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土浦地産保通信(第19号)

平成28年9月16日
土浦地産保通信は、皆様に産業保健に関するニュースや役に立つ情報をお届けしています。
この通信はE メール(PDF 文書添付)又はFAX で送信しています。送信方法の変更を希望される場合は、当センターまで連絡してください。

話題

◎ 喫煙による健康影響については、肺がん、食道がん等で疾病リスク「レベル1」
〜「煙の健康影響に関する検討会報告書」〜
厚生労働省の「喫煙の健康影響に関する検討会」は先月、喫煙と疾病リスクの関連性の判定を盛り込んだ報告書をとりまとめました。報告書は通称「たばこ白書」と呼ばれ、今回の報告書は15 年ぶりの改訂となっています。
最大の特徴は、科学的根拠に基づく喫煙による疾病リスクの判定が記載された点です。健康影響の因果関係の判定は、「レベル1」(因果関係の推定に十分)から「レベル4」(因果関係なし)の4 段階に分けられますが、喫煙による喫煙者本人への健康影響については、肺がん、食道がん、胃がん、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、2 型糖尿病の発症などを「レベル1(十分)」に位置づけています。
厚労省は同報告書を今後のたばこ対策の根幹に位置づけ、受動喫煙防止対策などを一層強化する方針です。
報告書は厚労省のホームページ上で閲覧できます

◎ 10 月は「年次有給休暇取得促進期間」
厚生労働省では、年次有給休暇を取得しやすい環境整備を促進するため、平成26 年度から10 月を「年次有給休暇取得促進期間」として、集中的な広報活動を行っています。
年次有給休暇については、ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議において策定された、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「仕事と生活の調和推進のための行動指針」において、2020 年までの目標値として、その取得率を70%とすることが掲げられています。しかし、直近の取得率は47.6%(平成26 年)にとどまり、近年は50%を下回る水準で推移していました。
厚生労働省が提唱しているのが「プラスワン休暇」。土・日、祝日に、労使が合意した「年次有給休暇の計画的付与制度*」を1 日以上追加して、連続休暇を実現しましょうというもの(下図)。画像
* 年次有給休暇の計画的付与制度とは、年次有給休暇の付与日数のうち、5日を除いた残りの日数については、労使協定を結べば計画的に年次有給休暇の取得日を割り振れる制度。この制度を利用している企業は、利用していない企業よりも年次有給休暇の平均取得率が5.3 ポイント高くなっています(平成26 年)。

お得な情報

◎ 最低賃金の引上げに向けた中小企業・小規模事業者への支援策
厚生労働省は、最低賃金引上げの環境整備として経営力強化・生産性向上に向けて、中小企業・小規模事業者への支援措置を推進・拡充する方針です。
主な内容は、業務改善助成金(注1)及びキャリアアップ助成金(注2)について、助成額等の拡充などで、平成28 年度第二次補正予算案成立後に実施されます。
業務改善助成金については、支給対象を事業場内最低賃金が800 円未満の事業場から1000 円未満の事業場に拡充するほか、引上げ額に応じた助成コースを追加し、助成率も拡充。また、キャリアアップ助成金(賃金規定等改定)については、中小企業が有期契約労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、昇給した場合に助成額を加算。
詳しくは、業務改善助成金の拡充のご案内を参照してください。
【穴埋めコラム めざせ衛生管理者〜過去問の実戦的解説 その16】
今回も、労働生理に関する問題です。少し難しいですが、分かると納得します。
問題)腎臓又は尿に関する記述のうち、正しいのはどれか。
1.血中の老廃物は、尿細管からボウマン嚢に濾しだされる。
2.血中のたんぱく質は、尿細管からボウマン嚢に濾しだされる。
3.血中のグルコースは、糸球体からボウマン嚢に濾しだされる。
4.原尿中に濾しだされた電解質の多くは、ボウマン嚢から血中に再吸収される。
5.原尿中に濾しだされた水分の多くは、そのまま尿として排出される。
解説)
腎臓には血液中の老廃物を尿として排出する機能と体内の水分・塩分・ミネラルの調整をする機能があります。血液をろ過するフィルターの役目が糸球体で、血液中の栄養を体に残し、老廃物を排出するという機能があります。ボウマン嚢に排出された原尿の成分のうち、グルコース(ブドウ糖)のすべてと水・無機塩類のほとんど(99%)、グリセリンなどその他の物質は尿細管によって、血中に再吸収されます。
一方、たんぱく質は大きな塊ですから、糸球体でろ過できません。ですから、尿に蛋白が混じるということは糸球体の異変、すなわち腎臓の病気の可能性があります。

土浦地域産業保健センターでは、国の補助事業として、次のような支援を行っております。
・メンタルヘルスを含む労働者の健康相談(不調者への保健指導等)
・健康診断の結果についての医師から意見聴取(有所見者の健康保持についての意見)
・長時間労働者に対する面接指導(医師等による指導)
・医師、保健師等の個別訪問による保健指導(健康相談、労働者への教育等)
H28年4月からは、これら従来の業務に加え
・小規模事業場における「高ストレス者に対する面接指導」を実施します。【新規】


発行者:独立行政法人 労働者健康安全機構
 茨城産業保健総合支援センター 土浦地域産業保健センター
発行責任者:コーディネーター 野口 清
 〒300-0052 土浦市東真鍋町2-5真鍋事務所庁舎内
  電話:029-825-2911   FAX:029-825-2912   E-mail: アドレスibarakis.johas.go.jp
※ この通信は、これまでに土浦地産保をご利用いただいた事業場に発信しております。

※衛生管理者試験過去問の正解は3です。