土浦地産保通信(第18号) |
平成28年8月31日 |
土浦地産保通信は、皆様に産業保健に関するニュースや役に立つ情報をお届けしています。 しばらくご無沙汰が続いていましたが、やっと発行することができました。この通信はE メール(PDF文書添付)又はFAX で送信しています。送信方法の変更を希望される場合は、当センターまで連絡してください。 |
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話題◎ 有害業務のある「30 人以上は産業医選任を」〜日本医師会が制度見直しへ答申〜 日本医師会産業保健委員会は、このほど有害業務のある事業場に対する産業医の選任義務を30人以上に引き下げるべきとの答申を提出しました。 答申では、小規模事業場は、従来から危険有害要因リスクが高いことに加え、産業保健の専門職が選任されておらず、事業場外から医療職が関与する機会もほとんどないことを指摘し、近年の労働災害発生件数の下げ止まりの一因になっている可能性もあるとしています。 ただ、具体的内容としては月1 回の職場巡視や衛生委員会への出席は必要ないとし、年に4 回程度の事業場訪問が現実的としています。 現在、産業医としての資格を有する医師は9 万人以上おりますが、30 人〜49 人の事業場が12 万事業場と概算した場合、一人の産業医が1〜2カ所担当する必要があります。 いまでも産業医が見つからない事業場がいる一方で、働く場のない産業医もいるとされていますので、マッチングがますます重要になってくるでしょう。 ◎ 平成27 年度「過労死等の労災補償状況」 厚生労働省は、平成27 年度の「過労死等(注)の労災補償状況」を取りまとめ公表しています。 それによると、脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況については、請求件数は795 件で、前年度比32 件の増でしたが、支給決定件数は251 件で前年度比26 件の減となりました。業種別(大分類)の請求件数は「運輸業,郵便業」181 件、「卸売業,小売業」116 件、「建設業」111 件の順で多く、支給決定件数も「運輸業,郵便業」96 件、「卸売業,小売業」35 件、「製造業」34 件の順でした。中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「道路貨物運送業」が最多となっています。 一方、精神障害に関する事案の労災補償状況については、請求件数は1,515 件で、前年度比59 件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比14 件減の199 件でした。支給決定件数は472 件で前年度比25 件の減となり、うち未遂を含む自殺の件数も前年度比6 件減の93 件でした。業種別(大分類)では、請求件数は「製造業」262 件、「医療,福祉」254 件、「卸売業,小売業」223 件の順に多く、支給決定件数は「製造業」71 件、「卸売業,小売業」65 件、「運輸業,郵便業」57 件の順でした。 精神障害に関する事案の年齢別では、請求件数は「40〜49 歳」、「30〜39 歳」、「50〜59 歳」の順で多く、支給決定件数は「40〜49 歳」、「30〜39 歳」、「20〜29 歳」の順でした。また、出来事別の支給決定件数では、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」75 件、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」60 件の順でした。(下図参照) (注)「過労死等」とは、過労死等防止法第2条において、「業務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害をいう。」と定義されています。 |
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【穴埋めコラム めざせ衛生管理者〜過去問の実戦的解説 その15】 |
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土浦地域産業保健センターでは、国の補助事業として、次のような支援を行っております。 発行者:独立行政法人 労働者健康安全機構 ※衛生管理者試験過去問の正解はAとDです。 |