いばらき産保ニュース 第141号

発行日:2017年7月13日
ホームページ:http://ibarakis.johas.go.jp/
発 行:独立行政法人 労働者健康福祉機構
茨城産業保健総合支援センター 所長 小松 満


【新着情報】

  1. 建築物等から除去した石綿含有廃棄物の包装等の徹底について(厚生労働省)
  2. 職場におけるがん対策 (茨城県保健福祉部保健予防課がん対策推進室、茨城産業保健総合支援センター) 
  3. 心の健康づくり計画助成金について

【お知らせ】

  1. 平成28年の職場における熱中症による死傷災害の発生状況について(厚生労働省) 
  2. 平成28年度過労死等の労災補償状況(厚生労働省)
  3. 研修会のお知らせ(健保連保健師・看護師連絡協議会)
  4. 第11回じん肺診断技術研修のお知らせ(労働者健康安全機構)
  5. 労災疾病等医学研究普及サイトのご案内(労働者健康安全機構)

【これから受講できるセミナー案内(無料)8月~9月開催セミナー 】

【労働衛生専門職より】

【コラム:水戸南町3丁目だより】

新着情報

  1. 建築物等から除去した石綿含有廃棄物の包装等の徹底について(厚生労働省)
    建築物等に使用された石綿等について、除去後から廃棄までの過程等における労働者の石綿ばく露の防止を一層推進するため、具体的取扱いを整理しました。
    建築物等から除去した石綿含有廃棄物の包装等の徹底について  

  2. 職場におけるがん対策

    1. 事業者向けがん対策推進セミナー
        (茨城県保健福祉部保健予防課がん対策推進室)
      〔日時〕平成29年8月25日(金曜日)13時30分~
      〔会場〕水戸生涯学習センター大講座室
        (水戸市三の丸1-5-38茨城県三の丸庁舎3階)
      〔プログラム〕
       13:30~14:30 がんと就労について(株式会社キャンサースキャン)
       14:30~14:40 休憩 -10分-
       14:40~15:00 治療と職業生活の両立支援(茨城産業保健総合支援センター)
       15:00~15:20 がん体験談(茨城よろこびの会)

    2. がん検診受診環境整備奨励金制度
      (茨城県保健福祉部保健予防課がん対策推進室)

    3. がん検診推進優良企業・団体表彰
      (茨城県保健福祉部保健予防課がん対策推進室)

    4. 職場でのがん教育(茨城産業保健総合支援センター)

      両立支援促進員(保健師、看護師、社会保険労務士)が、事業場に赴き、従業員を対象とした「がん教育」を行います。「両立支援に関する意識啓発のための研修」にチェックを入れてお申込み下さい。
      申込書は、こちらをご利用ください

  3. 心の健康づくり計画助成金について(茨城産業保健総合支援センター)
    厚生労働省は「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針、平成18 年3月策定、平成27年11月30日改正)を定め、職場におけるメンタルヘルス対策を推進 しています。
    事業者は、自らがストレスチェック制度を含めた事業場におけるメンタルヘルスケアを積極 的に推進することを表明するとともに、衛生委員会等において十分調査審議を行い、「心の 健康づくり計画」やストレスチェック制度の実施方法等に関する規程を策定する必要があり ます。
     この「心の健康づくり計画助成金」は、事業主の方が産業保健総合支援センターのメンタ ルヘルス対策促進員の助言・支援に基づき心の健康づくり計画を作成し、計画を踏まえメン タルヘルス対策を実施した場合に一律10万円の助成を受けることができる制度です。 心の健康づくり計画助成金の支給対象は法人に限ります。
    申請時に『登記事項証明書(登記 簿謄本)「履歴事項全部証明書」または「現在事項全部証明書」(原本)』を添付してください。
    詳しくはこちらをご覧ください (労働者健康安全機構のサイトにリンクします)

    メンタルヘルス対策支援申込みは、こちらをご利用ください

【お知らせ】

  1. 平成28年の職場における熱中症による死傷災害の発生状況について(厚生労働省)詳しくはこちらをご覧ください
  2. 平成28年度過労死等の労災補償状況(厚生労働省)
  3. 研修会のお知らせ(健保連保健師・看護師連絡協議会)
    〔日時〕平成29年9月14日(木)14:00~16:00
    〔会場〕水戸FFセンタービル11F会議室
    〔テーマ〕職場の感染症対策
    〔講師〕筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター 水戸協同病院グローバルヘルスセンター感染症科 筑波大学医学医療系 教授 矢野晴美先生

  4. 第11回じん肺診断技術研修のお知らせ(労働者健康安全機構)
     「じん肺診断技術研修」は、じん肺健康診断に従事する医師として必要な法制度の知識
    及び専門技術を修得することを目的としています。
     平成29年度の「じん肺診断技術研修」は11月1日(水)・2日(木)に開催いたします。 「じん肺診断技術研修」

  5. 労災疾病等医学研究普及サイトのご案内 (労働者健康安全機構)
    当機構では、労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや 新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでいます。「労災疾病等医学研究普 及サイト」では、現在実施している9テーマの研究紹介に加え、これまで実施してきた研究 成果についても掲載しています。
    〔メンタルヘルス〕
    「メンタルヘルス」分野の研究成果の中から、メンタルヘルスとストレス管理に関する利用 者の気づきとセルフコントロールを促進することを目的に開発した「勤労者メンタルヘルス チェックシステム(MENTAL-ROSAI)」についてご紹介します。
    このシステムは、勤労者の皆さんがインターネットを使ってストレスチェックを行い、自分 のストレスの状態、ストレスに影響する要因、ストレス対処の特徴等を知り、ストレスと上 手く付き合うための方法について瞬時にアドバイスを受けられるシステムです。
    なお、現在このシステムの無料モニターを募集しております。詳しくは、労災疾病等医学研 究普及サイトの「メンタルヘルス」分野の「メンタルろうさい(MENTAL-ROSAI)」からアクセ スしてください。
    〔じん肺の労災補償〕
    じん肺診断技術研修における木村清延医師の講義「じん肺の労災補償」の動画についてご紹 介します。これは毎年秋に当機構総合研修センターで開催しているじん肺診断技術研修の講 義の一部です。
    この研修は、じん肺健康診断に従事する医師が必要な法制度の知識及び専門技術を修得する ことを目的とし、じん肺専門家の医師が講師を務めているものです。 毎年、夏に開催案内を当機構ホームページに掲載していますので、動画をご覧になって興味 をもたれましたら、研修の受講をご検討ください。

  6. 「産業保健21」の送付について
    情報誌『産業保健21』は、産業医をはじめ、保健師・看護師、労務担当者等の労働者の健康確保に携わっている皆様方に、産業保健情報を提供することを目的として、独立行政法人 労働者健康安全機構が発行しています。当センターより無料で送付しますので、当センターホームページよりお申込み下さい。
    バックナンバーの送付をご希望の方も、当センターホームページよりお申込みください
    『産業保健21』サンプル (労働者安全機構のサイトにリンクします。)
    申込みは、こちらからどうぞ!

    • 「産業保健21」送付希望とご記入下さい。

    • 事業場と異なる場所への送付をご希望の際は、○○へ送付希望とご記入ください。

これから受講できるセミナー案内(無料)<平成29年8月~9月分>

<開催会場案内>
 水戸:水戸FFセンタービル会議室11階(旧、住友生命水戸ビル)
    (水戸市南町3-4-10 水戸FFセンタービル 11階)
 土浦:ワークヒル土浦(土浦市木田余東台4-1-1)
    <ワークヒル土浦のHPにリンクします。>
 鹿嶋:鹿嶋勤労文化会館(鹿嶋市宮中325-1)
    <鹿島勤労文化会館のHPにリンクします。> 
 日立:日立地区産業支援センター(日立市西成沢町2-20-1)
    <日立地区産業支援センターのHPにリンクします。>
 医師会:茨城県医師会(水戸市笠原町489)
     <茨城県医師会のHPにリンクします。> 
 労基協:茨城労働基準協会連合会中央安全衛生教育センター 
   (水戸市渋井町字堺橋263-1)<茨城労働基準協会連合会のHPにリンク>
 筑波大:筑波大学健康医科イノベーション棟
  (つくば市天王台1-1-1)<筑波大学のHPにリンクします>

開催日時 テ ー マ / 講 師 開催会場 定員
8月2日(水)
14:00-16:00
「メンタルヘルス相談おけるLGBTに関わる対応について」
講師:広瀬 麻弥先生
(一般社団法人社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン」 (厚生労働省社会・援護局補助金事業)講師)
【概要】「事業主が職場における性的言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置 について」(セクハラ指針)については、平成26年の改正により、被害者に対する事後対応 の措置の例として、事業場内の産業保健スタッフなどによる被害者のメンタルヘルス不調へ の相談対応が追加されています。また、職場での性的少数者(LGBT)への差別的な言動 がセクハラとなることが明記され、平成29年1月から適用されています。
産業保健スタッフによるLGBT従業員からの相談対応の機会が増えることが考えられます。 一般社団法人社会的包摂サポートセンターが運営する「よりそいホットライン」(厚生労働 省 社会・援護局補助金事業)のセクシュアルマイノリティ専用ラインを担当し、「よりそい ホットライン」相談員の研修を担当する講師が、LGBTに関する基本的知識、職場での相談対 応、企業での取組事例について講義します。
水戸 30
8月24日(木)14:00-16:00 「最近の労働衛生関係の法令等の改正について」
講師:松井玄考先生
(産業保健相談員、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士、元和歌山労働局長)
【概要】最近の労働衛生関係の法令等の改正について説明します。また、時間外労働の規制 や休暇制度などの「働き方」に関する法令や制度の知識は産業保健分野で役に立ちますので 、整理してお伝えします。
水戸 30
8月29日(火)
13:30-15:30
「化学物質のリスクアセスメントの実習」
講師: 岩崎芳明先生 (産業保健相談員、筑波労働コンサルタント事務所長、
                元(株)三菱化学アナリテック分析事業部環境分析センター長)
【概要】化学物質のリスクアセスメントが平成28年6月1日より施行されました。対象は全産業になりますので、化学物質に余りふれる機会の無い方には、とまどいがあるかも知れません。セミナーではリスクアセスメントの定性法である「中央労働災害防止協会法」に関して、なるべく専門用語を使用しないで説明いたします。また、方法をご理解いただく近道として実習も行う予定です。
土浦 30
9月13日(水)
18:00-20:00
「治療と職業生活の両立支援」
講師:中谷敦先生
(産業保健相談員、(株)日立製作所水戸健康管理センタ長、産業医)
【概要】「治療と職業生活の両立」は平成29年度の労働安全衛生行政の最優先課題です。
従業員が治療を受けながら仕事を続ける時に適用される勤務制度、病気関連の情報のやりとり、健康管理上の配慮について説明します。
水戸 30
9月21日(木)
14:00-16:00
「ストレスチェック制度について」
講師:松井玄考先生
(産業保健相談員、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士、元和歌山労働局長)
【概要】平成27年12月より施行のストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレス の状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付 きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に 分析し、職場環境の改善につなげる取組です。ストレスチェックについて、わかりやすく基 本的な事項から説明します。
水戸 30
 


<産業保健セミナーを受講される皆様へ> 

 最近、産業保健セミナーの開始時間に遅刻する受講者が見受けられ、他の受講者の妨げとなっています。
 つきましては、以下の事項を守っていただくようお願いします。

  1. 受講者は、産業保健セミナーが開始される5分前には、席に着いていただくようお願いします。
  2. 日本医師会認定産業医制度産業医学研修会の単位については、開始時間に遅れた場合、会場に入れないことがありますので、特に注意してください。

<産業保健セミナーの受講を申し込まれた皆様へ>
 産業保健セミナーの受講を申し込まれても受講されない方が見受けられ、他の方に迷惑を及ぼしています。
 つきましては、以下のようにさせていただきますので、ご了承ください。

  1. 欠席される場合は、必ず当総合支援センターに電話・メール等でご連絡ください。
  2. 欠席が目立つ方は、ご連絡をさせていただき受講をお断りする場合があります。

<認定産業医の皆様へ> 
 現在お持ちの生涯研修手帳(3~5年前更新時に発行された手帳)の番号と産業保健セミナーでお渡ししている日医シールの番号が若干違っています。これは平成22年度版から日医産業医制度実施要綱が改正になっているためです。番号が違っている場合は、似た項目のところに貼っていただければ手帳の更新時に茨城県医師会で確認します。

※ 先着順になりますので、お早めにお申込みください。
※ 有料駐車場をご利用の場合、参加者のご負担となりますので、ご了承ください。
    できるだけ公共交通機関をご利用ください。
※ 受講のお申込みは、当総合支援センターのホームページ、FAX、メール等でお申込みください。
※ セミナーに関する講話の概要並びに主な受講対象者、日本医師会認定産業医制度の単位認定研修、講師等セミナーについての詳細はこちらをご覧下さい。

総合支援センターからのご案内

  • 産業保健の「相談」をお待ちしています!!
    当総合支援センターでは産業保健に関するあらゆるご相談に応じています。電話、FAX、メールでも結構です。
    (※「メール」が便利です。)
    費用は「無料」ですので、お気軽にご相談ください。
    また、「個人情報」は守られていますので、ご心配いりません。最近はメンタルヘルスに関する相談が大変増えてきました。
    ※相談フォームはこちらをご利用ください。
  • 情報誌「産業保健21」のご利用案内
    独立行政法人労働者健康安全機構が編集・発行している情報誌「産業保健21」の配送先変更については、FAX等にてお知らせください。
    「産業保健21」は、産業医、産業看護職及び衛生管理者の情報ニーズに応えた情報誌です。産業保健業務に携わっている方で、ご希望の方には無料で送付いたします。
    詳しくは、こちらをご利用ください。労働者健康安全機構本部のHPにリンクします。

労働衛生専門職より

疾病「結核」と明治時代の後半について、記載させていただきます。
繊維工業が産業の主流をなしていた当時は、爆発や機械操作に基づく災害は少なく、結核を 中心とする疾病が問題点となっていました。
 紡績工場の職工の傷病  職工者数 51,900人のうち、44,200人 罹患率84%
 消化器病 14,000人、呼吸器病(結核を含む)10,000人
当時の統計での結核による死亡者数は、102人という少ない数字になっています。
これは職工(種に女工)が重体に陥ると旅費を与え付添人を付けて故郷に送還するなど、帰 ってからの死亡は統計に反映されないためで、「紡績に行くと肺病になる。」という噂が広ま ったほどです。やがて「国民病」となっていきますが、当時は労働衛生に関心を持つ人は極 めて希でした。
※A「結核」とB「肺炎」(平成27年死亡原因の第3位。)との違い

  1. 結核菌という細菌が体の中に入り、増殖することによっておこる病気で、実は肺だけではなく体の色々なところで増殖します。
    • 予防は、定期的に健康診断をきちんと受け、早期発見、早期治療が重要です。また、規則正しい生活、栄養バランスの良い食事、十分な睡眠及び適度な運動が大切です。
  2. 細菌やウイルスなどの病気を起こす微生物が肺に入り込んで感染し、肺が炎症を起こし た状態の事です。
    通常は感染しないのですが、体調が悪い場合には免疫機能がうまく 働かないため肺の中で炎症を起こします。

    • 予防は、毎日、うがい・手洗い・マスクの着用及び歯磨きの励行。また、喫煙者は禁煙、規則正しい生活及び持病の治療に努めることです。

ちなみに、明治時代の結核治療は、病院に叩き込まれるだけの隔離治療で、サナトリウム治療を取り入れた私立病院へは、特権階級の人しか入れませんでした。

明治の労働者保護の歴史は、女工の労働条件の改善を中心に展開され、政府は明治30年に「職工法案」(工場法案)をまとめますが、女工の夜業禁止に対する繊維業界の反対が強く、日の目を見ることはありませんでした。

次回は、明治40年から大正時代までを記載いたします。

コラム 水戸南町3丁目だより

▼「水戸南町3丁目だより」はお休みします。

次回の第142号は、平成29年8月配信予定です。

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