労災補償制度の仕組みと、業務上疾病の判断基準について、 行政の第一線で担当していた講師がわかり易く説明いたします。
    労災保険制度の基本をご理解いただく予定です。3回シリーズの第1回です。
    ※日医認定申請予定
  • 10月26日(火)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「職場での化学物質管理の進め方」
    講師:武田 繁夫(産業保健相談員、三菱化学(株)人事部健康支援センターグループマネージャー)
    ※職場ではたくさんの化学物質が使用されています。
    有機溶剤、特定化学物質など職場での化学物質の管理の進め方について説明いたします。
    このテーマのセミナーは数少ないので、貴重ですよ。
    ※日医認定申請予定
<シリーズのセミナーのご案内>
  • 「企業の管理者のためのメンタルヘルス問題勉強会」(入門編)
    職場のメンタルヘルスについての基礎的な知識を中心に学びます。
    5回にかけて学んでいただきますので、原則として、5回参加できる方が対象となります。(特に、第1回目の「総論」については必ず受講していただきます。)
    昨年好評だったセミナーです。聞くだけでなく、自らが参加することでメンタルヘルスに関する知識が一層深まるセミナーです。
    ※第1回目が6月予定でしたが、都合により8月が第1回となりました。
    定員まであとわずかですので、お早めにお申込みください。

    1. 日程とテーマ
       第1回 8月6日(金)「総論」
       第2回 10月1日(金)「各論その1休職者のフォロー①」
       第3回 12月3日(金)「各論その2休職者のフォロー②」
       第4回 平成23年2月4日(金)「各論その3社員教育について ラインケアを中心に」
       第5回 (日程調整中) 「まとめ」(ケーススタディを提示しますので、一緒に考えてみましょう!)
    2. 場所と開催時間
      • 場所:東京医科大学茨城医療センター(稲敷郡阿見町中央3-20-1)
      • 開催時間:午後3時30分より午後5時
            ※第1回の8月6日は午後3時から午後4時30分となります。
    3. 定員:20名(先着順となります。)
    4. 講師:市来 真彦、小野 真吾(東京医科大学茨城医療センターメンタルヘルス科准教授、同講師)

※講義とグループワークを行います。主体的にディスカッションに参加して頂くことを希望します。
また社内の産業保健、産業精神保健についての現状を話して頂くことがありますのでご了解下さい。

「働き方を考えるカウンセリング講座」(後期)

好評だった前期の講座に続き、後期は下記のテーマで開催いたします。
1コマ2時間を、前半の「レクチャー」と後半の「分かち合い」というふうに進めていきます。
少人数のゼミ形式です。今までの内容と異なりますので、今までのカウンセリング講座を受講された方も参加できます。
どうぞ、ご参加ください。

  • 講師 永原 伸彦(産業保健相談員、(財)茨城カウンセリングセンター理事)【テーマと日程】
    • 第1回 「働く人に学ぶ・リーダーの条件(人はどんな人についていくのでしょう)」
      日時:10月14日(木)午後2時~午後4時
    • 第2回 「働く人に学ぶ・縛りからの解放(中嶋常幸・プロゴルファー)」
      日時:11月11日(木)午後2時~午後4時
    • 第3回 「働く人に学ぶ・いのちの看取り(小澤竹俊・ホスピス医)」
      日時:12月9日(木)午後2時~午後4時
    • 第4回 「働き方を考える(まとめと分かち合い)」
      日時:平成23年1月13日(木)午後2時~午後4時

※会場はいずれも住友生命水戸ビル11階会議室
※都合によりプログラムの一部が変更されることがあります。予めご了承ください。

<セミナー会場案内>

【注意】
「日医認定」とあるのは、日本医師会認定産業医制度の単位認定研修です。
平成22年4月からは当推進センターでは「生涯研修」のみの実施となりましたのでご注意ください。
「実力アップ」とあるのは、日本産業衛生学会産業看護職継続教育実力アップコース認定です。
申請中、又は申請予定も含みます。また、「予定」とあるのは、変更されることがあります。

全国労働衛生週間について

平成22年度 全国労働衛生週間の実施について ~10月1日から7日まで~

<平成22年度スローガン>
「心の健康維持・増進 全員参加でメンタルヘルス」

全国労働衛生週間は、労働者の健康管理や職場環境の改善等の労働衛生に関する国民の意識を高めるとともに、 職場での自主的な活動を促して労働者の健康の確保等を図ることを目的に行われています。 昭和25年の実施以来、本年で61回目です。 毎年10月1日から10月7日までを本週間、9月1日から9月30日までを準備期間とし、 それぞれの職場でさまざまな取り組みを展開することとしています。
※詳しくは→
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000f4pw.html

県内各地で「労働衛生週間準備打合せ会」が予定されています!

9月の労働衛生週間準備月間の行事として、各労働基準監督署のご協力を得て、 各労働基準協会と共催等により下記の講演会を実施いたします。 なお、各労働衛生週間準備打合せ会への参加及びお問合せについては各労働基準協会までお申込みください。

<土浦地区>

  • 9月7日(火)午後1時30分より 土浦市民会館(土浦市東真鍋町2-6)
    「がん放射線治療の進歩」 
    講師:櫻井 英幸(筑波大学大学人間総合科学研究科放射線腫瘍学 教授)
    ※土浦労働基準協会と共催で実施。申込みは土浦労働基準協会(電話029-824-0324)まで。

<常総地区>

  • 9月7日(火)午後1時30分より 常総市生涯学習センター(常総市水海道天満町4684)
    「がんの放射線治療」
    講師:大原 潔(当センター産業保健相談員、総合病院土浦協同病院地域がんセンター長)
    ※水海道労働基準協会と共催で実施。申込みは水海道労働基準協会(電話0297-22-0949)まで。

<太田地区>

  • 9月7日(火)午後2時30分より 常陸太田市生涯学習センター(常陸太田市中城町3210)
    「生活習慣病予防~どうしたらいいの・・・?何ができそう・・・?~」
    講師:起 由美
    (当センター産業保健相談員(株)日立製作所日立健康管理センタ産業保健科長)
    ※太田労働基準協会と共催で実施。申込みは太田労働基準協会(電話0294-72-3489)まで。

<水戸地区>

  • 9月8日(水)午後1時30分より 県民文化センター(水戸市千波町東久保697番地)
    「働く人々の生活習慣病対策について」
    講師:皆川 憲弘(当センター産業保健相談員、皆川医院院長)
    ※水戸労働基準協会と共催で実施。申込みは水戸労働基準協会(電話029-233-6622)まで。

<筑西地区>

  • 9月8日(水)午後1時30分より 県西生涯学習センター(筑西市野殿1371)
    「改訂「心の問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」について」
    講師:武田繁夫
    (当センター産業保健相談員、三菱化学(株)人事部健康支援センターグループマネージャー)
    ※筑西労働基準協会と共催で実施。申込みは筑西労働基準協会(電話0296-24-2796)まで。
    ※8/31開催場所を訂正いたしました。

<日立地区>

  • 9月10日(金)午後1時30分より 日立労働会館(日立市幸町2-13-6)
    「メタボリックシンドロームの確かな予防・改善のための生活習慣」
    講師:前田 清司(筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻講師)
    ※日立労働基準協会と共催で実施。申込みは日立労働基準協会(電話0294-23-3431)まで。

<龍ヶ崎地区>

  • 9月10日(金)午後1時30分より 龍ヶ崎市文化会館(龍ヶ崎市馴馬町2612)
    「がんの放射線治療」
    講師:大原 潔(当センター産業保健相談員、総合病院土浦協同病院地域がんセンター長)
    ※竜ヶ崎労働基準協会と共催で実施。申込みは竜ヶ崎労働基準協会(電話0297-62-7923)まで。

<古河地区>

  • 9月10日(金)午後3時より とねミドリ館(古河市前林1953-1)
    「職場におけるメンタルヘルス対策について」
    講師:武田 繁夫
    (当センター産業保健相談員、三菱化学(株)人事部健康支援センターグループマネージャー)
    ※古河労働基準協会と共催で実施。申込みは古河労働基準協会(電話0280-31-4176)まで。

センターからのお知らせ(お役立ち情報等)

産業保健の「相談」お待ちしています!!

当センターでは産業保健に関するあらゆるご相談に応じています。電話、FAX、メールでも結構です。(※「メール」が便利です。)
費用は「無料」ですので、お気軽にご相談ください。
また、「個人情報」は守られています。ご心配いりません。最近はメンタルヘルスに関する相談が大変増えてきました。
※相談フォームは↓
https://ibarakis.johas.go.jp/inquiry

メンタルヘルス対策支援センターの利用案内

「メンタルヘルス対策支援センター」では、対面、電話、ファックス、メールによりメンタルヘルス 不調の予防から職場復帰までのメンタルヘルス全般についての相談、問い合わせに応じています。 メンタルヘルス対策促進員が事業場を訪問して制度の周知、助言を行っています。
平成22年度は管理者監督者の教育も実施いたします。 メンタルヘルス不調者の対応をどうしたらよいか、社内スタッフ・従業員への教育・研修をどうしたら良いか、 職場復帰支援プログラムはどのように作れば良いのかなど、メンタルヘルス全般についてのご相談に応じています。 
費用は無料です。

働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」のご案内

働く方、ご家族の方、事業者・上司・同僚の方、産業医等支援する方などが活用できるたくさんの情報が 閲覧できます。
 専門の相談機関、医療機関の名簿とか事例紹介など役立つ情報がたくさんあります。
※詳しくは↓
http://kokoro.mhlw.go.jp/

【漢方医から職場への処方箋(連載)】

「漢方医から職場への処方箋」伊藤隆

※当センターの産業保健相談員で、鹿島労災病院のメンタルヘルス・和漢診療センター長の伊藤隆先生が 「労働安全衛生広報」((株)企業通信社)に現在投稿している原稿をご紹介いたします。
なお、転載に当たっては出版社の許可を得ています。また、センターのホームページにも掲載しています。

第8回 水毒(すいどく)と五苓散(ごれいさん)

  1. はじめに
    朝起きたときに顔がむくんだり、立ち仕事が続くと足がむくんだりしませんか。 漢方薬は利尿薬とは違った利き方で「水」の分布を調整します。 水毒(あるいは水滞)は身体各部の水がうまく巡っていない病態を表わします。 五苓散(ごれいさん) 水毒に対する代表的治療薬である五苓散は、むくみだけでなく、頭痛、 めまい、下痢(水様下痢)、嘔吐(水様嘔吐)と種々の症状で「水」の関与した病態に用います。 とくに口渇、尿不利、自汗のうち二つの症状がある症例はよく効くとされています。 西洋の利尿薬と異なるところは、必ずしも尿量を増やさずに、水をとる作用にあります。 この作用は西洋医学のどの薬にもない、誠にユニークなものです。
  2. 構成生薬
    茯苓(ぶくりょう)、猪苓(ちょれい)、朮(じゅつ)、沢瀉(たくしゃ)、桂皮(けいひ)の五つです。 茯苓はマツホドという、松の木の根などに寄生するサルノコシカケ科の菌核です。 その存在は地面の上からは見えません。先を尖らしたステッキ様の金属棒を、 松の木の根周囲の地面をグサグサと刺していき、当たったときの手応えを得て、掘り出します。 これを「茯苓突き」といいます。匠の技です。 猪苓もチョレイマイタケというサルノコシカケ科の菌核です。ちなみに中国語の猪は豚のことです。 猪苓の名称は豚の糞あるいは陰嚢に由来する説があります。 沢瀉はサジオモダカという水草の根です。ここまでの三生薬の成育環境はいずれも水、 湿気の多いところですので、古人は最初から利水作用があると狙って使い始めたのではないでしょうか。 朮はキク科オケラの根茎で、若芽は山菜になります。湿気をとり、カビを防ぐ効果があるので、 かつては倉庫内で焚いたりしました。オケラ祭り(朮祭)は京都八坂神社で大晦日から元旦にかけて行う神事で、 朮を混じえたかがり火を焚きます。 桂皮はシナモンです。これは利水薬ではなく、解熱、鎮痛、鎮静等の作用が目的です。
  3. むくみと利水
    むくみは水毒の重要な症状のひとつです。 現代医学の治療の基本は水の出入りをマイナスにすることです。入る水として、飲水量を減らします。 体内では塩には水が伴いますので、塩分摂取の多い方は、水をそれだけ多く飲んでいるのと同じことになります。 日本人の塩分摂取量の多さは高血圧の原因としてもよく指摘されています。 我々の塩分量1日あたり11~13gはアメリカの8~10gより多く、ヨーロッパの5~6gの2倍に相当します。 厚労省の目標は10g未満です。日本食品標準成分表によれば、 塩分量は梅干し1個10gで2g、ラーメン4g、みそラーメン/月見そば6gです。皆さんはいかがでしょうか。 加工食品、外食が多い人は塩分に注意する必要があります。 水を出す方法としては、利尿薬があります。これは医師が処方する薬です。 最もよく用いられているフロセミドは強力な利尿作用を有しますが、 むくみをとる薬としては限界もあります。 複数のダムを有する川で説明してみましょう。フロセミドは腎臓だけに働きます。 つまり最下流のダムの流出量だけを増やすのです。より上流側のダムには作用しません。 したがって、上流において水の停滞が起こっている場合には、その効果は少ないのです。 手足や顔の局所的なむくみは必ずしも利尿薬ではとれません。弾性ストッキングの着用、 最近話題のリンパマッサージなどはこの停滞を物理的な刺激でめぐらすことを目的としています。 五苓散はこのようなむくみを一定程度改善することができます。腎臓だけでなく、 うっ滞している局所の水を巡らす作用があるのです。 さらに五苓散は水様下痢のときには下痢を止め、嘔吐の多いときは嘔吐を止めて、 尿を増やしてくれます。肝硬変による腹水が減少した例も少数ながら報告されています。 反対に脱水の症例に用いても尿は増えません。この点、脱水の症例に対しても尿を増やすことができる フロセミドとはまことに対照的です。尿を無理矢理増やすことはしないのです。 なお、心不全など心機能が低下しているときの服用は必ず医師の指示に従ってください。
  4. 頭痛
    水毒の症状はむくみ以外にもあります。一部の頭痛は水毒と関係があるようです。 例えば、むくみやすい方の頭痛に五苓散は有効です。症例を提示いたします。 60歳女性の方です。 頭痛は15歳から始まりました。外出時には必ず鎮痛薬を持参しました。30歳代後半には、 大病院で月経が終わる頃にはよくなるよと慰められましたが、結局持続しました。 40歳過ぎには鎮痛薬を毎日1~2回服用していました。車で1時間以上かけて当院を受診されました。 酒も喫煙もされません。 症状を尋ねますと、五苓散の適応を示唆する自汗傾向(首から上に)、 口渇を有していました。身長150cm、体重55kg、血圧120/80mmHg。舌を診ると歯の痕(あと)があり、 下肢にはむくみがあり、水毒は明らかでした。 この方には五苓散を煎じ薬で処方しました。3週後、めまい嘔気が出て点滴を受けましたが、 頭痛そのものの程度は改善してきました。6週後、頭痛がきても鎮痛薬を服用せずに軽快する場合がでてきました。 この方は通算2年間この薬を服用し続けて、頭痛と鎮痛薬から卒業していかれました。 筆者の経験では、勤労女性の頭痛にはこの五苓散が効くタイプが最も多いようです。 むくみやすい方は一度試してみてはいかがでしょうか。
  5. 周期性嘔吐症
    4~6歳に多い病気です。元気な子供が突然ぐったりして、激しい嘔吐をくりかえします。 この発件は1日に数回から数十回に及びます。通常は安静にて様子をみますが、脱水が強い、 あるいは胆汁様のものを嘔吐する重症例には入院加療が必要です。アセトン血性嘔吐症、 自家中毒症とも呼ばれます。 五苓散は周期性嘔吐症によく効きます。口から薬を服用させることは、嘔吐を逆に誘発する場合もあり、 服用させるときは慎重にしてください。小児科医のなかには五苓散を座薬にして使っている方もおられます。 筆者の長男が5歳のときこの病気になりました。なんとなく今日は機嫌が悪いと思っていたら、 夕食時、突然食べたものを吐き出して、食卓を滅茶苦茶にしてくれました。私や妻が怒るより前に、 吐いた本人が驚いて泣き出しました。食卓を片付け、周囲を掃除して本人をなだめすかすこと1時間あまり。 ようやく寝かせつけたと安堵すると、今度は布団の上へドドドッと噴水のように大量の嘔吐をしました。 飛び散った汚物を拭き取りながら、この薬のことをようやく思い出したのでした。五苓散エキス剤1包をお湯約50mlに溶かして、 さまして少しだけスプーンで一口飲ませてみました。子供は「美味しい!」と言って、グイと一挙に飲み干しました。 また吐くのではないかとおそるおそる寝かせましたが、その晩、次の嘔吐はなく、 1服でピタリと止まったのです。ちなみに、長男が漢方薬を「美味しい」と言ったのは後にも先にもこのときだけです。 なお、五苓散を用いたが効果なく脱水症のために入院した事例が報告されております。 病状によっては小児科医に依頼することが肝要です。
  6. さいごに
    水毒を治療する漢方薬は五苓散以外にも多数あります。 花粉症の鼻水、慢性気管支炎の水様痰、関節炎による関節の腫脹、これらも水毒による場合があり、 それぞれ別の漢方薬が指示されています。機会あれば、またお話しいたしましょう。

詳しくは↓
https://ibarakis.johas.go.jp/info_document/oh/kenko/kenko_2#s3

コラム水戸南町だより

▼連日、猛暑が続いています。県内でも7月に2名の方が仕事中に熱中症で亡くなっています。 私も以前、2度ほど仕事中に熱中症で亡くなった方の調査を担当したことがありますが、原因としては、暑さだけでなく、 体調なども大きく影響していました。今月号では熱中症の特集を急遽組みましたので、参考にしていただければと思います。

▼梅雨明けした3連休は家族と一緒に、西穂高岳(標高2,909m)と焼岳(2,444m)の登山をしました。 私は初めての山小屋泊まりを経験しました。夏の山小屋は大混雑で布団1枚に2人で寝る状態でした。 西穂高岳に登った時は、帰りが突然の雨になり、ツルツル滑る岩山を恐る恐るやっとの思いで、山小屋に戻りました。 今回の登山で、山小屋で喫煙する方がかなり多いのに驚きました。山頂でも何人もの方が気持ち良さそうにタバコを吸っているのを見て、 今年もぜひ「禁煙」セミナーを企画しなければならないと意を強くした登山となりました?!

▼「富士登山競走」の結果報告です。すごい猛暑の中、富士山頂のゴールまで完走しました。 タイムは4時間3分1秒でした。2年前に参加した時よりかなり早くゴールできたので、大満足です。 しかし、暑かったです。あまりの暑さに、山に入ってから足が何度も何度も「ケイレン」してしまいました。

▼この大会はスタートして、10キロちょっとの「馬返し」までは、アスファルトの道をある程度のスピードで走り、 その先は早歩きの登山という感じになります。 標高差3,000メートルを登るのに、制限時間が「4時間30分」というのがかなり厳しく、 毎回、完走率が50%未満という状況です。今回のレースも山頂コースには3,000人のランナーが挑戦しました。 なぜか、これほどきついレースなのに、常連の方がとても多い大会です。しかも、最近は、すごい人気で、 すぐ、定員に達してしまう大会です。

▼「富士登山競走」は「日本一くだらない(下らない)レース」と言われているそうです。そうなんです、 スタート地点が約700メートルで、そこから3,776メートルの山頂まで3,000メートルをひたすら登り続けるというレースです。 しかし、おまけがあり、山頂でのゴール後、帰りのバスのある5合目までは砂礫の中を自力で降りて来なくてはならず、 実は、この下りで、靴が「ぼろぼろ」になり、足腰にかなりダメージを受けることとなります。

▼今回の富士登山競走は走友の「追悼レース」でした。何年も富士登山競走に参加し、完走できずにいた走友が、 昨年交通事故で急逝しました。今回は、その走友の写真を持っての挑戦でした。無事、山頂までゴールでき、 一緒においしいビールで「乾杯」することができました。

▼来月の予告。8月29日に福島県で開催される「安達太良山登山マラソン」に参加予定です。初めての大会で、 コースも分かりませんので、次回はどのような報告になるでしょうか?

▼お詫び。今月号は熱中症特集とか、労働衛生週間の行事等が入りましたので、ボリュームが多くなってしまいました。 今後、たくさんの情報をできるだけコンパクトにお送りするよう努力します。


次回の第60号は、平成22年8月下旬配信予定です。
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