いばらき産保ニュース第131号

発行日:2016年9月26日

ホームページ:http://ibarakis.johas.go.jp/
発 行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健総合支援センター 所長 小松 満


【新着情報】

【お知らせ】

【これから受講できるセミナー案内(無料) 9月29日~11月開催セミナー】

【コラム:水戸南町3丁目だより】

新着情報

▼《重要》労働安全衛生法に基づくストレスチェックについて

平成28年11月30日までに実施しなければなりません。

詳しくはこちらをご覧ください。 (厚生労働省のHPにリンクします。)

ストレスチェック検査結果については、面接指導を実施後に労働基準監督署に検査結果報告書(「心理的な負担の程度を把握するための検査報告書」)を提出してください。

報告用紙は、こちらをご利用くださいPDF (厚生労働省のHPに掲載されたファイルにリンクします。)

● メンタルヘルス対策の専門家(産業カウンセラー、社会保険労務士等)が、事業場を直接訪問し、メンタルヘルス対策の一環として、ストレスチェック制度の導入に関して、「何から取り組むか」、「導入方法」などについて、各事業場の状況に合った具体的なアドバイスをする支援を無料で行っています。

詳しくはこちらをご覧くださいPDF

▼「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムバージョンアップ(Ver.1.3)が公開されました。

▼「平成28年度 化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会報告書(第1回)」が公表されました。

オルト-トルイジンを規制対象とし、製造・取り扱い業務について健康障害防止措置を事業者に義務付ける必要があると結論が出されました。

詳細はこちらご覧ください。 (厚生労働省のHPにリンクします。)

▼ストレスチェック制度関係Q&Aが更新されました。

詳細はこちらご覧くださいPDF(厚生労働省のHPに掲載されたファイルにリンクします。)

▼「STOP!転倒災害プロジェクト茨城」

平成28年7月末現在、転倒災害は昨年同期に比べ増加となりました。

転倒災害防止対策 :詳しくは、こちらをご覧ください。 (厚生労働省のHPにリンクします。)

【お知らせ】

ストレスチェック助成金

  • 事業場登録の期日は11月30日です。
  • 助成金に関するお問い合せ ストレスチェック助成金 ナビダイヤル: 0570-783046  
    受付時間 平日9時15分~18時 (土曜、日曜、祝日休み)
  • Q&A(企業規模が50人以上で50人未満の事業場がある場合)

Q1 当社では労働者数50人未満の営業所が5か所あります。助成金の登録は、営業所ごとに行うのですか?

A1 営業所ごとに登録してください。

Q2 当社では、営業所も含め、企業として産業医契約を締結しています。
    産業医契約書は1通のみ作成しています。産業医契約書は営業所ごとに必要ですか?

A2 原則として営業所ごとに必要です。例えば、産業医契約書に「日立営業所、土浦営業所、石岡営業所を産業医契約の対象とする」と記載し、産業医契約に含まれる事業場を明示し、営業所ごとに領収証を作成する方法があります。

Q3 当社では、産業医を選任していますが、ストレスチェックを外部委託して実施しますので、産業医は実施者になりません。面接指導のみ産業医が実施します。助成金は使えますか?

A3 使えます。

Q4 ストレスチェック助成金の登録をしようと思います。
①産業医との契約書(写)②産業医の要件を備えた医師であることを証明する書類(写)③労働保険概算・確定保険料申告書等(写)に加えて、ストレスチェックの実施を外部委託する場合は④ストレスチェック実施に係る証明書⑤実施者の要件を備えていることを証明する書類(写)を添付することとされています。この「実施者の要件を備えていることを証明する書類」とは何ですか?

A4 医師免許証、認定産業医証、保健師免許証などです。

▼平成28年度「見える」安全活動コンクール

詳細はこちらご覧ください。 (厚生労働省のHPにリンクします。)

▼茨城県がん検診推進強化月間

詳細はこちらご覧ください。 (茨城県のHPにリンクします。)

▼衛生管理者のみなさま-茨城衛生管理者協議会 平成28年度研修会のお知らせ-

  • 日時 平成28年11月15日(火)13時30分~16時30分
  • 場所 茨城県産業会館 大会議室(水戸市桜川市2-2-35)
  • ※内容等の詳細は決定次第お知らせします。

▼日本歯科医師会からのお願い

日本歯科医師会では、海外派遣労働者の健康管理に寄与することを目的として、平成14年に「海外派遣労働者のために 世界の歯科事情と安心ガイド」を発行しました。このたび、改訂を行うため情報提供をお願いしています。

詳細はこちらをご覧ください

▼「産業保健21」の送付について

情報誌『産業保健21』は、産業医をはじめ、保健師・看護師、労務担当者等の労働者の健康確保に携わっている皆様方に、産業保健情報を提供することを目的として、独立行政法人 労働者健康安全機構が発行しています。当センターより無料で送付しますので、当センターホームページよりお申込み下さい。
バックナンバーの送付をご希望の方も、当センターホームページよりお申込みください。

【バックナンバー】 
77号 特集「最近よく聞く『健康経営』とは?」 
83号 特集「今後の産業保健をめぐるスムーズな連携」 
84号 特集「高齢者雇用時代における産業保健」
85号(最新)特集「リスクアセスメントの義務化スタート!今後の化学物質管理を考える」
『産業保健21』サンプル (労働者安全機構のサイトにリンクします。)
申込みは、こちらからどうぞ!
・「産業保健21」送付希望とご記入下さい。
・事業場と異なる場所への送付をご希望の際は、○○へ送付希望とご記入ください。

これから受講できるセミナー案内(無料)<平成28年9月29日~11月分>

<開催会場案内>
 水戸:住友生命水戸ビル会議室(水戸市南町3-4-10住友生命水戸ビル11階) 
 土浦:ワークヒル土浦(土浦市木田余東台4-1-1)<ワークヒル土浦のHPにリンクします。>
 鹿嶋:鹿嶋勤労文化会館(鹿嶋市宮中325-1)<鹿島勤労文化会館のHPにリンクします。> 
 日立:日立地区産業支援センター(日立市西成沢町2-20-1)<日立地区産業支援センターのHPにリンクします。>
 医師会:茨城県医師会(水戸市笠原町489)<茨城県医師会のHPにリンクします。> 
 労基協:茨城労働基準協会連合会中央安全衛生教育センター (水戸市渋井町字堺橋263-1)
     <茨城労働基準協会連合会のHPにリンクします>

開催日時 テ ー マ / 講 師 開催会場 定員
9月29日(木)
14:00-16:00
「職場で試そう口腔保健(メタボからメンタルヘルスまで)茨城県歯科医師会からの提案」 
講師:戒田 敏之 先生 
(かいだ歯科医院院長、(社)茨城県歯科医師会産業保健統括マネージャー、労働衛生コンサルタント)  
【概要】産業保健で歯科医師が法的に係るものは、歯の酸蝕症の特殊健康診断しかありませんが、産業保健の目的が、職場の健康づくりにシフトする中で、お口の中の健康状態が、様々な生活習慣病、そして、メンタルヘルス等にも影響があることが、判明してまいりました。 
今回は、茨城県歯科医師会が行っている産業保健活動を紹介し、職場での活用について、お話させて頂きます。 
水戸 30名
9月29日(木)
18:00~20:00
「放射線安全管理の実際~放射線測定機器の取扱い~」 
講師:甲斐 洋 先生 
(甲斐安全コンサルタント事務所長、元原子燃料工業(株)顧問) 
【概要】昭和32年に国内で初めて茨城県東海村に原子の火が灯ってから、県内には数多くの原子力施設が立地しています。これらの原子力施設の放射線の安全管理の実際を知ることは、県内の原子力施設を理解する上で重要です。本セミナーでは、放射線の種類、人体への影響等についてわかり易く解説し、放射線測定器具を使用しての放射線の安全管理の実際について学びます。
水戸 30名
10月4日(火)
13:30~15:30
「セクハラ・パワハラは何故起きるのか ~その予防と対策(応用編)~」
講師:皆川 雅彦 先生 
(特定社会保険労務士、公益財団法人21世紀職業財団セクシュアルハラスメント・パワーハラスメント防止コンサルタント)
【概要】ハラスメントは、働く人の個人としての尊厳を不当に傷つける社会的に許されない行為であるとともに、働く人が能力を十分に発揮することの妨げになります。また、企業にとっても職場秩序の乱れや業務への支障につながり、社会的評価に悪影響を与えかねない問題です。本セミナーでは、セクハラ・パワハラの定義や基本事項に加えて、事例や対応について分かり易く解説します。同じテーマで、前回の基本編に続き、今回は対応編で開催します。講師は、公益財団法人21世紀職業財団のセクシュアルハラスメント・パワーハラスメント防止コンサルタントの認定コンサルタントです。
土浦 30名
10月5日(水)
18:00~20:00
「心に問題を抱えた者に対して、産業医が現場でできる面接技法」
講師:中谷 敦 先生
(産業保健相談員、(株)日立製作所水戸健康管理センタ長、産業医) 
【概要】健康診断の結果に基づく措置に関しては、労働安全衛生法第66条の5に規定されており、具体的なあり方は「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」で詳しく示されています。メンタルヘルスに関する問題についても、この指針に沿った活動を行うことになります。すなわち、健康診断の結果、メンタルヘルス面から何らかの就業上の措置や職場環境の改善が必要であると考えられる例が明らかになった場合には、本人と十分な話し合いを行った上で、その旨を事業者等に提言することになります。本セミナーでは、産業医が現場でできる面接技法について解説します。
水戸 30名
10月11日(火)
14:00~16:00
「産業保健における連携のあり方 -関係性とシステムの視点から-」 
講師:大井 雄一 先生
(産業保健相談員、筑波大学医学医療系助教、労働衛生コンサルタント) 
【概要】産業保健活動においては、主治医-産業医の連携や、健康管理部門-人事労務部門の連携など、垣根を超えた様々な連携体制が重要となります。本セミナーでは、他者との「関係性」の視点から、家族療法の理論である「システムズアプローチ」を用い、事例も交えながら、産業保健における連携のあり方について、理解しやすくご説明します。
水戸 30名
10月18日(火)
18:30~20:30
「初心者でも分かる化学物質のリスクアセスメント」 
講師:岩崎芳明先生
(産業保健相談員、筑波労働コンサルタント事務所長、元(株)三菱化学アナリテック分析事業部環境分析センター長) 
【概要】平成26年の改正労働安全衛生法の内容である化学物質のリスクアセスメントが平成28年6月1日より施行されました。対象は全業種になりますので、化学物質を取り扱う機会が少ない事業所の方々には、とまどいがあるかもしれません。セミナーではリスクアセスメントの定性法である「厚生労働省の指針法」に関して、なるべく専門用語を使用しないで説明いたします。また、方法をご理解いただく近道として実習を行います。
土浦 30名
10月26日(水)
14:40~16:00
「メンタルヘルス・ケースカンファレンス」 
講師:山村邦男 先生  (産業保健相談員、山村医院院長)
【概要】参加者が提示するメンタルヘルス事例について討議を行い、産業保健相談員(精神科医:メンタルヘルス担当)が総括とアドバイスを行います。現場でメンタルヘルス対策に苦慮されている方々にとってとても参考になるセミナーです。
水戸 10名
11月2日(水)
18:30~20:30
「アクションチェックリストを用いた職場巡視」
講師:中谷 敦 先生
(産業保健相談員、(株)日立製作所水戸健康管理センタ長、産業医) 
【概要】職場巡視に行って、「何を見たら良いかわからない」「とりあえず整理整頓くらいしか指摘できない」「指摘が場当たり的で、枝葉末節な事柄ばかりになっている」と感じている方はいらっしゃいませんか? 
職場巡視は産業医の職務の中でも重要なものです。しかし、系統だって学習する機会が少ないのも事実です。そこで、今回はILO(国際労働事務)とIEA(国際人間工学会)が作成したチェックリストを用いた巡視を学びます。 
ポイントは、従来の点検リストのようなものではなく、これからどんな対策をとれば良いか、行動計画(アクションプラン)を決めることができるようになります。一言でいうならば「問題解決型」の巡視を目指します。
土浦 30名
11月7日(月)
18:00~20:00
「騒音性難聴の基礎知識と対策 ~騒音測定を実施してみませんか!~」 
講師:和田哲郎先生
(産業保健相談員、筑波大学医学医療系耳鼻咽喉科准教授 (騒音性難聴担当医) 
【概要】騒音ばく露によって引き起こされる疾病に騒音性難聴があります。騒音性難聴は、騒音の音圧レベルが高いほど、ばく露時間が長いほど、起こりやすく、一度起こってしまった騒音性難聴は現段階では治療法がありません。このため予防が大切であり、厚生労働省では、「騒音障害防止のためのガイドライン」(平成4年10月1日付け基発第546号)を示しています。本セミナーでは、実際に騒音計を使用して作業環境測定の方法や管理区分ごとの対策、耳栓の使用法についても詳しく説明します。
水戸 30名
11月9日(水)
18:00-20:00
「過重労働と医師による面接指導」 
講師:小林 敏郎先生(産業保健相談員、小林医院院長) 
【概要】働き方の多様化が進む中で、長時間労働に伴う健康障害の増加など労働者の生命や生活にかかわる問題が深刻化しており、厚生労働省の精神障害の認定基準についても、極度の長時間労働がうつ病等の原因になると記載されています。そのため、健康診断実施後の産業医の職務は重要であり、保健指導は、「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」(改正平成20年1月30日付け公示第7号)を参考にして実施されます。本セミナーでは、過重労働が身体に与える影響と医師として有所見のある労働者に対して、どのように保健指導を行えば良いか、分かり易く解説します。
水戸 30名
11月14日(月)
18:00-20:00
初心者でも分かる化学物質のリスクアセスメント 
講師:岩崎 芳明先生
(産業保健相談員、筑波労働コンサルタント事務所長、元(株)三菱化学アナリテック分析事業部環境分析センター長) 
【概要】10月18日と同じ
  30名
11月15日(火)
14:00-16:00
「過労死は防げるか、防げ得ない過労死のワケと予防への道しるべ」 
講師:松井 玄考先生
(産業保健相談員、労働衛生コンサルタント、元和歌山労働局長) 
【概要】『過労死』という言葉が世に広まって久しいにもかかわらず、未だその解消に向けて大きな効果が出ているとは言えません。それはなぜ? ビジネスの厳しい「競争」の現実と働く人の「健康」の間(はざま)にあって、人間よりも「仕事優先」せざるを得ないライン管理者の皆さん、あるいは健康相談の窓口対応される産業保健スタッフの皆さん、セミナーでは、これらライン管理者や産業保健スタッフの皆さんの悩みに沿いながら、問題解決のヒントについて考えてみたいと思います。
鹿嶋 30名
11月17日(木)
14:00-16:00
「問題解決に役立つ解決指向のコミュニケーション」 
講師:木村正治先生
(臨床心理士、くすの森心理相談室代表、茨城歯科専門学校心理学講師) 
【概要】ソリューション・フォーカスト・アプローチ(Solution Focused Approach:SFA)とは、問題の原因を追及せず、未来の解決像など構築していくことにより、結果的に短期間で望ましい変化が得られるという心理療法です。SFAは、相談者の問題に傾聴しながら、相談者自らがリソースを探索できるように様々な特徴的な質問をしていきます。今回は、支援の必要な方の指導や援助に役立つであろう質問技法など、ロールプレイなどの演習を通して学んで頂く予定です。
水戸 30名
11月29日(火)
13:30 -15:30
「事業場における発達障害者への対応について」 
講師:野口 昇子先生
(茨城県発達障害者支援センター就労支援担当)
【概要】自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠如多動性障害など発達障害の理解、就労上見えてくる発達障害の特性を踏まえて、事業場における発達障害者の対応を具体的事例により解説します。
講師は、茨城県発達障害者支援センター職員です。
土浦 30名


<産業保健セミナーを受講される皆様へ> 

 最近、産業保健セミナーの開始時間に遅刻する受講者が見受けられ、他の受講者の妨げとなっています。
 つきましては、以下の事項を守っていただくようお願いします。

  1. 受講者は、産業保健セミナーが開始される5分前には、席に着いていただくようお願いします。
  2. 日本医師会認定産業医制度産業医学研修会の単位については、開始時間に遅れた場合、会場に入れないことがありますので、特に注意してください。

<産業保健セミナーの受講を申し込まれた皆様へ>
 産業保健セミナーの受講を申し込まれても受講されない方が見受けられ、他の方に迷惑を及ぼしています。
 つきましては、以下のようにさせていただきますので、ご了承ください。

  1. 欠席される場合は、必ず当総合支援センターに電話・メール等でご連絡ください。
  2. 欠席が目立つ方は、ご連絡をさせていただき受講をお断りする場合があります。

<認定産業医の皆様へ> 
 現在お持ちの生涯研修手帳(3~5年前更新時に発行された手帳)の番号と産業保健セミナーでお渡ししている日医シールの番号が若干違っています。これは平成22年度版から日医産業医制度実施要綱が改正になっているためです。番号が違っている場合は、似た項目のところに貼っていただければ手帳の更新時に茨城県医師会で確認します。

※ 先着順になりますので、お早めにお申込みください。

※ 有料駐車場をご利用の場合、参加者のご負担となりますので、ご了承ください。
    できるだけ公共交通機関をご利用ください。

※ 受講のお申込みは、当総合支援センターのホームページ、FAX、メール等でお申込みください。

※ セミナーに関する講話の概要並びに主な受講対象者、日本医師会認定産業医制度の単位認定研修、講師等セミナーについての詳細はこちらをご覧下さい。

総合支援センターからのお知らせ

▼産業保健の「相談」をお待ちしています!! 
 当総合支援センターでは産業保健に関するあらゆるご相談に応じています。電話、FAX、メールでも結構です。(※「メール」が便利です。)費用は「無料」ですので、お気軽にご相談ください。また、「個人情報」は守られていますので、ご心配いりません。最近はメンタルヘルスに関する相談が大変増えてきました。

※相談フォームはこちらをご利用ください。

情報誌「産業保健21」のご利用案内
独立行政法人労働者健康福祉機構が編集・発行している情報誌「産業保健21」の配送先変更については、FAX等にてお知らせください。 
「産業保健21」は、産業医、産業看護職及び衛生管理者の情報ニーズに応えた情報誌です。産業保健業務に携わっている方で、ご希望の方には無料で送付いたします。

詳しくは、こちらをご利用ください。労働者健康福祉機構本部のHPにリンクします。

コラム 水戸南町3丁目だより

労働衛生専門職から

▼防毒マスク吸収缶の交換が容易にできます ~防毒マスク吸収缶の管理~

防毒マスクの『吸収缶』の交換時期の目安については、防毒マスクの取扱説明書及び破過曲線図、作業場所における有害物の濃度、作業場所の温度・湿度等により、あらかじめ使用時間を設定し、その使用時間を超えて使用させないこととの説明がなされていますが、実際のところ、説明書をみても、良く分からないのが実情ではないかと思います。現場で同一の塗料・希釈剤、同種の防毒マスク・吸収缶を使用することで塗装作業など有機溶剤業務が行われるのであれば、『見える化』に沿って、もっと確実で、簡便な吸収缶の交換ができますので、ご紹介します。

吸収缶の活性炭にトルエン、キシレンなど有機溶剤などは気中にガス状態で軽いと思われがちですが、『破過』(これ以上有機溶剤を吸着できない状態で、マスクをしていてもしていないと同じで有機溶剤を通過させてしまう状態。)の状態まで吸着されると、吸収缶は、吸収缶の活性炭にトルエン、キシレンなど有機溶剤が吸着し、吸収缶が重くなります。

ちなみに、防じんマスクのフィルターに粉じんが吸着し、防じんマスクが重くなりますが、見た目では防じんマスクのフィルターの方が重くなるように思いがちですが、比較すると防毒マスク吸収缶への吸着の方が重くなります。

当支援センターの産業保健相談員であった木村先生が行った実際の作業現場での調査研究では、同種の吸収缶で同じ塗料を使用し塗装作業を行って、各吸収缶の質量を確認すると、18gから20g増加が確認されました。調査研究の事業場においては、吸収缶の質量を作業開始前ごとに確認し、18gを超えていれば『破過』しているとみなし、吸収缶を交換することで確実で簡便な、効率的な交換ができるようになりました。

調査研究結果を踏まえて、同種の吸収缶を使用しているのであれば、塗装作業場等有機溶剤業務を行っている作業場では、これまでの使用済みの吸収缶をさらに2週間から1か月間有機溶剤が浮遊する塗装作業場に放置し、吸着限界の質量を複数測定することで破過状態の吸収缶の質量値を確認し、その質量値を基準に吸収缶を交換することで確実で簡便な交換ができます。

平成28年度の職場訪問で実際に確認してみると、防毒マスク小型の吸収缶(37g)で10gの増加、大型の吸収缶(80g)で20gの吸着質量増加が確認されています。

なお、使用した吸収缶は環境の湿度の影響を受けて質量が増加することがあるのでタッ パー等密閉容器に入れて保管してください。

次回の第132号は、平成28年10月配信予定です。

編集内容等に関するご意見・お問合せなどをお寄せください。

バックナンバーは、こちらを ご覧ください。
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