8月のつぶやき 『新型コロナウイルス感染予防 職場からの質問Q&A』

 

 

   長い梅雨も明けましたが、マスク着用の生活は続きます。夏にマスクをつけるのは、
 人生で初めてかもしれません。
 病院勤めをしていたころ、病棟でもインフルエンザ流行の時期しかマスクはつけて
 なかったと記憶しています。そのころはマスクを着用して看護をするのは患者様に失礼、
 などという風土もありました。今は逆ですね。

 さて、新型コロナウイルスに関する情報は、様々なメディアから発信されていますが、
 事業所を訪問すると、担当の方より素朴なご質問をいただきます。
 少しだけQ&A形式でご紹介します。
                                  (2020年8月13日更新)


 

  朝と夕に職場の机を水拭きしています。
     これだけでも新型コロナウイルス対策に効果はありますか?

   ほこりの中にウイルスが含まれている場合があります。
     水拭きをしただけではウイルスを落としきれず、やりかたによっては、
     逆にウイルスを散らしてしまうこともあります。
     アルコール消毒剤や次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒剤などを十分に含ませて
     しぼった布等で、一筆書きのように1方向で拭くことをお勧めします。
     できれば高い場所から低い場所へ拭くとよいです。

 


 

  職場のトイレを使用するときの注意点はなんですか?

   便や尿にはウイルスが含まれることがあります。
     新型コロナウイルス感染症対策専門家会議でも、トイレでの
     感染リスクが比較的高いとして注意喚起しています。

     感染していても症状が出ない方もいますので、そういった方が
     職場のトイレを使用しているかもしれません。接触感染を防ぐため、
     排泄後に手を洗い消毒液を使用し、トイレを使用している最中は目や口、
     鼻を触らないようにしましょう。
     トイレ内でスマホをいじれば、やはりウイルスが付着している可能性が
     あります。スマホも適宜アルコールシート等で拭くといいですね。

 


 

  職場の喫煙室で新型コロナウイルスに感染する危険性はありますか?

   タバコを手にしているときはマスクをしていません。
     限られた空間で複数の方が利用する喫煙室は、「3つの密」の
     状態が生じる可能性があります。

     また、タバコを吸う方は、慢性的に肺胞や気管支などに炎症を
     起こしていることも多く、新型コロナウイルスに感染しやすく、
     また重症化する率が高いとも言われています。

 


 

  新型コロナウイルス感染症は致死率が低いのに、
     どうして世の中はあんなに騒いでいるのですか?

   新型コロナウイルスの感染症は、新しい感染症なので、
     抗体を持っている人が少なく世界的な大流行となっています。
     ワクチンの開発は進展してますが、まだ後期の治験の段階で
     完成していません。抗ウイルス薬のレムデシビルは承認されましたが、
     重症者を対象とした薬であり、副作用のリスクもあるため、現時点では
     広く使えるものではありません。
     つまりワクチンや簡易に使える特効薬はまだないという状況です。

     現在の行っている治療は対症療法と呼ばれるもので、発熱や痛みがあれば
     鎮痛解熱剤や消炎剤を投与し、肺炎がひどくなれば酸素の投与、食べられ
     ないといった方へは点滴を行うなどです。そのように全身状態をサポート
     している間にウイルスに対する抗体が作られるようになり、ウイルスが排除
     されて治っていきます。

     全感染者の致死率は低めかもしれませんが、持病のある方や高齢者などが感染
     すると致死率は上がります。自分の感染に気付かない元気な方が、活発に行動し
     ウイルスを散らすことで、ハイリスクの方へ感染させてしまうことが一番心配なのです。

 


 参考資料:厚生労働省,新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
      令和2年7月27日時点版(企業の方向け)令和2年7月10日時点版
      亀田高志,図解新型コロナウイルス職場の対策マニュアル
      NHK特設サイト新型コロナウイルス,専門家会議「新しい生活様式」の実践例
      日本生活習慣病予防協会ホームページ,最近の関連情報・ニュース(2020年04月25日)


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