いばらき産保ニュース 第61号

発行日:2010/9/30
ホームページ:https://ibarakis.johas.go.jp/
お問い合わせメールフォーム:https://ibarakis.johas.go.jp/inquiry
発  行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健推進センター 所長 小林 敏郎

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【新着情報】
【これから受講できるセミナー案内(無料)】
【関連団体の実施するセミナーのご案内】
【全国労働衛生週間について】
【茨城県産業安全衛生大会】
【センターからのお知らせ(お役立ち情報等)】
【メンタルヘルス対策支援センターの利用案内】
【漢方医から職場への処方箋(連載)】
【コラム:水戸南町だより】

新着情報

「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」の報告書取りまとめ

このたび、「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」(座長・相澤好治北里大学副学長)の報告書が取りまとめられました。 この検討会は、今年5月に厚生労働省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」がまとめた報告の中で、 職場におけるメンタルヘルス対策が重点の一つとされたことを受け、設けられました。 報告書では、労働者のプライバシーが保護されること、労働者が健康の保持に必要な措置を超えて、 人事、処遇等で不利益を被らないこと等を基本的な方針として、次のような仕組みを導入することが適当とされました。
<報告書のポイント>

  1. 一般定期健康診断に併せ、ストレスに関連する労働者の症状・不調を医師が確認する。
  2. 面接が必要とされた労働者は産業医等と面接を行う。 その際は、上記ストレスに関連する症状や不調の状況、面接が必要かについて事業者に知らせない。
  3. 産業医等は労働者との面接の結果、必要と判断した場合は労働者の同意を得て、 事業者に時間外労働の制限や作業の転換などについて意見を述べる。
  4. 事業者は、労働時間の短縮等を行う場合には、産業医等の意見を労働者に明示し、 了解を得るための話合いを行う。

※詳しくは↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000q72m.html

労働基準監督署の課名が変更されます

本年10月1日から労働基準監督署の課名を分かりやすく変更します。 茨城労働局管内では筑西署、龍ヶ崎署、鹿嶋署、古河署、常総署の5ヶ所が変更になります。
※詳しくは↓
https://jsite.mhlw.go.jp/ibaraki-roudoukyoku/library/ibaraki-roudoukyoku/wnew/wnew100916.pdf

労働災害による死亡者の大幅増加を受け、緊急対策を実施

厚生労働省は、8月公表の速報値で、労働災害における今年の死亡者数が前年同期に比べて13.0%と大幅に増加したことを受け、 別紙の労働災害防止緊急対策を実施することとし、各都道府県労働局長に指示しました。 また、あわせて、災害防止対策の徹底を求める緊急要請を各業界団体と労働災害防止団体の長にも行いました。
※詳しくは↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000qako.html

自殺・うつ病 損失2.7兆円

厚生労働省は、2009年にあった自殺やうつ病での休業や失業などによる経済的損失が 推計で約2兆7千億円にのぼるとの推計を公表した。7日に開かれた政府の「自殺総合対策会議」で報告した。(朝日新聞 9.8)
※詳しくは↓ 
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000qvsy.html

熱中症の労災死 過去最多の33人

今年の熱中症による労働災害の死者が33人(9月1日現在の速報値)に上り、 統計を取り始めた1997年以降で最多になったことが6日、厚生労働省のまとめでわかった。(読売新聞 9.7)

受動喫煙:死者は毎年6,800人…厚労省研究班推計

受動喫煙が原因で肺がんや心臓病で死亡する成人は、国内で毎年約6,800人に上るとの推計値を厚生労働省研究班が28日、 発表した。 女性が約4,600人と被害が大きく、半数以上の約3,600人は職場での受動喫煙とみられる。 主任研究者の望月友美子・国立がん研究センタープロジェクトリーダーは「年間の労災認定死が約1,000例であることを考えると、 甚大な被害だ。行政と事業者は、労働者の健康を守る責任を認識すべきだ」と話している。(毎日新聞 9.29)

これから受講できるセミナー「2010年」

※ 先着順になりますので、お早めにお申込ください。
※ 有料駐車場については参加者のご負担となりますので、ご了承ください。 できるだけ公共交通機関をご利用ください。

<平成22年10月分>

  • 10月1日(金)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「作業環境の測定機器の取り扱いと保守管理について」 
    講師:番 博道(産業保健相談員、元住友金属テクノロジー(株)環境技術部長)
    ※作業環境測定の機器の取り扱いと保守管理について講師がわかり易く説明いたします。
    ※日医認定(実地)申請
  • 10月4日(月)午後2時40分~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「メンタルヘルス・ケースカンファレンス」 講師:山村 邦男(産業保健相談員、山村医院院長)
    ※現在、対応に困っている事例をお持ちの方、また、事例がなくても参加可能です。
    少人数のセミナーですので、講師からじっくりアドバイスを受けることができますよ。
  • 10月19日(火)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「騒音測定のコツと防音対策のポイント」 講師:番 博道(産業保健相談員、元住友金属テクノロジー(株)環境技術部長)
    ※騒音対策はとても難しいと言われています。
    長年、労働衛生工学を担当しているベテラン講師がわかり易く、騒音対策について解説いたします。
    ※日医認定(実地)申請
  • 10月22日(金)午後6時30分~午後8時30分 県南生涯学習センター
    「労災補償制度について~労災補償制度の仕組みと業務上疾病の判断基準等~」
     講師:飯塚 克己((社)茨城県トラック協会広報指導部長、前茨城労働局労働保険徴収室長)
    ※労災補償制度の仕組みと、業務上疾病の判断基準について、 行政の第一線で担当していた講師がわかり易く説明いたします。
    労災保険制度の基本をご理解いただく予定です。3回シリーズの第1回です。
    ※日医認定(更新)申請
  • 10月26日(火)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「職場での化学物質管理の進め方」
     講師:武田 繁夫(産業保健相談員、三菱化学(株)人事部健康支援センターグループマネージャー)
    ※職場ではたくさんの化学物質が使用されています。 有機溶剤、特定化学物質など職場での化学物質の管理の進め方について説明いたします。 このテーマのセミナーは数少ないので、貴重です。
    ※日医認定(専門)申請
  • 10月27日(水)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「管理職のためのメンタルヘルス・マネジメントセミナー(Ⅰ)~ストレスの正しい理解とメンタルヘルス不調の見分け方~」
     講師:小川 邦治(日立製作所日立健康管理センタカウンセラー・臨床心理士)
    ※昨年大変好評だったセミナーです。管理職の方のみでなく、産業保健スタッフの方にも大変参考になるセミナーです。 ※4回シリーズですが、それぞれに参加申込ができます。

<平成22年11月分>

  • 11月2日(火)午後1時30分~午後2時30分 住友生命水戸ビル11階会議室
    「呼吸用保護具に係る関係法令について」 講師:大津 徳男(茨城労働局労働衛生専門官)
    ※呼吸用保護具について、法令上どのように規定されているかを行政の専門官が詳しく解説いたします。 このセミナーに続いて、マスクについての実地研修も計画していますので、併せて受講してください。(単独の受講も可能です。)
    ※日医認定(更新)申請予定
  • 11月2日(火)午後2時30分~午後4時30分 住友生命水戸ビル11階会議室
    「粉じん作業等における呼吸用保護具の役割~性能と構造、フィッティングチェックについて~」
     講師:木村 菊二(産業保健相談員、労働科学研究所名誉研究員)
    ※マスクの専門家である講師が粉じん作業についての呼吸用保護具の役割、 性能と構造、フィッティングチェックについて、参加者に体験してもらいながら説明を行っていきます。 当日はこのセミナーの前に、法令のセミナーもありますので、併せて受講してください。(単独の受講も可能です。)
    ※日医認定(実地)申請
  • 11月4日(木)午後1時30分~午後4時30分 日立オートモティブシステムズ(株)佐和事業所(ひたちなか市高場2520) 「産業医の職場巡視について(実習)」  講師:中谷 敦(産業保健相談員、(株)日立製作所水戸健康管理センタ産業医) ※産業医として経験豊富な講師が実際の工場を巡視しながら、職場巡視のポイントについて説明いたします。 募集定員が少ないので、お早めにお申込みください。定員は20名です。(先着順) ※日医認定(実地)申請
  • 11月16日(火)午後3時半~午後5時半 住友生命水戸ビル11階会議室
    「管理職のためのメンタルヘルス・マネジメントセミナー(Ⅱ)~管理職のためのコミュニケーションスキル~
     講師:常磐大学人間科学部准教授・臨床心理士 馬場 久美子先生
    ※メンタルヘルス不全の3つのサイン(身体面、行動面、精神面)への気づきと、それぞれのサインが現れた時の留意点、
    傾聴とコミュニケーションについて説明します。4回シリーズの2回目です。
  • 11月19日(金)午後2時~午後4時 県南生涯学習センター
    「作業関連疾患~特に「糖尿病」対策について」 講師:西宮 常代(産業保健相談員、西宮医院副院長)
    ※作業関連疾患としての「糖尿病」対策について分かりやすく説明いたします。ご要望の多かった県南地区での開催です。
    ※日医認定(専門)申請
    ※産業看護職実力アップ申請
  • 11月20日(土)午後1時30分~午後5時20分 ホテルグリーンコア土浦
    「産業医に対するメンタルヘルス対策等研修会」
     講師:友常祐介(日本原子力研究開発機構産業医)、中谷敦(産業保健相談員、(株)日立製作所水戸健康管理センタ産業医)
    ①労働安全衛生法における職場のメンタルヘルス対策
    ②職場復帰支援対策
    ③労働安全衛生法における長時間労働に対する医師による面接指導等の手法
    ※今年度は県南地区での開催としました。
    ※厚生労働省からの委託事業として労働者健康福祉機構が受託し実施するものです。
    ※日医認定(専門3.5単位)申請
  • 11月25日(木)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「産業保健懇談会 職場のストレスとメンタルヘルス~最近の動向と課題~」
     講師:原谷 隆史(独)労働安全衛生総合研究所 作業条件適応研究部ループ 部長)
    ※講師の講演の後、講師との意見交換を行う予定です。
    メンタルヘルス対策についての新しい情報を得る良い機会です。たくさんの方の参加をお待ちしています。
    ※日医認定(専門)申請
    ※産業看護職実力アップ申請
  • 11月27日(土)午後1時30分~午後4時40分 ホテルグリーンコア土浦
    「精神科医等に対する産業保健に関する研修」
     講師:友常祐介(日本原子力研究開発機構産業医)、中谷敦(産業保健相談員、(株)日立製作所水戸健康管理センタ産業医)
    ①産業保健概論、職場のメンタルヘルス対策、職場復帰支援対策
    ②職場のメンタルヘルス対策の事例検討
    ※今年度は県南地区での開催としました。
    ※厚生労働省からの委託事業として労働者健康福祉機構が受託し実施するものです。
    ※日医認定(専門3単位)申請

<「メタボ対策」集中セミナー>

  • 11月13日(土)午後1時30分~午後5時 茨城県立健康プラザ
    「食生活改善と運動習慣でメタボリック・シンドローム予防~スマートダイエット、スマートエクササイズで元気長寿実現~」
    (1)健康講話(総論)
    講師:筑波大学大学院人間総合科学研究科 スポーツ医学専攻 教授 田中喜代次
    (2)スマートダイエット(食事栄養)講話
    講師:筑波大学発研究成果活用企業 (株)THF 管理栄養士 塙良子
    (3)スマートエクササイズ(運動実習)
    講師:筑波大学大学院人間総合科学研究科 体育学専攻、(株)THF健康運動指導士 大月直美
    ※メタボ対策でたくさんの実績を上げている筑波大学の田中喜代次教授にお願いして企画した集中セミナーです。
    総論、食事・栄養、運動という3つの部門の講師が具体的な事例を踏まえ、 どのような取組みをしたら良いかを説明いたします。たくさんの方が参加しやすいように土曜日の午後に計画しました。
    ※運動の実技がありますので、運動のできる服装、運動靴でご参加ください。
    ※日医の産業医の単位と看護実力アップの単位についてはすべてを受講しないと対象になりませんのでご注意ください。
    ※日医認定(実地3.5単位)申請
    ※産業看護職実力アップ申請

<平成22年12月分>

  • 12月6日(月)午後2時40分~午後4時 中央ビル階会議室
    「メンタルヘルス・ケースカンファレンス」 講師:山村 邦男(産業保健相談員、山村医院院長)
    ※現在、対応に困っている事例をお持ちの方、また、事例がなくても参加可能です。
    少人数のセミナーですので、講師からじっくりアドバイスを受けることができますよ。
  • 12月8日(水)午後2時~午後4時 
    鹿島建設・仙波・山本特定建設共同企業体朝日トンネル本体工事現場(土浦市小野1378-1)
    「職場巡視のポイントと課題の把握の仕方」(実地研修) 講師:伊藤 進一(産業保健相談員、安全コンサルタント)
    ※本研修ではトンネル工事現場での職場巡視の方法について研修を行うものです。
    なお、本工事は筑波連山南東部の朝日峠付近で、NATM(ナトム)工法で施行されており、 全長1784メートル(土浦工区は732メートル)のトンネルです。 トンネル工事現場での研修は滅多にできませんので、大変貴重な研修です。 ただし、会場の関係で先着20名とさせていただきます。
    ※参加する場合の注意事項
    (1)参加者の服装については、トンネル工事建設現場での研修に相応しい服装でご参加ください。
    (例)
    ①作業着(スカートは不可)
    ②安全靴(ハイヒールは不可)
    ③防じんマスク
    ④軍手
    ※ヘルメットについては、施工業者より借用予定です。
    (2)現場での研修ですので、集合時間は厳守です。遅刻した場合は受講をお断りすることがありますので、予め、ご了承ください。
    (3)工事現場は危険な箇所もありますので、施工業者及び当センタースタッフの指示に必ず従って行動してください。
    (4)会場にお車で来られる場合は、施工現場の指定の駐車場に駐車していただくことになります。
    (駐車場については後日お申込みいただいた方に別途ご案内いたします。)
    ※日医認定(実地2単位)申請予定
  • 12月17日(金)午後6時30分~午後8時30分 県南生涯学習センター
    「過労死等の脳・心臓疾患労災認定のしくみ~脳・心臓疾患の労災認定基準の解説」
     講師:飯塚 克己((社)茨城県トラック協会広報指導部長、前茨城労働局労働保険徴収室長)
    ※本研修会では、「脳・心臓疾患の認定基準」の制定の経緯から内容、労災か否かの判断ポイント、 運用の実際・留意点、具体的な業務上外の事例について講義します。
    ※日医認定(更新)申請予定
  • 12月20日(月)午後2時~午後4時 住友生命水戸ビル11階会議室
    「管理職のためのメンタルヘルス・マネジメントセミナー(Ⅲ)~ 「治療中の部下への関わり方と復帰にあたって配慮すべきこと」 講師:的場 政樹(袋田病院院長)
    ※本研修は、管理監督者を対象に、治療中の部下への対応方法や、職場復帰にあたって必要な情報や具体的な進め方について、 事例も交えながら、演者の産業医及び主治医としての豊かな経験を基に説明します。
    ※日程が変更になりました。

<セミナー会場案内>

【注意】
「日医認定」とあるのは、日本医師会認定産業医制度の単位認定研修です。
平成22年4月からは当推進センターでは「生涯研修」のみの実施となりましたのでご注意ください。
「実力アップ」とあるのは、日本産業衛生学会産業看護職継続教育実力アップコース認定です。
申請中、又は申請予定も含みます。また、「予定」とあるのは、変更されることがあります。

関連団体の実施するセミナーの利用案内

平成22年度健保連保健師・看護師連絡協議会研修会について

長引く不況や労働環境の変化に伴い、働く人ばかりでなく、企業組織も沈滞化しています。 産業保健においても、メンタルヘルス不調への対応だけでなく、仕事のモチベーション、 満足度などを包括的に見て、前向きにいきいきと働けるような視点でのサポートが必要になってきています。 組織自体の生産性が向上し、活性化されないと働いている人もいきいきと元気に働くことができないことでしょう。 そこで今回は、産業保健スタッフとして、働く人や組織をどのような視点で捉え、 どのようなメンタルヘルス対策を講じていけば、働く人々も組織もいきいきと元気にすることができるのか、 行動心理および組織行動科学の視点から永島先生にご教示いただき、働く人々や組織の支援に役立てていきたいと考えております。 この研修は、今後の活動に役立ち現場で活かせる知識の習得ができる機会となることと思いますので、 是非、皆様お誘い合わせの上ご参加ください。また、折角の機会ですので、 総務・勤労を担当する部門の方々のご参加もお待ちしています。

  1. 日 時
    平成22年11月18日(木)13:45~16:15
  2. 場 所
    日本原子力研究開発機構 テクノ交流館 リコッティ
    (JR東海駅東口から徒歩3)
    〒319-1118茨城県那珂郡東海村舟石川駅東三丁目1番1号
    TEL 029-306-1155 FAX 029-282-1166
  3. 研修内容
    『働く人と組織を元気にするメンタルヘルス対策』
    講 師 :労働衛生コンサルタント事務所 元気げんき所長 永島 昭司 先生
    日本産業衛生学会認定産業看護職継続教育実力アップコース認定
    実力アップ  Ⅱ-2-(1) 1単位、Ⅳ-3-(4) 1単位
    *産業看護職継続教育手帳(実力アップコース)をご持参ください。
  4. 参加費
    健保連保健師看護師・連絡協議会会員は無料、当会員外は2,000円
    参加する方は、平成22年11月5日(金)までに、所属・氏名・連絡先電話番号を記入の上、 郵送またはメールで連絡をお願いします。
    〒312-8505 茨城県ひたちなか市稲田1410
    日立オートモティブシステムズ株式会社 東海佐和診療所
    保健師 木幡 雅子
    メール:※受付は終了しました。
    Tel:029-275-1823

全国労働衛生週間について

平成22年度 全国労働衛生週間の実施について ~10月1日から7日まで~

<平成22年度スローガン>
「心の健康維持・増進 全員参加でメンタルヘルス」

全国労働衛生週間は、労働者の健康管理や職場環境の改善等の労働衛生に関する国民の意識を高めるとともに、 職場での自主的な活動を促して労働者の健康の確保等を図ることを目的に行われています。 昭和25年の実施以来、本年で61回目です。 毎年10月1日から10月7日までを本週間、9月1日から9月30日までを準備期間とし、 それぞれの職場でさまざまな取り組みを展開することとしています。
※詳しくは↓
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000f4pw.html

茨城県産業安全衛生大会

茨城県産業安全衛生大会が下記のとおり開催されます。
特別講演の講師は当センターの産業保健相談員の中谷先生です。

  • 日程:10月5日(火)午後1時から午後4時45分
  • 場所:ホテルレイクビュー水戸(水戸市宮町1-6-1)
  • 第1部 表彰式
  • 第2部 講演
    特別講演 「実践的なメンタルヘルス対応」~日常から休職・復職まで~
    (株)日立製作所日立健康管理センタ 産業医 主任医長
    中谷 敦(当センター産業保健相談員)
    ※参加申込は(社)茨城労働基準協会連合会 電話:029-225-8881)

センターからのお知らせ(お役立ち情報等)

産業保健の「相談」お待ちしています!!

当センターでは産業保健に関するあらゆるご相談に応じています。電話、FAX、メールでも結構です。(※「メール」が便利です。)
費用は「無料」ですので、お気軽にご相談ください。
また、「個人情報」は守られています。ご心配いりません。最近はメンタルヘルスに関する相談が大変増えてきました。
※相談フォームは↓
https://ibarakis.johas.go.jp/inquiry

メンタルヘルス対策支援センターの利用案内

「メンタルヘルス対策支援センター」では、対面、電話、ファックス、メールによりメンタルヘルス 不調の予防から職場復帰までのメンタルヘルス全般についての相談、問い合わせに応じています。 メンタルヘルス対策促進員が事業場を訪問して制度の周知、助言を行っています。
平成22年度は管理者監督者の教育も実施いたします。 メンタルヘルス不調者の対応をどうしたらよいか、社内スタッフ・従業員への教育・研修をどうしたら良いか、 職場復帰支援プログラムはどのように作れば良いのかなど、メンタルヘルス全般についてのご相談に応じています。 
費用は無料です。

働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」のご案内

働く方、ご家族の方、事業者・上司・同僚の方、産業医等支援する方などが活用できるたくさんの情報が 閲覧できます。
 専門の相談機関、医療機関の名簿とか事例紹介など役立つ情報がたくさんあります。
※詳しくは↓
http://kokoro.mhlw.go.jp/

【漢方医から職場への処方箋(連載)】

「漢方医から職場への処方箋」伊藤隆

※当センターの産業保健相談員で、鹿島労災病院のメンタルヘルス・和漢診療センター長の伊藤隆先生が 「労働安全衛生広報」((株)企業通信社)に現在投稿している原稿をご紹介いたします。
なお、転載に当たっては出版社の許可を得ています。また、センターのホームページにも掲載しています。

第10回 みかんを用いた漢方薬  ~陳皮と枳実~

はじめに
  1. 陳皮(ちんぴ)
    皆様おなじみの、ウンシュウミカン(温州みかん)の皮を用います。 「温州」はみかんの栽培で有名な中国淅江省温州のことですが、 品種そのものと直接の関係はないそうです。日本産であっても 「パリ○○」と名付けて商品価値を高めるネーミングの類だったのでしょうか。 ウンシュウミカンの皮は新鮮なものを橘皮(きっぴ)、古くなったものを陳皮(ちんぴ)、 未熟なウンシュウミカンの皮を青皮(せいひ、じょうひ)と呼んで、使い分けがされています。 皮の色は橙色ですが、古くなると黒褐色になります。橘皮は胸の中のつまりをとります。 陳皮は健胃作用が強く、体力のやや衰えた人の胃を強めるのに役立ちます。また痰をとります。 青皮は気を強力にめぐらします。漢方薬の7割は中国等外国からの輸入ですが、陳皮だけは国産で、 東南アジアへ輸出もしています。 陳皮の主成分のヘスペリジンには、芳香、苦味健胃、鎮咳作用があります。その他にも、胃液分泌促進、 抗アレルギー作用、抗炎症作用、気管支収縮抑制作用、鎮静作用も認められています。 食べる時には何の価値もなさそうな皮に、このように多くの作用があることに驚かされます。 陳皮を含む漢方薬、神秘湯(しんぴとう)はしつこい咳嗽があって、季肋下に張った感じのある症例に用います。 一例ご紹介いたしましょう。 41歳の女性です。昨年末より咳が続くため、ある総合病院内科に通院していました。 喘息ですが、アレルギーの原因は不明と言われました。 気管支拡張薬、去痰薬、鎮咳薬が処方されてきましたが、効きません。 吸入ステロイド薬にも反応しませんでした。本年6月の検査成績では白血球5200/m?ですが、 アレルギー反応を示唆する好酸球数10.7%と軽度上昇していました。 親戚の勧めにて9月中旬に当センターを受診されました。咳が出て、 痰が胸につまった感じがして苦しく、夜横になると息苦しいと訴えていました。 身長161cm。体重54kg。体温36.6度。血圧120/71mmHg。脈拍78/分、整。 胸部の聴診では喘息を示すラ音等は聞こえません。 肺機能検査では、一秒率(一秒間に吐き出す息の量)は67.0%(正常70%以上)と低下していましたが、 気管支拡張薬吸入後75.4%へ上昇しました。喘息ですと15%以上の上昇がみられるので、 喘息性気管支炎と考えました。 吸入ステロイド薬が効かなかったので、漢方薬だけで治療することにしました。効果には個人差がありますので、 効果を確認する目的で、外来にて神秘湯エキス2包を試服させてみたところ、30分後には胸がすっきりして、咳が楽になりました。 同包3包分3食前にて服薬を開始しました。 2週後。服薬1週後より夜間の咳は減少してきました。横になれない苦しさも減ってきました。 6週後。夜痰はでますが、咳はなくなりました。症状は随分楽になりましたが、服薬をさぼると咳が出てくるそうです。 神秘湯は、麻黄(まおう)、柴胡(さいこ)、杏仁(きょうにん)、厚朴(こうぼく)、陳皮、甘草(かんぞう)、 紫蘇葉(しそよう)の七味です。いずれも咳に効く生薬ですが、 麻黄のように胃にさわりやすい薬から胃を守る役割も陳皮にはあるようです。 名前が「神秘」なんてちょっと怪しく思われるかもしれませんね。 この症例においてはまさに「神秘」のごとくよく効きました。 漢方薬はゆっくり効くイメージが一般には強いようですが、 病の早期や症状の強い状態に用いるときは早く効くものです。
  2. 枳実(きじつ)
    漢方薬ではナツミカンとダイダイの未成熟果実を枳実(きじつ)として用います。 ナツミカンは自然雑種によって生まれた日本原産の柑橘です。 安永年間(1772-1780)に山口県長門市の大日比に漂着したミカンの種子を西本於長(おちょう)が播き育てたのが最初と 言われています。その栽培は明治維新以降、旧士族の生計手段として山口県、特に萩の城下で広まったそうです。 ダイダイ(橙)はナツミカンに良く似ていて、同じミカン科に属しますが、果実は酸味が強すぎて食用には適さず、 お正月の飾りに使われます。年を越しても木になり続けることから「代々」の語源になったそうです。 枳実(きじつ)は気のうっ滞した状態を改善する目的で用いられます。味は苦いのですが、便通を促進して腹の張りをとり、 胸部の痛みと閉塞感を改善し、精神を安定させてくれます。枳実のエキスには、腸管運動の抑制作用、 抗アレルギー作用が認められています。 枳実を含む漢方薬、四逆散(しぎゃくさん)は緊張しやすい方の諸症状に有効です。 たとえば、このような症例です。 53歳男性で、診断は過敏性腸症です。 20歳代より下痢しやすかったそうです。7年前、家族関係でストレスがあってから、眠りにくくなり、 些細なことで不安感にさいなまれてきました。 精神科クリニックにて抗うつ作用のあるスルピリド(50mg)1錠と抗不安作用のあるジアゼパム(2mg)1錠を処方されました。 4年前より尿の出が悪くなり、排尿後に残尿感が残り、 小便ができらない感じがします。泌尿器科医院を受診したところ、 前立腺に異常なく、アビショット、ジスチグミンを服用すると尿の出方はやや良くなりました。 3年前当院の近くに単身で赴任して、より下痢回数が増加し、朝は平均3回性状は水様の場合が多くみられました。 近内科医院にて止痢剤(ポリフル)を処方され、1カ月分処方を3カ月かけて服用しています。 長時間の会議など、ストレスの多い前には必ず服用しています。 7月上旬に受診されました。 10年前より禁煙。平生はお酒を1~2合/日。 身長170cm。体重75kg。体温36.6℃。血圧129/85mmHg。脈拍数78/分、整。脈は緊張良い。 舌はややむくんでいました。腹候、腹力は中等度よりがっちりしていてはっていました。 手足のひらには汗があり、かきやすい傾向がありました。 四逆散エキス(煎じ薬を粉末にしたもの)を朝夕2回服用して頂きました。 1月後、1日5回あった下痢が1~2回に減りました。それまで3日ごとに服用してきたセイロ丸を止めることができました。 2カ月後は、下痢は週1回に減りました。以後はビールを多量に飲んだときや強いストレスの時だけ下痢するようになり、 自信がでてきました。腹の具合をみながら服用回数を調整しています。 四逆散は柴胡、枳実、芍薬、甘草の四味より構成されています。柴胡は精神を安定化し、芍薬は腹痛、筋肉痛の痛みを抑え、 甘草は症状の激しいときに用いられます。四逆散は緊張しやすい方の腹痛、筋肉痛、便通異常によく効きます。 この症例はまさにストレスによって腹痛、下痢をきたしやすい、四逆散の典型的適応例といえましょう。
さいごに

漢方薬ではないミカンも重要です。例えば、柚子(ゆず)です。冬至になると、お風呂に入れますが、 心身面をリラックスさせる効果があります。レモン、スダチ(酢橘)も仲間です。 みかんは皮も実も医食両用の重要な果実です。 なお、効くからには副作用もありえます。漢方では冷やす作用があると考えています。
冷えやすい方は、 ミカンで小便が近くなる場合があります。お気をつけください。

【文献】
原島広至:生薬単、NTS、東京、2007.
鈴木洋:漢方のくすりの辞典、医歯薬出版、東京.

ホームページからもご覧頂けます 詳しくは↓
https://ibarakis.johas.go.jp/info_document/oh/kenko/kenko_2#s5

コラム水戸南町だより

▼10月1日から「タバコ」が大幅に値上げされる予定です。また、厚生労働省の研究班の発表によると、 国内で毎年受動喫煙が原因で死亡する成人が約6,800人に上るというショッキングな推計値が発表されています。 産業保健スタッフの皆さんにとっては今回は大きなチャンスです。しかも、10月1日から「労働衛生週間」の本週間です。 このチャンスを逃さず、社内の「喫煙者」を1人でも少なく、また、受動喫煙の被害者をできるだけ少なくできるよう頑張りましょう。

▼タバコについての話題をもう1つ。先日、ある喫煙者の方と「タバコの値上げ」について話をしていましたが、その方は、 「私は今回程度の値上げではタバコは止めないよ。でも、1,000円になったら止めるかな。」と言っていました。 タバコの値段は日本では外国に比べてかなり安いらしいので、もっと値上げすると喫煙者が減るのに・・・と考えたりしています。

▼スポーツの秋。スポーツ界で2つの偉業達成。 1つはプロ野球大リーグでの「イチロー選手」の10年連続200本安打。 もう1つは大相撲の横綱「白鵬」の62連勝という連勝記録です。 記録達成までの道のりは我々には想像もできないような苦労があったのではないかと思いますが、 暗い話題の多い中、このような明るい話題はとても嬉しいですね。皆さんも「スポーツの秋」、 何かスポーツをしてみませんか?スポーツの後は、「食欲の秋」美味しいものをたっぷり食べましょうか・・・

▼9月26日に家族と「木曽駒ケ岳」(標高2,956.3m)登山をしてきました。素晴らしい天気で、 アルプスの山々と昨年「トレイルレース」で走った「御嶽山」、今年「富士登山競走」で走った 「富士山」などが綺麗に見えました。私は「登山」はまだまだ初心者ですが、どんどんはまっていきそうです・・・。 今回の「木曽駒ケ岳」にもたくさんの華やかな「山ガール」がいましたよ。

▼来月の予告。9月はレース出場は無く、「トレーニング」の期間でしたが、 いよいよ来月から「レースシーズン」に突入です。まず、10月10日に栃木県の「さくら市マラソン」(10キロ)、 そして10月31日は千葉県の「手賀沼エコマラソン」(ハーフマラソン)に参加予定です。どのような結果になるか、 ドキドキです。また、いよいよ来年の「東京マラソン」の抽選結果が発表になります。こちらもドキドキです。


次回の第62号は、平成22年10月下旬配信予定です。
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