2021年9月号『新型コロナワクチンに関する素朴な疑問』
世の中は新型コロナのワクチン接種の話で持切りです。
「2回目終わった。」「接種後に熱が出た。」「腕が痛くて寝返りうてなかった。」など、初めて会った人とでも、会話のネタが付きません。
巷の会話の中で、話題になる疑問について、お伝えします。
★副反応がないと免疫は付かないの?
接種することで、病気にかかりにくくしたり、重症化するのを予防したりするのが、「主反応」、本来の目的以外の反応が「副反応」です。副反応が強く出ると、免疫がしっかり付くような気がしますが、接種後に起きる副反応の強さと、ワクチンによって体内で作られる中和抗体の量には、ほとんど関係がないようです。
★ワクチンを2回接種すればマスクしなくてもいいの?
新型コロナワクチンの免疫の持続期間は、6~8箇月間との報告はありますが、集団免疫を獲得出来るのがいつになるのか分かりません。集団免疫とは、人口の一定割合以上の人が免疫を持つと、感染患者が出ても、他の人に感染しにくくなることで、感染症が流行しなくなる状態のことです。今しばらくは、マスクの着用とソーシャルディスタンスを確保する生活を続けなくてはならないようです。
★日本の会社はワクチン作っていないの?
現在接種をしているワクチンは、海外の製薬会社が開発したものです。日本でも現在数社の開発が進行しています。日本は開発の速さで、世界のトップに後れをとりましたが、技術力の点で劣っているわけではありません。国の安全保障の観点からも、国内産のワクチンがあるのは重要です。
★優先接種の対象に「肥満」があるのはなぜ?
接種の優先接種に肥満(BMI30以上)があります。重症化を招く基礎疾患と並ぶ「肥満」は、太っていることがリスクになるのか不思議に思うかもしれません。
肥満の人は、脂肪組織に慢性的な炎症が起こっています。そのため、新型コロナウイルス感染症に罹患して、気道に炎症が起こると、脂肪細胞の炎症がさらに悪化するので、重症化に結び付きやすいと考えられているからです。生活習慣病予防の観点からも、肥満を解消することは大事です。