令和3年4月1日

平成5年に、勤労者の健康維持と安全向上を目的に産業保健推進センターの整備が始まり、茨城産業保健推進センターは平成9年に開所しました。その後平成25年には茨城産業保健推進連絡事務所と名称を変更し、さらに平成26年に、茨城産業保健総合支援センターと再度名称を変更し現在に至っています。

勤労者の労働災害や業務上疾病の予防のために、産業保健に関する専門的相談、産業医に対する研修、その他の産業保健活動に対する研修や広報活動をしています。

国や事業場の産業保健活動により、作業環境等の改善がなされ労働災害は年々減少しています。しかしながら、近年は過重労働の影響でメンタルヘルスの不調を訴える人や脳血管疾患、循環器疾患などが増えてきています。

また、医学の進歩により今や、「がん」さえも不治の病ではなくなりました。がんの治療をしながら仕事をしている人は33万人に達しています。糖尿病や高血圧などの長く治療が必要な勤労者も大勢います。仕事上の理由で治療を中断したり、職場の理解が得られずやむなく離職せざるを得なかった人もいます。

平成28年、国は「事業場における治療と仕事(職業生活)の両立支援ためのガイドライン」を作成し、長期的な治療を要する勤労者を支援することにしました。

特に、治療と仕事の両立支援を推進するため、事業者と医療機関がお互いの支援における役割、考え方等を理解することが重要であるため、平成30年から「企業・医療機関連携マニュアル」を作成して、がん、脳卒中、肝疾患及び難病の事例に対する手法を示し、活用をお願いしているところです。

疾病を抱える勤労者が適切な治療を受けながら仕事を続けることにより生きがいを感じることができます。事業者にとっては人材資源の喪失防止、労働者のモチベーションの向上による人材の定着・生産性の向上、さらには健康経営や社会的責任の実現により高い評価をうけます。

当センターは、勤労者が職場の理解や支援を得ることができるように、メンタルヘルス対策および治療と仕事(職業生活)の両立支援を二大テーマとして活動しています。

茨城産業保健総合支援センター
所長 諸岡 信裕