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土浦地産保通信(第5号)

平成27年7月2日
土浦地域産保センターでは随時、皆様に産業保健に関するニュースや役に立つ情報をお届けしえいます。
この通信はEメールでも送付可能です(PDF文書添付)。
希望される場合は、当センターまで連絡してください(アドレスは下蘭にあります)。

トピックス

  1. 精神障害の労災請求件数1,456件、支給決定件数497件、ともに過去最多
    〜厚労省 平成26年度「過労死等の労災補償状況」を公表〜
    厚生労働省はこのたび、平成26年度の「過労死等の労災補償状況」を公表しました。このうち脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況については、請求件数が763件で前年度比21件の減、支給決定件数も277件(うち死亡121件)で前年度比29件の減となり、大きな変化はありませんでした。
    一方、精神障害に関する事案の労災補償状況については、請求件数が1,456件で前年度比47 件の増、また支給決定件数も497件(うち未遂を含む自殺99件)と前年度比61件の増となって、いずれも過去最多となりました(下図)。なお、精神障害に関する事案の認定理由(出来事)別の支給決定件数は、「悲惨な事故や災害の体験・目撃」が最多で72件、以下「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」が69 件、「1か月80時間以上の時間外労働」が55件、「仕事内容・量の大きな変化」が50件などでした。精神障害に係る労災請求件数推移
  2. 熱中症予防対策 平成27年は建設業、警備業、製造業を重点に実施
    厚生労働省では、このほど平成26年の「職場での熱中症による死傷災害の発生状況」を取りまとめ、その結果、昨年に続き建設業や製造業などで死傷災害が多く発生しているとして、平成27年の職場における熱中症予防対策について都道府県労働局長あてに通達を出しました。
    平成26年の職場での熱中症による死亡者は12人と、前年よりも18人少なくなっています。しかし、業種別に死傷者をみると建設業が最も多く、次いで製造業で多く発生しており、全体の約5割がこれらの業種で発生していることがわかりました。
    また死亡例(12人)の発生状況を調べると、WBGT値(暑さ指数)の測定を行っていなかった(11人)、計画的な熱への順化期間が設定されていなかった(10人)、定期的な水分・塩分の摂取を行っていなかった(8人)、健康診断を行っていなかった(7人)など、基本的な対策が取られていなかったことも分かっています。参考までに、茨城県内における最近の熱中症による死亡例を掲げておきます。
茨城県内の熱中症による死亡した労働災害の例(平成25年から平成26年)
発生月/時間帯 職種/年齢
/経験年数
事業の種類 発生状況
平成25年7月
16時〜17時
配管工/ 40歳代/24年 木造家屋
建築業
午前8時頃から給配水管の敷設作業を行っていたが、午後4時頃熱中症と思われる症状により現場に倒れているところを発見された。
平成25年8月
16時〜17時
技能者/30歳代/1か月 その他の
建設業
午前8時頃から芝畑において除草作業を行っていたところ、午後4時50分頃熱中症で倒れているところを発見され、9日後搬送先の病院で死亡した。
平成25年8月
14時から15時
運転者/20歳代/0か月 その他の
小売業
生コン車(4トン)を工事現場に納品した後、納品中によって汚した道路を清掃していたところ、熱中症と思われる症状で道路上に倒れた。
平成26年7月 土工/50歳代/33年 道路建設
工事業
道路建設工事現場において、草刈り作業中、気分が悪くなって病院に搬送されたが、熱中症により死亡した。
※ 「いばらき労働基準」6月号より転載(一部について、意味が変わらない程度に表現を変更しております)

【穴埋めコラム めざせ衛生管理者〜過去問の実戦的解説 その4】

今回は、衛生管理者試験の過去問題から有害業務について学びましょう。
問題)
作業環境における騒音及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているのはどれか。
  1. 騒音レベルの測定は、通常、騒音計の周波数補正回路のA特性で行い、その大きさはdB(A)で表す。
  2. 騒音性難聴は初期には気づかないことが多く、また治りにくいという特性がある。
  3. 騒音は、自律神経や内分泌系へも影響を与える。
  4. 騒音性難聴では、通常、会話領域よりも高い音域から聴力低下が始まる。
  5. 等価騒音レベルは、変動する騒音のある時間範囲について、250、500、1000、2000、4000 及び8000Hzの音圧レベルの平均値として表した量である。
解説)
騒音に慢性的に暴露されているうちに次第に進行するのが騒音性難聴です。
騒音性難聴の起こり方は、周波数によっても異なりますが、一般に騒音の音圧レベルが大きければ大きいほど影響がでます。
また、早期の聴力低下は自覚がなく、4kHzを中心とした高音域の聴力損失が最初に現れるのも特徴です。
しかし、騒音暴露が持続すると会話領域に近い2kHz、1kHzにおける聴力も低下し、日常生活に支障をきたすようになります。
なお、等価騒音レベルとは、騒音レベルが不規則かつ大幅に変動している場合に、測定時間内の騒音レベルのエネルギーを平均したものです。

土浦地域産業保健センターでは、国の補助事業として

  • メンタルヘルスを含む労働者の健康相談(不調者への保健指導等)
  • 健康診断の結果についての医師から意見聴取(有所見者の健康保持についての意見)
  • 長時間労働者に対する面接指導(医師等による指導)
  • 医師、保健師等の個別訪問による保健指導(健康相談、労働者への教育等)

 等の支援を行っております。どうぞ、ご利用ください。


発行者:独立行政法人労働者健康福祉機構
 茨城産業保健総合支援センター 土浦地域産業保健センター
発行責任者:コーディネーター 野口 清
 〒300-0052 土浦市東真鍋町2-5真鍋事務所庁舎内
  電話:029-825-2911   FAX:029-825-2912   E-mail: アドレスibarakis.johas.go.jp
※ この通信は、これまでに土浦地産保をご利用いただいた事業場に発信しております。

※衛生管理者試験過去問の正解は(5)です。