2021年4月号『笑顔は「不安」を救う』
新年度になりました。年度切り替えの時期は、人や、仕事、体制などが変わることが多いですね。新入社員が入ってきたり、人事異動で上司や部下、同僚が変わったり、新しい業務に取り組むことになった人もいるかもしれません。この時期は寒暖差が大きく、自律神経が乱れる“春バテ”の季節です。更に環境の変化が追い打ちをかけるため体調が悪くなる方がいます。
「新しいことにワクワク感が止まらない方」もいれば、「不安がつのって不安定になる方」、また「どっしりと構えてものおじしない方」、様々なタイプがいますよね。心配なのは、不安でいっぱいの方です。そのような方に、笑顔の効能をお伝えします。
1 笑顔は人をつなぐ
人は誰でも、無意識に他人の雰囲気や感情などを読み取っています。「口数が少なく、むっつりしている人」と「ニコニコしている人」がいたとしたら、どちらに話しかけたいと思いますか?もちろんニコニコしている方だったら安心して話しかけられますよね。笑顔は人と人とをつないでくれます。普段からあまり笑顔ではない方が、ニコニコするのはハードルが高いかもしれません。そのような方は、口角をほんの少し上げる、顔を上げるだけでも、印象は変わるものです。
そして、人間はミラーニューロンという「共感する神経細胞」を持っており、他人の動作を見て、「鏡」のように同じ反応をする性質があります。人の笑顔をみると無意識に自分も笑顔になり、周りの人たちに連鎖していきます。みんなが、にこやかに仕事をしている職場って理想ですよね。
2 口角を上げると不安がやわらぐ
普通は、楽しいから笑うのですが、笑う表情になると楽しくなるという、みなさんが通常考えるパターンと逆の効果があります。つまり表情を先に作るとそれに気持ちが影響されるのです。口角を上げたり、作り笑いをするだけでも、脳は楽しい気分を生み出すということが様々な研究で証明されています。
いろいろな不安を抱える春かもしれませんが、たとえ笑顔になるネタがないときでも、積極的に口角を上げてみるのもよいと思います。気持ちが落ち着くかもしれませんよ!
3 笑顔で免疫力up!
環境の変化にストレスはつきもので、ストレスは免疫力を弱めます。
笑顔が免疫力を高める効果があることは、以前の健康保健だよりでもお伝えしました。人間の体には、病原体から自身を守るNK細胞(ナチュラルキラー細胞)という免疫細胞があり、この細胞が減少すると免疫力が低下してさまざまな病気にかかりやすくなります。がんも発症させてしまうと言われています。笑顔・笑いには、このNK細胞を活性化させて、免疫力を上げる効果があるのです。
マスクで口元が隠れて笑顔が見えにくい昨今ですが、笑顔を習慣にしていくと、気分も体調も上がっていきますよ!