2021年8月号『真夏の睡眠、すっきりと目覚めるためには!』

  朝起きると、汗びっしょりだったり、体がだるかったり、夏の目覚めには、トラブルがつきものです。暑くて夜中に起きたり、普段よりも早く起きたりしていませんか?浅い眠りや、早朝に目が覚めてしまうことは、睡眠不足につながります。

 睡眠不足が続くと、体温の調節機能が低下するので、熱中症になりやすくなることが分かっています。

 今回の健康保健だよりは、真夏でもしっかり寝て、すっきりと目覚めるコツを御紹介します。

 

1 深部体温(体の内部の温度)を上手にコントロール

 人間は体の深部体温が下がると寝つきが良く、熟睡できます。

 睡眠時間は、7時間くらいが理想ですが、最も大事なのが、最初の4時間で、この4時間の間に2回以上深い睡眠が訪れると、大半の疲れが取れると言われています。そのためには、入眠に向けてその条件を整えていく必要があります。

 ①湯船に浸かる

 入浴をシャワーだけで済ませる方もいますが、湯船に浸かることをお勧めします。血管が開くことで入浴後に熱が放散され、深部体温を下げることにより、体が休息状態に入ります。睡眠2時間前に入浴すると、寝つきが良くなり、中途覚醒が少なくなることも知られています。

 ② エアコンを上手に使う

 夜にエアコンのタイマーを設定して寝ていますか?

 睡眠中は、深部体温が下がり続けますが、夜中の2~4時が最も低くなり、覚醒に向けて体温は上昇します。タイマーの設定時間が短いと、睡眠中にエアコンが止まり、気温が上がるにつれ、体温も上がり、汗をかきながら目覚めることになります。寝る前から室温を下げておき、タイマーを3~4時間に設定し、タイマーが切れて気温が上がる頃に、目覚める時間となるように調整すると気分よく起きられます。

 

出典DAIKINホームページ 熱帯夜の困りごと解決法

2 夕方以降はうたた寝しない

 会社から帰る時の電車の中や、帰宅後の食事の後などでうたた寝をしてしまうと、夜の睡眠の質は落ちてしまいます。ちょこちょこ寝を挟むよりも、一気に寝る方が、熟睡できます。昼寝をするのは、遅くても午後3時までとして、20分未満とするようにしましょう。

 

3 朝日を浴びる

 夏に限らずよい睡眠のためには、きちんと朝日を浴びることが大切です。朝日を浴びると、脳の神経伝達物質の働きで、日没以降徐々に眠くなり、すんなりと眠ることができるサイクルになります。朝起きたら、すぐにカーテンを開けて、朝日を浴びましょう。休日に昼過ぎまで寝てしまうと、このサイクルが乱れて夜に寝付けなくなり、出勤日の朝からぐったりということもあるので、休日でも寝坊するのは、いつもの起床時間より1時間プラスくらいまでにするとよいでしょう。

 

4 ストレスは睡眠に影響

 ストレスは、自律神経のバランスを崩します。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、意識しなくても、24時間体のあちこちで活動しています。交感神経が優位になると、ある種の興奮状態となり、眠気も覚め活動モードになります。

副交感神経が優位になると、リラックス状態になり眠気が生じます。昼間は交換神経が優位であり、夕方から夜に向かってだんだんに副交感神経が優位になってきます。このリズムが、ストレスによって乱されてしまうと、浅い眠りが多くなり、夜中に何度も目が覚める、早朝に目覚めてしまうなど、横になっているのに、寝た気がしないという状態になります。ストレスの解消こそ、睡眠対策になります。

 

 睡眠は、脳や体の細胞を修復をする大切な時間です。ちょっとした工夫によって、良質な睡眠を確保できるといいですね。

 


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