いばらき産保ニュース 第15号

発行日:2008/2/4
ホームページ:https://ibarakis.johas.go.jp/
発  行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健推進センター 所長 小林 敏郎


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【新着情報】
【センターからのお知らせ(お役立ち情報等)】
【新着教材情報】
【産業保健Q&A】
【主なセミナー案内】
【コラム:水戸南町だより】

新着情報

5年後の死亡災害20%以上減少と定期健診の有所見率減少を目標に
/11次災防案

平成20年度から25年度を目標年度とする5カ年計画、第11次労働災害防止計画(11次防)の案が、 1月24日に開催された第33回労働政策審議会安全衛生分科会において厚生労働省から示されました。
計画目標である労働災害の減少率については、平成24年において、平成19年と比べて死亡災害については20%以上 、死傷者数については15%減少させるとしています。 また、定期健康診断における有所見率の増加に歯止めをかけ、減少に転ずることを目標としています。
また、重点対策として以下の8つの重点対策が盛り込まれています。
イ 危険性又は有害性等の調査等
ロ 化学物質における「危険性又は有害性等の調査等」
ハ 機械災害の防止
ニ 墜落・転落災害の防止
ホ 粉じん障害の防止
へ 化学物質による健康障害の防止
ト 労働者に対する健康診断
チ メンタルヘルス
11次災防案の全文はこちら↓
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/dl/s0124-4a.pdf
【関連セミナー案内】
テーマ:防じんマスクの適正な選び方・有効な使い方
日 時:20年2月21日(木)午後2時~4時 茨城産業保健推進センター研修室にて
概 要:防じんマスクの選択に当たっての留意点、マスクを着用するとき顔面と面体との密着性を確認する方法等について実習。

テーマ:特定健診・保健指導と運動プログラムの指導方法について
日 時:20年2月23日(土)午後3時~5時 茨城県民文化センター分館 集会室8号
概 要:健診結果と生活習慣との関連、及びメタボリックシンドローム対策につながる運動プログラムについて学習。

「特定健診及び特定保健指導の実施に関する基準」に関する大臣告示

「特定健診及び特定保健指導の実施に関する基準」に関する大臣告示が先月24日、厚生労働省のホームページに公開されました。 特定健康診査の除外対象となる者や腹囲検査の省略基準などが示されています。

  1. 特定健康診査の除外対象となる者
  2. 医師が必要と認めるときに行う健診項目及び実施の基準
  3. 腹囲検査の省略基準
  4. 特定保健指導の対象者となる者(階層化)の基準
  5. 特定保健指導(動機付け支援、積極的支援)の実施方法
  6. 食生活の改善指導又は運動指導に関する専門的知識及び技術を有すると認められる者
  7. 特定健診・特定保健指導の外部委託基準

このほか、「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」、「特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集」なども 相次いで公表されています。
詳しくは
「特定健診及び特定保健指導の実施に関する基準」に関する大臣告示↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03i.html
「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03d.html
「特定健康診査・特定保健指導に関するQ&A集」↓
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03e.html
【関連通達】
労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行及び平成10年労働省告示 第88号(労働安全衛生規則第44条第3項の規定に基づき労働大臣が定める基準を定める件)の一部を改正する件の適用について (平成20年1月21日 基発第0121001号)↓
http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-49/hor1-49-2-1-0.htm

約半数の企業が従業員の不満に「相談窓口」設置/労働政策研究・研修機構調べ

独立行政法人労働政策研究・研修機構がまとめた調査結果によりますと、約半数の企業が従業員の苦情・不満を受け付ける「相談窓口」を設けていることが明らかになりました。
調査は平成19年7月に行われ、職場でのコミュニケーションの状況と苦情・不満の解決について、企業及び従業員を対象に行ったもので、企業調査は約1800社、従業員調査は約1万人から回答を得ています。 調査結果をみると、何らかの不満を抱えている従業員は、全体の67.8%。不満の内容は、「仕事の進め方、割り当て等の業務遂行上の問題に関する不満」(46.5%)、「職場内人間関係の不満」(27.1%)、「賃金・一時金に関する不満」(26.9%)、「評価、査定に関する不満」(26.9%)が多いことがわかりました。 従業員の苦情や不満を把握・解決するための仕組みとして、企業が重視しているものとして最も多いのは「管理職への相談」で55.9%、次いで「人事・労務部門による相談対応」43.5%、「個人業績評価における面談等不満を伝えることができる機会」40.2%の順でした。 一方従業員調査では、「先輩職員・同僚への相談」が41.3%で最も多く、以下「面接、自己申告制度など不満を伝える機会」37.9%、「管理職への相談」35.1%、「社外の機関や専門家への相談」25.1%の順となっています。 苦情や不満を上司に相談した経験がある従業員は全体の58.2%で、その結果、「おおむね納得したものが多い」46.1%、「満足したものが多い」12.1%と、約6割が納得しています。
詳しくは↓
http://www.jil.go.jp/press/documents/20071225.pdf

「受動喫煙」法規制で心臓病減少/欧米で報告相次ぐ

職場や公共の場での喫煙を禁止したら、心臓病が大幅に減少。
受動喫煙防止の動きが広がる中、こんな結果を示す海外の研究が相次いで報告されていると、日本禁煙学会理事の藤原久義兵庫県立尼崎病院長らが取りまとめ、学会誌に発表しました。
最初の報告は、2004年に英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に発表された米モンタナ州ヘレナの事例で、公共の場と職場を禁煙にする条例が02年6月に施行、同12月に停止されましたが、この間の心筋梗塞の入院は24件で、前後の同期間の平均40件より4割少なかったというもの。
2006年には、米コロラド州プエブロで禁煙法施行の前後1年半の心筋梗塞発症率を比較した結果が、米医学誌「サーキュレーション」に発表されましたが、プエブロでは発症が27%減少する一方、施行されなかった別の地区では変化がなかったというもの。
2005年1月に公共の場の禁煙法が施行されたイタリアでは、ピエモンテ州でその後5カ月間に心筋梗塞が前年比11%減少したとされています。
また、2004年3月に世界で初めて法律で職場を全面禁煙としたアイルランドでは、導入後1年で南西部の公立病院に心臓発作で入院した患者が11%減少し、また英スコットランドでは2006年3月に公共の場が全面禁煙となり、それまでの10年間は年3%のペースで減っていた心臓発作の入院患者が、その後1年間で一気に17%減少したというもの。 (産経新聞 1月15日より)

センターからのお知らせ(お役立ち情報等)

事業場外資源としても活用を/働く人の心の健康相談室

茨城産業保健推進センターでは、勤労者がストレスから心の健康を守り、よりよい生活を送って頂くために心の健康対策として、「働く人の心の健康相談室」を開設しています。
ご相談は無料でお受けし、専門のカウンセラーが対応いたします。
面談、電話相談とも可能です。
ご相談内容は一切他に漏れることはありません。
悩みをお持ちの勤労者の方のほか、同僚、上司、ご家族の方などのご利用をお待ちしております。
また、企業においては事業場外資源として「働く人の心の健康相談室」を活用されることをお勧めします。 「働く人の心の健康相談室」のご利用について
詳しくは↓
https://ibarakis.johas.go.jp/consultation/mendan/kokoro-2

【関連セミナー案内】
テーマ:職場のメンタルヘルス実践講座
日時等:20年2月7日(木)午後2時~4時 日立シビックセンター
概 要:産業保健スタッフあるいはチームリーダーを対象に、「ラインによるケア」を実践するために必要な知識、 対応方法等について講義。
テーマ:ストレスケアとしてのリラクゼーションの技法を学ぶ~自律訓練法など~
日時等:20年3月4日(火)午後2時~4時 産業保健推進センター
概 要:自律訓練法を始めとするリラクゼーションの技法を紹介するとともに、自律訓練法の習得方法について臨床心理士が指導。
テーマ:「ラインケア支援の方策マニュアル」を用いた管理職教育とその効果について
日時等:20年3月12日(水)午前10時~12時 つくば国際会議場
概 要:職場での対応を「うつ病事例」、「統合失調症事例」、「未熟型・慢性うつ病事例」などに分類し、その理解を深め、 それぞれの対応のポイントについてモデルケース検討を通じて学ぶ。

アジア諸国における産業看護職の活躍/セミナーと交流会

産業保健分野の国際動向は、法規準拠型から自主対応型への変換が求められています。その結果、エンパワーメントへの支援を専門とする産業看護職への期待が高まる中、日々試行錯誤を繰り返し孤軍奮闘する産業看護職も多いのではないでしょうか。
セミナーでは、2008年2月23‐24日に日本で開催される「第1回アジア産業看護学術集会」における各国からの発表と、演者自身の韓国取材から、「アジア諸国における産業看護職の活躍」と題して、元気とアイディアいっぱいの数々の事例をご紹介します。
開催日時  平成20年3月15日(土)午前10時~午前11時30分
開催場所  茨城県立医療大学実習棟2の1階 栄養学実習室(稲敷郡阿見町阿見4669-2)
講  師  茨城県立医療大学保健医療部看護学科准教授
茨城産業保健推進センター産業保健相談員  池田 智子先生
セミナー修了後、交流会(午前11時30分~午後1時頃)を予定しております。そば打ち体験と試食があります。参加費無料です。

新着図書・教材情報(無料貸出し)

図書、ビデオ、DVDのリクエスト募集

茨城産業保健推進センターでは、図書、ビデオ、DVD(以下「図書等」という)のリクエストを募集することにしました。
リクエストメールには、図書等のタイトル、著者名、出版社、図書・ビデオ・DVDの種別などの情報をわかる範囲でご記入いただき、「お名前」と「連絡先(E-mail、電話番号、FAX番号等)」を明記してください。
予算上の制約から、必ずしもご要望に添えない場合や入手するまで時間がかかる場合もあります。
また、産業保健に関する図書以外は原則として購入いたしませんので、ご了承ください。 図書等を入手したら、リクエストした方にはEメール等で連絡をさしあげます。 その後、1週間を過ぎても貸し出しの申出がない場合は、ライブラリーに掲載して一般の方に貸し出しを案内いたします。
<記載例>
氏名:山川 海雄
Eメール:umio@yamakawa-sangyo.ne.jp
電話:029-345-6789
種類:図書
書名:安衛法便覧 平成19年度版
出版社:労働調査会

産業保健Q&A

健康診断結果について労働者の上司から問合せ

【質問】
労働者の健康診断の結果について、個人票に産業医の意見を記載して会社に提出しておきましたが、その労働者の上司から健診結果について問合せがありました。
健康診断結果は個人情報に該当すると思うのですが、どのように対応したらよいでしょうか?
【回答】
労働者を使用する事業主には、安全衛生法に定められた健康診断を実施することが義務付けられていますので、原則としては、従業員が事業主が実施する健康診断以外によそで健康診断や人間ドックなど(以下「他で健康診断等」といいます)を受けても、それでもって事業主の責務が免除されるものではありません。

安衛法に基づいて事業者が実施する健康診断(法定健康診断)の目的は、職業に起因する疾病を予防・早期発見すること、現在抱える職業的および個人的健康障害が当該作業により悪化することがないよう「適正配置」することです。
一方、法定健康診断の結果も個人情報に該当しますから、個人情報保護の観点からも適切に管理されなければなりませんし、他人に覗き見られたり、自分の意思とは別に扱われたりすることが無いようにしなければなりません。
しかし、事業者が労働安全衛生法等に基づいで実施する法定健康診断について、その法定項目(注)については、労働者が受診した段階で、法律の目的の範囲内で利用できると考えて差支えありません。 医師等(望むらくは産業医)は、労働安全衛生法に定められた「健康診断の実施後の措置」の中で、事業者に対して、・・・

産業保健Q&Aの続きは、こちらをご覧下さい。
産業保健に関するご相談は、 こちらから

これから受講できるセミナー案内(無料)「2008年」

  • 2月7日(木)14:00~16:00:日立シビックセンター(日立市幸町1-21-1)
    テーマ「職場のメンタルヘルス実践講座」
    実力アップ(Ⅳ-3(4)1単位)
  • 2月13日(水)14:00~16:00:しもだて地域交流センター(筑西市丙372)
    テーマ「ヘルシーライフへの安全運転~メタボリックシンドローム・生活習慣病の予防について~」
    日医(基礎(後期)2単位,生涯(専門)2単位)
  • 2月21日(木)14:00~16:00:茨城産業保健推進センター
    テーマ「防じんマスクの適正な選び方・有効な使い方」
    日医(基礎(実地)1単位及び(後期)1単位,又は生涯(実地)1単位及び(専門)1単位)
  • 2月23日(土)15:00~17:00:茨城県民文化センター分館(水戸市千波町東久保697)
    テーマ「特定健診・保健指導と運動プログラムの指導方法について」
    実力アップ(Ⅴ-5‐(3)1単位)
  • 2月26日(火)13:00~16:00:茨城産業保健推進センター
    テーマ「第3回 独り職場の駆け出し産業看護職勉強会」
  • 3月4日(火)14:00~16:00:茨城産業保健推進センター
    テーマ「ストレスケアとしてのリラクゼーションの技法を学ぶ~自律訓練法など~」
    実力アップ(Ⅲ-7‐(1)1単位)
  • 3月12日(水)10:00~12:00:つくば国際会議場(つくば市竹園2-20-3)
    テーマ「『ラインケア支援の方策マニュアル』を用いた管理職教育とその効果について(平成18年度調査研究結果報告)」
    日医(基礎(後期)2単位,生涯(専門)2単位)
  • 3月15日(土)10:00~11:30:茨城県立医療大学実習棟(阿見町阿見4669-2)
    テーマ「アジア諸国における産業看護職の活躍」
    実力アップ(Ⅰ-1‐(3)1単位)
    ※セミナー修了後、産業看護職の交流会(11:30~13:00)を予定しております。
  • 4月17日(木)14:00~16:00:茨城産業保健推進センター
    テーマ「メンタルヘルス疾患による休職者の職場復帰について」
    日医認定予定
  • 4月19日(土)13:00~17:00:茨城産業保健推進センター
    テーマ「職業性ストレス簡易調査票の使い方を学ぶ」
    実力アップ申請中
  • 4月25日(金)18:30~20:30:鹿嶋勤労文化会館(鹿嶋市宮中325-1)
    テーマ「企業保健室の漢方について」
    日医認定予定
  • 5月14日(水)18:30~20:30:茨城産業保健推進センター
    テーマ「産業・医療の場で使われる放射線と健康への影響について」
    日医認定予定
  • 5月22日(木)14:00~16:00:茨城産業保健推進センター
    テーマ「産業保健における口腔疾患~生活習慣と口腔疾患、その予防について」

注:「日医認定」とあるのは、日本医師会認定産業医制度の単位認定研修(生涯研修)です。
「実力アップ」とあるのは、日本産業衛生学会産業看護職継続教育実力アップコース認定(基礎コース修了者)です。

コラム水戸南町だより

管理職”偽装”/日本マクドナルド訴訟判決

耐震偽装に始まって、食品偽装、コピー用紙のエコ偽装、そして今回は管理職偽装でした。
ハンバーガーチェーン「日本マクドナルド」の直営店長、高野広志さんが、管理職扱いされて時間外手当を支払われないのは違法として、同社に未払い残業代や慰謝料など計約1,350万円の支払いを求めた訴訟で、東京地裁は先月28日、約755万円の支払いを命じました。

労働基準法は、時間外勤務に対する割り増し賃金の支払いを規定していますが、「管理監督者」は適用外になります。訴訟では、同社の店長が管理監督者に当たるかが争点でしたが、裁判官は「職務の権限や待遇から見て、店長は管理監督者に当たらない」と述べ、高野さんの訴えを認めました。 高野さんの平成16年12月の「残業時間」は137時間に上り、開店前の午前6時に出勤し、帰りは午前0時を過ぎることもあったそうです。 正社員が店長1人だけだったこともあり、自分で人手不足を補わなければなりませんでした。こうした実態を踏まえ、判決は「管理職といえるような重要な職務と権限を与えられているとは認められない」としています。

最近では紳士服大手の「コナカ」で、元店長が労働審判を通じて未払い残業代の支払いを求め、会社側が解決金600万円を支払うことで合意した事件がありました。 コナカでも管理職とは名ばかりの状態だったといいますから、まさに管理職”偽装”が横行していたことになります。 どのような基準を満たせば「管理監督者」と言えるかという点について、法律上の明確な基準はありません。 しかしファミリーレストランの店長について、材料の仕入れ、売上金の管理等をまかせられ、店長手当月額2~3万円を受けていたとしても、営業時間である午前11時から午後10時までは完全に拘束されて出退勤の自由はなく、管理監督者にはあたらないとした「レストラン・ビュッフェ事件」(大阪地裁判決昭61.7.30)などもありますので、今回の判決はこれまで積み重ねられてきた判例に沿った、概ね妥当な司法判断だといえます。 ところで同社では正社員4,500余人中、約1,700人が高野さんと同じ店長だそうです。このほかチェーン展開するファストフードや飲食店でも、残業手当を削減するために「管理職」にしている、いわば名ばかりの管理職が大勢いると見られています。 ただ、この事件の持つ意味は、単に「管理職」の範囲の解釈だけではないと考えるべきです。 今回の判決が、管理職の範囲をあらためて明示したことで、経営側の拡大解釈論に一定の歯止めをかけたことは事実ですが、「午前4時半に自宅を出て、6時すぎには店に入る。7時に開店した後は、アルバイト店員に指示しながら自ら調理や接客。売り上げ確認などの店長業務をこなし、帰宅は午前零時すぎになる。3、4時間の睡眠で朝を迎える-」(東京新聞2008年1月28日)、そんな生活がまともなはずはありません。 高野さん自身、過労からくる脳梗塞の症状に苦しんでいたそうです。 労働基準法が定めた一週40時間一日8時間労働を、無原則になし崩しにする会社の労務管理のあり方が問題とされるべきです。

おりしも先月、国際労働機関(ILO)は『世界の雇用情勢2008年版』を発表しました。その中で、「経済と雇用の成長にかかわらず、貧困層を中心に世界全体で見られるディーセント・ワークの大きな欠如」を指摘しています。 ディーセント・ワークとは、ILOの事務局長ファン・ソマビア氏が1999年に就任した際にILOの理念・活動目標として示したもので、「ディーセント」は「まともな」という意味、「ディーセント・ワーク」となると「働きがいのある人間らしい仕事」の意味になります。 仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利、社会保護、社会保障、社会対話などが確保されていて、自由と平等、働く人々の生活の安全保障があるということです。 すなわち、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことをいいます。 人間らしく働くという当たり前の願いですら裁判で闘いとらなければならない、そんな時代になっています。あらためて、人間らしい労働とは何かを考えました。


次回の第16号は、平成20年2月下旬配信予定です。
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