Q4-1. 長時間労働者の問診票
Q4-1.
残業時間50時間を越えた方についての問診を依頼されることが見られるようになって来ました。いままでは各企業で独自の健康診断票として用意されていましたが、これのひな形か指定の用紙があれば教えて下さい。

A4-1.
労働安全衛生法がこの(平成18年)4月から改正され、「長時間労働者への医師による面接指導」が創設されました。
お問い合わせはこの面接指導に使うためのチェックリストの件ではないかと推察申し上げ、それをメールに添付しようとしましたが、重すぎてサーバーエラーになってしまい送信できませんでした。恐れ入りますが、下記のアドレスから直接ダウンロードしていただけないでしょうか?
► 産業医学振興財団HP
► 厚生労働省HP

もし違っていましたら、改めて詳しくお問い合わせいただければ探しますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

Q4-2. 派遣労働者に関する医師による面接指導は誰が行いますか
Q4-2.
派遣労働者が派遣先の事業所で長時間の時間外労働をして過労死した場合は、当然派遣先の事業所に責任が及ぶものと考えられます。とすれば、派遣労働者が月に100時間を超える時間外労働をしたときの医師による面接指導は派遣先の事業所の産業医が行うべきでしょうか。それとも派遣元の事業所の産業医が行うべきでしょうか。

A4-2.
厚生労働省労働基準局長が発した平成18年2月24日基発 第0224003号 厚生労働省労働基準局長通達によれば、「派遣労働者に対する面接指導については、派遣元事業主に実施義務が課せられるものである」しています。ということになれば、派遣元の事業場の産業医が行うべきであるということになりますが、派遣先における業務内容、作業条件、作業環境、人間関係などの労働環境を知る立場にあるのは派遣先の産業医ですから、派遣先の産業医が面接を行なうことの方が現実的でもあるように思われます。
一方、当該労働者の定期健康診断のデータなどは派遣元にありますから、派遣先の産業医が面接を行なう場合には、定期健康診断のデータなどの健康状態を把握するための情報を入手する必要もあります。
いずれにしても、面接指導が適正に行われるためには、派遣先・元の双方の産業医間の連絡や連携が大切になるでしょう。 通達でも、面接指導を実施した医師が、当該面接指導を受けた労働者の所属する事業場で選任されている産業医でない場合には、(事業者は)面接指導を実施した医師からの意見聴取と併せて、当該事業場で選任されている産業医の意見を聴取することも考えられること、としていますので参考にしてください。
ちなみに、派遣先の産業医が面接指導を行った場合でも、労働安全衛生法では派遣元事業者に面接指導の実施の義務を課している以上、面接指導の費用については、特段の定めのない限り、当然、派遣元事業者が負担すべきものであることはいうまでもありません。

Q4-3. 医師の面接指導を受けない労働者
Q4-3.
労働安全衛生法第66条の8に基づく医師の面接指導について、会社としては、対象者全員に受けさせたいと考えていますが、労働安全衛生規則第52条の3によれば、面接指導は要件に該当する「労働者の申出」により行うものとなっています。
医師の面接指導を受けたくないという労働者に、この申出させるにはどうしたらよいでしょうか。

A4-3.

平成31年4月1日に施行された改正労働安全衛生法において医師の面接指導は

 (1)時間外休日労働時間が1週当たり40時間を超えて行う労働が1月あたりで80時間を超え、疲労
   の蓄積(労働者からの申出があったもの)が認められた労働者(労働安全衛生法第66条の8)

 (2)時間外休日労働時間が1週当たり40時間を超えて行う労働が1月あたりで100時間を超えた
   研究開発業務従事労働者(労働安全衛生法第66条の8の2)

 (3)1週間当たりの健康管理時間(事業場内にいた時間+事業場外で労働した時間)が40時間を超
   えた場合におけるその時間について1月当たり100時間を超えた高度プロフェッショナル制度
   従事労働者(労働安全衛生法第第66条の4の2)

 に該当する場合に医師による面接指導を行うことを義務付けています。

 このうち(2)(3)については労働者からの申出がなくとも面接指導を実施することを義務付けたものですが、(1)については確かに労働者が「申出」を行うことが要件となっています。

しかし「過労死」が社会問題化する中で、もともと生活習慣病と呼ばれていた脳・心疾患が、それが業務によって著しく増悪した場合には労災補償の対象になったり、民事損害賠償の対象になったりして、その意味ではもはや個人の問題とは言えなくなってきました。
つまり、使用者にはきちんと労働者の健康管理を実施し、過重労働によって病変が増悪しないように配慮する義務が課せられるようになってきたものですから、労働者が「申出」をしないからといって、安穏としてはいられません。
では、どうして労働者は面接指導を「申出」しないのでしょうか。様々なケースが考えられますが、原則は、申出をしない労働者の事情や目的にしたがって「説得」してゆくしかないと思います。
例えば、同法66条の8第2項但書きで、事業者の指定する医師でなく自分が希望する医師による面接指導を受け、その結果を証明する書面を提出することも可能とされていますので、該当する労働者に主治医がいる労働者の場合であれば、そうした方法を認めてやればよいと思います。
また会社の産業医は、要件に該当する労働者に対して、申出を行うよう勧奨することができることになっています(規則52条の3)から、産業医としても積極的に面接指導をうけるよう説得すべきでしょう。

さらに労働安全衛生法第66条の9では事業場で定める基準に該当する労働者や高プロフェッショナル制度従事者で申出があった労働者についても面接指導の実施、又は面接指導に準じる措置を講じるように努めなければならないとしています。

つまり、”申出をしない労働者”については、会社で定める「基準に該当する労働者」として、面接指導又は面接指導に準じる措置を講じることが可能なのです。
今回の改正では、あくまで本人の申出があった場合に医師の面接指導を受けることとなっていますが、労働者によっては職場環境や仕事の停滞を恐れるあまりに申出をしない可能性も考えられるため、こうした規定を設けたものと考えられます。

このように会社としても、長時間労働を行っているものに対して、場合によっては業務命令として面接指導を受けるように指示することが必要になってくると考えられます。
使用者が安衛法上の労働者の健康の保持増進のための措置を確実に行えるようにするためこれらの措置を課しているのですから、業務命令として面接指導等を受けるように指示することは、その必要性および手段の合理性の観点から当然是認されるものと考えます。

それでもなお、面接指導等を受けない場合はどうなるでしょうか。
「脳・心疾患で倒れても、おまえの責任だ」というのは大人気ないとしても、何度も説得や勧奨を繰り返したにもかかわらず本人が面接指導を拒否すれば、使用者は民事上の安全配慮義務を免れる(少なくとも、医師による面接指導を申し出ないまま過重労働による健康障害が発生しても過失相殺が認められる)という考え方はあり得るでしょう。
但し、この場合でも労災補償は認定基準に基づいて客観的に行われますから、本人の受診拒否によって労働基準法上の補償責任を免れるということはありません。念のため、申し添えます。

Q4-4. 医師の面接指導 労使で労働時間数が異なる場合は
Q4-4.
残業などを月に100時間を超えて行った労働者が申出をした場合は、医師による面接指導を行うことが義務付けられています。
ところで、会社に報告された残業時間数は100時間を超えていませんが、本人は100時間を超えて残業を行ったと主張しています。確かめるには時間がかかります。どうしたらよいでしょうか。

A4-4.
作成中

Q4-5. 産業医です。高ストレス者の面接指導の結果、
Q4-5.
労働者に口頭で精神科の受診を勧奨したのに、労働者が正しく理解せず、内科を受診してそのままになってしまうかもしれません。
面接指導マニュアルでは面接指導実施結果(記入例)には「専門医を受診・・・」と記載されているが、「専門医」が何を指すのか明確にするために「精神科を受診・・・」と記載してもよいでしょうか。

A4-5.
「面接指導の結果に関する情報を事業者に提供するに当たっては、必要に応じて情報を適切に加エすることにより、当該労働者の健康を確保するための就業上の措置を実施するため必要な情報に限定して提供しなければならないこととし、診断名、検査値若しくは具体的な愁訴の内容等の加工前の情報又は詳細な医学的情報は事業者に提供してはならない」(ストレスチェック指針)とされており、精神科の受診勧奨は就業上の措置を実施するため必要な情報に該当しないので、面接指導実施結果に記載することは適当ではありません。

Q4-6. 産業医です。高ストレス者の面接指導について、
Q4-6.
面接指導の時に産業医が作成した書面(チェックリストやメモ等)は、どのように保管すればよいのでしょうか。

A4-6.
チェックリストやメモ等は「ストレスチェック実施結果」に該当しないため、ストレスチェック実施者(実施事務従事者)は保管することができません。また、事業者に報告されない事項が含まれるので、事業者が保管することもできなません。したがって、書面を保管する場合は産業医が保管することになると思われます。

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