2022年6月号『「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは~熱中症予防は暑さへの体の準備も重要~』

 暑くなってまいりました。
 社員の熱中症予防のために、会社として様々な取組を始めていることと思います。

 6月は、天気が悪く涼しい日もありますが、晴れた日は気温が非常に高くなるときがあります。
体が暑さに慣れていなく、気温が急上昇するときは、熱中症が増えるタイミングです。
 徐々に体を暑さに順応させることを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいますが、暑熱順化により体温調節が上手くできるようになると、同じ暑さ指数(WBGT)であっても熱中症になりにくくなります。 


1.熱中症に注意が必要な時期

 以下は、急な暑さに体が対応することができず、熱中症を発症しやすい時期です。

 (1)5月の暑い日

 (2)梅雨の晴れ間

 (3)梅雨明け

 (4)お盆明け

2.暑熱順化にかかる期間と体の変化

 環境省は、体が暑さに慣れる「暑熱順化」は、約2週間くらいで完成するとしています。目標となる状態は、①発汗量が増え、②汗に含まれる塩分濃度が低下し、③皮膚血管が拡張し、④循環血液量の増加するというような状態です。

 トレーニングすることで、約3日後から徐々に効果が現れ、約1週間でほとんど順化されたと言える状態になると言われています。意図的に暑さへの対応力を増すことができます。

気になるトレーニング方法は…?

3.暑熱順化トレーニングとは

 環境省では、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる程度の運動(ウォーキングなど)を毎日30分ほど続けるとしています。人により体力は違いますので、30分のウォーキングもできない方もいます。そのような場合は、入浴でも効果があります。40℃程度の湯船に浸かります。汗をかく体にすることがポイントなので、汗が出るまで浸かると効果があります。大体15分程度浸かるとよいです。

 その結果、暑さに対して負担なく過ごせるようになり、夏バテや体のダルさを防ぐことができます。

いつも実施している熱中症予防策に加えて、涼しいうちから暑さへの準備をして、夏の熱中症災害を減らしていきましょう。

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