いばらき産保ニュース 第146号

発行日:2017年12月27日
ホームページ:http://ibarakis.johas.go.jp/
発 行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健総合支援センター 所長 小松 満


【新着情報】 
【お知らせ】 
【これから受講できるセミナー案内(無料)1月~3月開催セミナー 】 
【労災疾病等医学研究普及サイトのご案内】 
【労働衛生専門職より】 
【コラム:水戸南町3丁目だより】

新着情報

  • 工業製品等における石綿含有製品等の把握の徹底について
    石綿(アスベスト)は平成18年9月1日に使用などが禁止されました。
    ただし、禁止日時点で機械に組み込まれていた石綿含有部品などは、引き続き使用されている間に限り禁止が除外されているため、現在でも存在しています。
    そうした石綿含有部品を交換・廃棄などする際は、労働者に対して「石綿障害予防規則」に基づく『石綿ばく露防止措置』を講じる必要がありますが、部品に石綿が含有されていることが把握されておらず、適切な措置が講じられなかった事例が散見されています。
    製造業や鉄道業の皆様は、リーフレット「機械設備の石綿含有部品を把握していますか?」 (厚生労働省2017.11)を参考にして、石綿含有製品等の把握の徹底をお願いします。
    リーフレット「機械設備の石綿含有部品を把握していますか?」(厚生労働省2017.11)(厚生労働省のサイトにリンクします)

【お知らせ】

  • 事業場における心の健康づくり計画」について
    「心の健康づくり計画」の作成にあたっては、茨城産業保健総合支援センターホームページ掲載の「心の健康づくり計画の作成手順書」及び「心の健康づくり計画(例)」を参考にしていただくことができます。

  • 職場環境改善計画助成金について
    ストレスチェック実施後の集団分析結果に基づき職場環境を改善する目的で機器・設備を購入する場合、5万円までの購入費用を助成します。
    動物や植物(観葉植物を含む)については、機器・設備に該当しないため助成金を利用することはできません。
  • 新国立競技場の建設工事現場で働く労働者の健康管理に関する電話相談窓口の開設について
    新国立競技場の建設工事において発生した一次下請の労働者の過労死事案を受け、建設工事現場の関係請負事業者を対象として、労働者の健康管理のアドバイスを行う電話相談窓口を下記のとおり開設しています。
    電話番号:03-3221-1029
    受付時間:平日:9時から17時まで(土日祝日、12月29日~1月3日を除く)
    開設期間:平成29年11月14日~工事終了まで
  • 職場のメンタルヘルスシンポジウム(平成29年12月)について
    2017年12月4日(東京)、14日(大阪)にて開催された平成29年度「職場のメンタルヘルスシンポジウム~ストレスチェック集団分析結果等を活かした職場環境改善~」の映像を「こころの耳」でみることができます。
    ストレスチェック実施後の職場環境改善に関する情報や事例を紹介している講演です。
    詳しくは、こちらをご覧ください
  • 日経Smart Work 働き方改革NEXT 治療と仕事の両立へ(平成29年12月18日)について
    こちらで映像をみることができます。(日経チャンネルサイトにリンクします)
    【挨拶】 働き方改革NEXT  治療と仕事の両立へ
       厚生労働省 労働基準局安全衛生部長 田中誠二
    【基調講演】「働き方改革のすすめ」
      大阪大学社会経済研究所 教授 大竹 文雄氏
    【セッション】 「わかりやすい治療と仕事の両立」
      大阪大学 社会経済研究所 教授 大竹 文雄氏
      働き方改革実現会議 有識者、女優 生稲 晃子氏
      キャンサー・ソリューションズ 代表取締役社長 桜井 なおみ氏
    【パネルディスカッション】 「全社員が総活躍できる組織になるために」
      大阪大学 社会経済研究所 教授 大竹 文雄氏
      伊藤忠商事 代表取締役 専務執行役員CAO 小林 文彦氏
      フジクラ 人事部・健康経営推進室 副室長 浅野 健一郎氏
      産業医科大学 保健センター 副センター長 立石 清一郎氏
      労働者健康安全機構 理事長 有賀 徹氏
  • 健保連保健師・看護師連絡協議会 研修会のお知らせ
    テーマ:発達障害者への支援および周囲の対応
    講師:茨城県発達障害者支援センター 就労支援担当 野口 昇子先生 
    概要:発達障害の特性や職場における発達障害の方への対応方法等について
    日時:平成30年1月25日(木)14:00~16:00(受付13:50~)
    場所:茨城県県南生涯学習センター(土浦市大和町9-1ウララビル5階)小講座室1 
    対象:産業の場で勤務する保健師及び看護師、人事担当者・衛生管理者・健康管理担当者
    参加費:無料
    申し込み期限:平成30年1月12日(金)
    申し込み方法:所属・職種・氏名・連絡先電話番号を明記の上、下記のE-mailの宛先にお申し込みください。
    E-mailのない方はFAXにてお申込み下さい。
    【申込先】 日立製作所 ひたちなか総合病院 水戸健康管理センタ  笠間 康子
    FAX: 029-275-4656 (TEL: 029-275-4231)
  • 筑波大学エクステンションプログラム
    「ストレスチェックを軸とした実効的な社内メンタルヘルス支援システムの構築講座」のお知らせ(筑波大学)
    この講座ではストレスチェックを軸とした最先端の研究に裏付けられた、実効性のある事後措置について 、社内メンタルヘルス支援システムの構築を具体的にご紹介いたします。
    【講師】
     松崎 一葉 (筑波大学医学医療系産業精神医学・宇宙医学グループ教授、 元茨城産業保健総合支援センター産業保健相談員)
     吉野 聡(ゲートウェイコンサルティング(株)代表取締役 精神科産業医)
    【開催日程】
    平成30年2月14日(水) / 開催場所:フクラシア丸の内オアゾ Hall A
    【受講対象者】
    役員・管理職など組織を管理する立場にある方、人事労務者担当 など
    【受講費用】1社  150,000円(税込) 1社3名まで参加可能
    【受付期間】平成30年1月28日(日)まで 詳しいことは以下をご覧ください
      筑波大学エクステンションプログラム
  • 平成29年度第2回(第49回)日本産業精神保健学会研修セミナー
    職場での「働き方」を変える~睡眠負債をなくし、健康経営へ~
    日時:平成29年3月10日(土)14時00分~17時00分
    場所:東海大学高輪キャンパス1号館2階1203教室 

    • 14時05分~15時25分 「働き方を変える 睡眠負債の改善法」
      一般社団法人日本睡眠改善協議会 理事長 白川修一郎先生
    • 15時35分~16時55分 「働き方を変える 健康経営に向けて」
      日本メディメンタル研究所(株式会社JPRON)所長 清水隆司先生
  • 職場環境改善計画助成金について
    「事業場における心の健康づくり計画」について

    心の健康づくり計画助成金(10万円)を使ってメンタルヘルス対策に取り組むことができます。
    メンタルヘルス対策促進員の訪問と助言を受けていただくことが必要です。
    まず、メンタルヘルス対策促進員の訪問支援をお申込みください。
    メンタルヘルス対策支援申込フォーム(茨城産業保健総合支援センター)

  • 「産業保健21」の送付について
    情報誌『産業保健21』は、産業医をはじめ、保健師・看護師、労務担当者等の労働者の健康確保に携わっている皆様方に、産業保健情報を提供することを目的として、独立行政法人 労働者健康安全機構が発行しています。当センターより無料で送付しますので、当センターホームページよりお申込み下さい。
    バックナンバーの送付をご希望の方も、当センターホームページよりお申込みください。
    『産業保健21』サンプル (労働者安全機構のサイトにリンクします。)
    申込みは、こちらからどうぞ!
     ・「産業保健21」送付希望とご記入下さい。
     ・事業場と異なる場所への送付をご希望の際は、○○へ送付希望とご記入ください。

これから受講できるセミナー案内(無料)<平成29年1月~3月分>

<開催会場案内>
 水戸:水戸FFセンタービル会議室11階(旧、住友生命水戸ビル)
    (水戸市南町3-4-10 水戸FFセンタービル 11階)
 土浦:ワークヒル土浦(土浦市木田余東台4-1-1)
    <ワークヒル土浦のHPにリンクします。>
 鹿嶋:鹿嶋勤労文化会館(鹿嶋市宮中325-1)
    <鹿島勤労文化会館のHPにリンクします。> 
 日立:日立地区産業支援センター(日立市西成沢町2-20-1)
    <日立地区産業支援センターのHPにリンクします。>
 医師会:茨城県医師会(水戸市笠原町489)
     <茨城県医師会のHPにリンクします。> 
 労基協:茨城労働基準協会連合会中央安全衛生教育センター 
   (水戸市渋井町字堺橋263-1)<茨城労働基準協会連合会のHPにリンク>
 筑波大:筑波大学健康医科イノベーション棟
  (つくば市天王台1-1-1)<筑波大学のHPにリンクします>

開催日時 テ ー マ / 講 師 開催会場 定員
1月18日(木)
18:30-20:30
「職場の感染症対策」
講師:矢野晴美先生(筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター 水戸協同病院グローバルヘルスセンター感染症科 筑波大学医学医療系教授 岡山大学客員教授)
【概要】グローバル社会では、日本国内で、新しい感染症が発症したときのための準備を心がけておくことが必要です。今回の研修会では、「職場の感染症対策」について、国内で流行している感染症や海外で働く際に留意すべき感染症など正しい知識を持っておくべき内容等について講義します。
※講師の矢野晴美先生は、NHK総合「総合診療医ドクターG」に出演した(2014年4月18日放送)感染症専門医です。
土浦 30
1月24日(水)
13:30-15:30
「ストレスチェック制度について」
講師:松井玄考先生(産業保健相談員、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士、
元和歌山労働局長)
【概要】ストレスチェック制度のあらましについて説明します。労働者数50人未満の事
業場のストレスチェックについては、助成金制度や地域産業保健センター事業を活用することにより費用負担がかなり軽減されます。また、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針、平成18年3月策定、平成27年11月30日改正)では、「心の健康づくり計画」の策定が必要とされていますが、ストレスチェック実施計画を含めて「心の健康づくり計画」を作成することができますので、併せてご説明します。
これからストレスチェックを実施しようとする事業場、これから心の健康づくり計画を作
成する企業、労働者数50人未満の事業場の担当者の方は是非、ご参加ください。
土浦 30
2月1日(木)
14:00-16:00
「キャリアの視点から考える治療と職業生活の両立支援」
講師:砂川未夏先生 (特定非営利活動法人日本キャリア開発協会講師、2級キャリアコンサルティング技能士)
アシスタント講師:矢部悦子先生 (特定非営利活動法人日本キャリア開発協会講師、国家資格キャリアコンサルタント、 産業カウンセラー、キャリアマネジメント(株)代表取締役)
【概要】産業医、産業看護職等の方々に、両立支援におけるキャリアコンサルティングの必要性とアプローチについて下記の内容を通してご理解いただきます。
1)今なぜ両立支援におけるキャリアコンサルティングが注目を浴びているのか
2) キャリアコンサルティングとは何か(内容とアプローチ)
3) キャリアコンサルティングの効果
4) 事例検討(診断時、治療中、復帰時、復帰後等)
講師の砂川未夏先生は、日本キャリア開発協会JCDA治療と仕事の両立支援促進プロジェ クトリーダーを務めておられます。こちらをご覧ください 是非ご参加ください。
水戸 30
2月27日(火)
13:30-15:30
「ストレスチェック実施後の集団分析結果に基づく職場の環境改善 ~過重労働解消のヒント~」
講師:片倉薫先生
(労働衛生コンサルタント、薬剤師、元株式会社ツムラ研究総務課課長補佐)
【概要】法に基づくストレスチェック、健康診断、作業環境測定については、実施はするものの、そこから先の取り組みがされていない職場は多いのではないでしょうか?
いずれも職場環境を数値化した客観的なデータですので、有効に使うことができます。
本セミナーでは、ストレスチェック実施後の集団分析結果を用いて職場環境の改善に取り組んだ企業の事例や職場の環境改善によって過重労働を解消した事例を紹介します。
また、健康経営優良法人認定制度(経済産業省)や安全衛生優良企業公表制度(厚生労働省)について説明します。認定に興味のある企業の担当者の参加をお待ちしています。
嘱託産業医の先生方にとっても役立つ内容です。
水戸 30
3月1日(木)
18:00-20:00
「放射線と健康診断」
講師:大原潔先生(産業保健相談員、総合病院土浦協同病院放射線科顧問)
【概要】健康診断では、負担が少ない検査が行われ、結果も定性的・定量的であることが多く、異常を診断しやすい。
しかし、X線検査では被ばくを伴う上に、まず異常の有無を読影する必要があります。
医療被ばくは、職業被ばくや公衆被ばくと異なり、意図的に放射線を人体に照射したり、放射性物質を身体内に投与したりしますが、医療被ばくに伴う放射線の影響に比べてはるかに大きな利益、たとえば病気の発見、症状の判断など利益をうけることがはっきりしているからです。X線検査による医療被ばくを中心に健康診断の功罪について解説します。
水戸 30
3月8日(木)
13:00-15:30
「検知管の手法を用いた化学物質のリスクアセスメントの実習」
講師:岩崎芳明先生(産業保健相談員、筑波労働コンサルタント事務所長、元(株)三菱化学アナリテック分析事業部環境分析センター長)
【概要】化学物質のリスクアセスメントが平成28年6月1日に施行されました。
多くの事業所ではコントロールバンディング法を用いてリスクアセスメントを実施していると思われますが、この方法の問題はリスクレベルが高く評価される点にあります。
特に、エタノールはGHS分類で発がん性が区分1に分類されているため、高リスクに評価されます。
セミナーでは、この問題の解決法としてエタノールの検知管を用いたリスクアセスメントの実習を行います。
土浦 30
3月13日(火)
18:00-20:00
「業務上疾病の労災補償と小規模事業場の労働衛生管理」
講師:野口清先生(労働衛生コンサルタント、社会保険労務士、元労働基準監督署長)
【概要】平成28年は全国で7361件の業務上疾病が発生しました。
最も多い疾病は災害性腰痛(4,722件)、次いで熱中症(462件)であり、振動障害、鉛中毒症、職業がん、じん肺症などの遅発性疾病は相対的に発生件数が少ない状況です。
労災補償の対象となる疾病は「職業病リスト」で定められており、業務と疾病との間の因果関係が確立していると認められた疾病は「職業病リスト」に追加されます。
本セミナーでは、追加の背景、労災認定の基本的な考え方、業務上疾病の認定基準について説明し、遅発性の業務上疾病の防止対策、比較的小規模の事業場における労働衛生管理について説明します。
講師は、労働基準監督官として、長年、小規模事業場の監督指導に従事し、現在は地域産業保健センターで小規模事業場の労働者の健康管理の業務に関わっている専門家です。
水戸 30

 

<産業保健セミナーを受講される皆様へ> 
 最近、産業保健セミナーの開始時間に遅刻する受講者が見受けられ、他の受講者の妨げとなっています。
 つきましては、以下の事項を守っていただくようお願いします。

  1. 受講者は、産業保健セミナーが開始される5分前には、席に着いていただくようお願いします。
  2. 日本医師会認定産業医制度産業医学研修会の単位については、開始時間に遅れた場合、会場に入れないことがありますので、特に注意してください。

<産業保健セミナーの受講を申し込まれた皆様へ>
 産業保健セミナーの受講を申し込まれても受講されない方が見受けられ、他の方に迷惑を及ぼしています。
 つきましては、以下のようにさせていただきますので、ご了承ください。

  1. 欠席される場合は、必ず当総合支援センターに電話・メール等でご連絡ください。
  2. 欠席が目立つ方は、ご連絡をさせていただき受講をお断りする場合があります。

<認定産業医の皆様へ> 
 現在お持ちの生涯研修手帳(3~5年前更新時に発行された手帳)の番号と産業保健セミナーでお渡ししている日医シールの番号が若干違っています。これは平成22年度版から日医産業医制度実施要綱が改正になっているためです。番号が違っている場合は、似た項目のところに貼っていただければ手帳の更新時に茨城県医師会で確認します。

※ 先着順になりますので、お早めにお申込みください。
※ 有料駐車場をご利用の場合、参加者のご負担となりますので、ご了承ください。
    できるだけ公共交通機関をご利用ください。
※ 受講のお申込みは、当総合支援センターのホームページ、FAX、メール等でお申込みください。
※ セミナーに関する講話の概要並びに主な受講対象者、日本医師会認定産業医制度の単位認定研修、講師等セミナーについての詳細はこちらをご覧下さい。

総合支援センターからのご案内

  • 産業保健の「相談」をお待ちしています!!
    当総合支援センターでは産業保健に関するあらゆるご相談に応じています。電話、FAX、メールでも結構です。
    (※「メール」が便利です。)
    費用は「無料」ですので、お気軽にご相談ください。
    また、「個人情報」は守られていますので、ご心配いりません。最近はメンタルヘルスに関する相談が大変増えてきました。
    ※相談フォームはこちらをご利用ください。
  • 情報誌「産業保健21」のご利用案内
    独立行政法人労働者健康安全機構が編集・発行している情報誌「産業保健21」の配送先変更については、FAX等にてお知らせください。
    「産業保健21」は、産業医、産業看護職及び衛生管理者の情報ニーズに応えた情報誌です。産業保健業務に携わっている方で、ご希望の方には無料で送付いたします。
    詳しくは、こちらをご利用ください。
    労働者健康安全機構本部のHPにリンクします。

労災疾病等医学研究普及サイトのご案内

労災疾病等医学研究普及サイト

  1. 「筋骨格系疾患研究」について  
  2. 「作業関連疾患(労働者の健康支援)」について
     (作業関連疾患「手根管症候群患者と作業内容 (種類や期間など)との関連に関する研究」)
  3. 「メンタルヘルス」について
    【労働者の うつ、疲労、生活機能(QOL)と、脳血流、唾液中ホルモンに関する研究】
    メンタル不調の一次予防の観点から、脳血流変化と相関するHPA系ホルモンの動態とうつ、疲労、QOL等との相関関係について検証しました。 
    研究の概要はこちらです。 また、研究報告書はこちらになります。
    結果として、うつ重症度(構造化面接 SIGH-D)は、左下前頭回、背外側前頭前野を主体とした血流低下と相関していることなどが確認されました。
  4. 「職業性皮膚疾患NAVI」について
     現在、様々な業種において皮膚疾患を引き起こしやすい化学物質が用いられていますが、中には原因物質が特定されにくい、就業制限をするほど自覚症状が強くない等の理由で十分な対策がされず皮膚疾患が放置されているケースも見られます。
    一方、特定化学物質障害予防規則や労働安全衛生規則で皮膚障害防止対策の重要性が示されている他、リスク低減対策としては化学物質の有害情報を早期に収集することが必要とされています。
    このような背景により、当機構では、職業性皮膚疾患の全国的発生状況をモニターし、科学的物質に関する皮膚への影響を効率的に集積するデータベースが必須と考え「職業性皮膚疾患NAVI」を運用しています。
    「職業性皮膚疾患NAVI」は、産業化学物質による皮膚疾患を診療する機会の多い医師に御協力いただき、産業化学物質による職業性皮膚疾患発生時に事例報告入力フォーマットへ可能な限り報告し、産業化学物質による皮膚疾患の発生状況を迅速に把握するための参加型のシステムです。
    (会員登録は、「職業性皮膚疾患NAVI」ページより行い秘匿化されます。)
    軽症例や因果関係が乏しい職業性皮膚疾患の症状、原因、対応等については、学会発表がしづらく、参考になるデータが蓄積されにくい実情がありますが、当システムへのデータ蓄積と会員相互の情報共有により、信頼度の高い職業性皮膚疾患事例の早期把握が可能となります。
    職業性皮膚疾患の診療に携わる医師の情報源としても御活用いただけるシステムです。

労働衛生専門職より

第19回(昭和21年)の安全週間は、厚生省の主唱により10月1日から行われました。
これは、「極度の食糧難を考慮し、7月という米の端境期を避け、10月になれば新米も取れ、いく分の明るさが取り戻せるだろう。」という気遣いからでした。 また、従来から続けてきたスローガンは、「戦時中の産報運動に対する批判もあり、安全週間から統制色を払拭したいという気持の現れから」掲げないことにしました。
なお、この年の11月3日に「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の三大要素を掲げている「日本国憲法」が公布されています。
 第20回(昭和22年)からは、時期も7月1日からの1週間に戻り、第21回(昭和23年)は、労働基準法施行後はじめての週間で、労働省の幹部がGHQと交渉し、緑十字旗と同時掲揚することを条件として、国旗を掲げることが許可されました。
第22回(昭和24年)から、安全衛生を観念論から脱皮させ、現場に定着されようとする考え方が現れました。
 第23回(昭和25年)からは、「使用者としてなすべき対策は週間前に完了しておく方がよい。」との判断から、6月の1ヶ月間を準備期間とすることが決まりました。また、同年から安全についての労働大臣表彰が実施され、「労働衛生週間」が独立して、毎年10月1日から1週間実施されることになりました。
昭和30年代に入ると、技術革新の進展による生産活動の活性化を反映して、科学的、組織的な安全管理の推進を呼びかけることに重点が置かれ、第12回(昭和36年)からスローガンが復活し、「作業設備をととのえて 職場の安全化をはかろう」が戦後第1号でした。
 「世界にただ一つ」の長い歴史をもつ我が国の安全週間は、時代の進展に対応して装いを新たにしながら、年1回の安全活動を盛り上げる機会として役割を担っています。
 産業ごとの安全活動を見てみると・鉄鋼業は、鉄鋼六社安全会議を組織して、短所、欠陥は容赦なく批判する工場見学を実施 し、昭和25年の六社平均度数率65.35が5年後には7.15と低下しました。

  • 造船業は、関東地区において「関東地方造船安全会議」が結成され、関西地区では「近畿造船協議会安全衛生委員会」が設けられ、双方とも交代で職場点検が実施されました。
    その後、大手で構成される日本造船工業会では、安全部会及び衛生部会を設け、安全点検 基準を策定していきました。
    同工業会加盟の度数率は、昭和26年の80.11が昭和33年には31.07、昭和39年には9.23と改善されました。
  • 建設業では、朝鮮動乱を契機として、大規模の工事が多く発注され、災害も多発するようになったため、建設業者の団体である全国建設業協会では「労働災害防止対策委員会」を設置し、毎月2日間を特別安全日と定めて、安全活動の活性化を図りました。
    度数率は、昭和33年の37.69が昭和38年には17.76と半分以下に下がりました。

このように、業界あげての独自の取組を始めるようになりました。

次回は、じん肺法制定を取り上げます。

コラム 水戸南町3丁目だより

私は、二十数年間、関西や関東の労働基準監督署で働いてきました。
小規模事業場に行く仕事が主でしたが、労働者数50人以上の事業場にも500件以上は行ったと思います。
事業場では、いろいろな方々にお会いしましたが、産業医にだけはお会いすることがありませんでした。正確には1度だけ産業医をお見かけしたことがあります。
タンクからアンモニアが大量に漏洩し労働者がばく露出した事故が発生し、事故の調査に行った時に、産業医が現場に来られていました。
事業場で産業医が働いているところを見たのは後にも先にもこの時だけです。不思議に思っておりましたが、今の仕事に就いて、ほとんどの産業医が開業医や勤務医であることを知りました。

次回の第147号は、平成30年1月配信予定です。

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