いばらき産保ニュース 号外
発行日:2007/11/5
ホームページ:https://ibarakis.johas.go.jp/
発 行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健推進センター 所長 小林 敏郎
特集「健康診断の費用の3/4が助成されます/自発的健康診断受診支援助成金制度」
★脳・心臓疾患による労災認定が過去最多(2006年度)
働きすぎが原因で脳内出血や心筋梗塞といった「脳・心臓疾患」になり、労災認定を受けた2006年度、過去最多の355件にのぼり、前年度に比べ25件(7.6%)増加していたことが分かりました。 また業種別・職種別では、「運輸業」や「卸売・小売業」など、深夜業を含む不規則な勤務に従事している方が多いことも分かりました。
★“過労死”の予防は、過重労働の排除と健康管理対策の強化がポイントです
仕事上のストレスが関連する過労死は、過重な労働負担が誘因となって高血圧や動脈硬化などもともとあった基礎疾患を悪化させ、脳出血・くも膜下出血、脳梗塞などの脳血管疾患が心筋梗塞などの虚血性心疾患、急性心不全を急性発症させ、その結果として永久的労働不能や死にいたらせるものです。 しかし、こうした疾病の発症を予測することは困難であり、予防が大切となります。 過労死の予防対策としては、疲労の蓄積をもたらす長期間の過重労働を排除するとともに、高血圧や心臓病、脳血管障害といった突然死を引き起こす可能性のある病気を持っている労働者に対する健康管理対策の強化が求められます。
★深夜業従事労働者は、年にもう1回、“臨時”の健康診断を受けてみませんか
独立行政法人労働者健康福祉機構は、深夜業に従事する方で、法定の健康診断のほかに、 自ら健康診断を受診しようとする労働者に対し、健康診断に要した費用の一部を助成金として給付する制度を設けています。 これを「自発的健康診断受診支援助成金制度」といいます。
★助成金の給付要件は、以下のとおり
- 常時使用される労働者であること(短時間勤務のパート、アルバイトは除かれます)
- 過去6ヶ月の間に1ヶ月当たり4回以上(過去6ヶ月で合計24回以上)深夜業に従事していること
- 今年度にこの助成金の支給を受けたことがない方(年度内に1回に限り給付が受けられます)
- 労働保険の適用事業の労働者であること
※深夜業とは
深夜業とは、午後10時から翌日の午前5時までの間における業務をいいます。
勤務時間の一部でも午後10時から午前5時までの時間帯にかかる場合は、「深夜の業務」があるとします。
★助成の対象
助成の対象となる健康診断は、一般健康診断の項目と同じです。
★助成金額
健康診断に要した費用(料金。消費税を含む。)の3/4に相当する額が助成されます。
ただし7,500円を限度とします。
※定期健康診断の料金は、概ね一人当たり7~8,000円程度です。
★申請手続き
助成金の支給を受けようとする場合、次のような申請手続きが必要です。
- 申請用紙(4枚複写)を手に入れる
→茨城産業保健センターに連絡してください。直ちに用紙を送付します。 - 事業者が深夜業に従事していることの証明します
→用紙の事業者記載欄に、「1ヶ月当たりの深夜業従事回数」を記入、押印します。 - 証明日から1ヶ月以内に、医療機関(健康診断機関)で健康診断を受け、費用を払います。
→用紙の医療機関記入欄に、健康診断結果及び健康診断費用の支払証明を受けます。 - 申請書を茨城産業保健推進センターに提出します。
→郵送もOKです。
★助成金の支払い
独立行政法人労働者健康福祉機構から、1~2ヶ月後に申請書記載の金融機関の口座へ助成金を振り込みます。
★助成金制度を詳しくお知りになりたい方は
いますぐ茨城産業保健推進センターにご連絡ください。
【注意】
この助成金は、従前より事業者が行っている法定の健康診断に対する助成ではありません。
本助成による自発的健康診断の結果をもって、法定の定期健康診断の実施に代えることはできませんので、ご注意ください。
★自発的健康診断はこうした方・場合に利用をお勧めします。
- 深夜業に従事する方が自己の健康に不安を感じ、次回の定期の健康診断を待てない方
- 午後10時以降に及ぶ時間外労働に従事することがあり、かつ血圧が高いなど健康に不安を感じる方
- フレックスタイム制、裁量労働制などにより、深夜も働くことがある方
- その他、健康診断を法定回数よりこまめに実施したい場合
事業主や上司の方も、該当する労働者がいらした場合には、是非自発的健康診断を勧めてみてください。
(独)労働者健康福祉機構茨城産業保健推進センター
〒310-0021水戸市南町1-3-35
水戸南町第一生命ビル4F
TEL 029-300-1221/FAX 029-227-1335