2020年8月号 『コロナ禍で「運動不足」?!が心配です。』

新型コロナウイルス感染症の影響で、職場ではオンラインでの会議、テレワーク、プライベートの行動制限など、座っている時間が長くなっていませんか?

また、職種にもよりますが、朝出勤してから退勤するまでほぼずっと座りっぱなしでパソコンと向き合うという人も多いです。
体を動かさず座っている時間が長いと
「運動不足=身体不活動の状態になり、
                     健康に悪い影響があります。



 1 身体不活動が死亡の危険要因

 死亡の危険因子として、身体活動や運動を日常的に行わない「身体不活動」が
 上位にあることが、WHO(世界保健機関)から報告されています。
 順位でいうと、1位 高血圧 2位 喫煙 3位 高血糖 4位 身体不活動 5位 肥満
 6位 高コレステロールとなります。

 身体不活動は肥満や高コレステロール(脂質異常)よりも、危険なこととされています。



 2 長く座りすぎると死亡リスクが高まる

 45歳以上の男女を対象にオーストラリアで実施された22万人の調査で、
 1日に座っている時間が4時間未満の人に比べ、8〜11時間の人の死亡
 リスクは15%増、11時間以上だと40%増になるという報告がありました。
 日本人の平均座位時間は世界最長と言われ約7時間です。
 平日の座りすぎは、土日に多少運動したとしても、健康リスクは簡単には
 下がらないという調査結果も出ています。

 足の筋肉は、人体の筋肉の約7割を占めます。その7割が動かないため、
 血管を圧迫して血液を上へ押し上げてくれる筋肉のポンプ作用がにぶり、
 代謝機能が低下するためです。


3 対策は?

 「長時間座りっぱなし=動かない状態」を作らないことが大事です。
 具体的には、定期的に立つ、歩くといった動きをすることです。

 理想は、30分に1回、立ち上がること。
それが難しい場合は、1~2時間ごとに10分
程度、軽く動く
だけでもリスクを軽減する
ことはできます。
※出典:産経新聞

 歩き回ることができない場合は、その場でスクワット、かかと上げ、足踏みなど行うと
 解消できます。トイレに立つだけでもいいので、ぜひ座りっぱなしにならないよう
 気を付けましょう。

 どうしても座っていることが多くなりがちな昨今です。とにかく動く時間をつくりましょう。


 参考資料:世界保健機関,Global action plan on physical activity 2018-2030
      スポーツ庁Web広報マガジン,日本人の座位時間は世界最長「7」時間!
      座りすぎが健康リスクを高める あなたは大丈夫?その対策とは・・・
      中央労働災害防止協会,すわりっぱなしのはなし

 ▶ 保健師の庭 TOPへ戻る