Q10-1. 化学物質が目に入った時の処置について相談します
Q10-1.
多くの化学物質を使用しており、強アルカリ性の液体も使用しています。作業時にはゴーグルを着用しています。
どのような洗浄液を備えておけばよいでしょうか。また、留意点をご教示ください。

A10-1.
洗浄液は「大量の水(水道水)」になります。洗眼器を備え付けることは特定化学物質障害予防規則 第38条 で設置が義務付けられていますので、設置していない場合は対応してください。
大量の、という言葉に定義は残念ながらありませんが、概ね2L以上、というのが日本では共通認識のようです。ですので、洗眼器設置が義務ですが、仮処置として2L以上の水を貯えておくのも良いと思います(あくまで暫定)。
ちなみに米国基準American National Standard for Emergency Eyewash and Shower Equipment では、1.5L/分の水で15分間とあり、22.5Lの水が必要になりますので、水道につなぐように推奨、となっております。
また設置場所も当基準では15秒以内、とありますのでご参考まで。
生石灰は水と反応して発熱とアルカリ腐食が起こるため、疑問に思われる方も いるようですが、生石灰であったとしても、初期対応は大量の水、で構いません。

Q10-2. 有機溶剤や特定化学物質に関する情報を得る時に適したサイトや書籍はありますか?
A10-2.
一般財団法人化学物質評価研究機構の公開データベースに化学物質の工業の用途、生体影響や代謝、引用元まで詳しく記載されています。まず「労働衛生のしおり」の一覧表で確認してから、このサイトを利用してはいかがでしょうか。
また、基本的な事項の学習については、作業主任者テキスト(中央労働災害防止協会)及び第一種衛生管理者テキストを読むことをお勧めします。
さらに詳しく有害性について調べる場合は、「産業安全保健ハンドブック」(労働科学研究所)、「目で見る職業病と労働環境」(中央労働災害防止協会)、「中毒百貨」(南江堂)、「中毒ハンドブック」(メディカルサイエンスインターナショナル)、「急性中毒標準診療ガイド」(日本中毒学会)、「職業病その実態と対策」(絶版:職業病対策研修会編)が、お勧めです。

情報・資料